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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 Y07 審判 一部申立て 登録を維持 Y07 |
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管理番号 | 1155799 |
異議申立番号 | 異議2006-90280 |
総通号数 | 89 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2007-05-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2006-06-16 |
確定日 | 2007-03-09 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4937856号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4937856号商標の指定商品中「食器洗浄機,電気式ワックス磨き機,電気洗濯機,電気掃除機,電気ミキサー」についての登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4937856号商標(以下「本件商標」という。)は、次に示すとおりの構成からなり、平成17年8月23日に登録出願、第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年3月17日に設定登録されたものである。 ![]() 2 登録異議の申立ての理由(要点) (1)引用商標 登録異議申立人ダイソン・リミテッド(以下「申立人」という。)は、下記の3件の登録商標を引用している(以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)。 (a)登録第4479791号商標は、「DYSON」の欧文字を標準文字で表してなり、平成9年10月22日に登録出願、第3類、第7類及び第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年6月1日に設定登録されたものである。 (b)登録第2716698号の2商標は、「DYSON」の欧文字と「ダイソン」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成3年10月18日に登録出願、同8年10月31日に設定登録された登録第2716698号商標の商標権から、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を同12年3月14日に分割移転登録されたものであり、さらに、同18年9月12日に商標権存続期間の更新登録がされているものである。 (c)国際登録第795018号商標は、やや図案化された「dyson」の欧文字を横書きしてなり、2002年(平成14年)11月21日にGB(グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国)においてした商標登録出願に基づいて、2002年(平成14年)12月23日を国際登録の日とし、第3類、第7類及び第11類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成16年4月9日に設定登録されたものである。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用商標とは、語頭の「D」、中間の「S」、そして、語尾の「N」を共通にしており、視覚的に非常に似通った印象を与えるものであり、引用商標「DYSON」の著名性を勘案すると両者を取り違えて認識する可能性が高い。 また、本件商標から生ずる「ドーサン」あるいは「ドゥーサン」の称呼と引用商標から生ずる「ダイソン」の称呼とは、それぞれを一気に称呼した場合、聴覚上似通った印象を与え、聴別し難いものであるから、称呼上も類似するものである。 したがって、本件商標と引用商標とは、称呼・外観において相紛らわしく、商品間においても抵触関係にあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 (3)商標法第4条第1項第15号について ジェームズ・ダイソンは、ゴミ袋のいらないサイクロン式掃除機を発明し、家電業界に革命を起こしたデザイナー兼エンジニアであり、ダイソンのデュアルサイクロンは、西欧諸国で製造された中で最大の売上げを達成し、今や「DYSON」ブランドは、家電業界において世界を代表するブランドの一つになっている。日本においても、1割以上のシェアを誇り、「DYSON」ブランドは、日本の需要者にも広く知られ、周知の域に達しているものである(甲第3号証ないし甲第16号証)。 このような状況下において、本件商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者・需要者は、それが申立人あるいは同人と何らかの関係がある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 (4)したがって、本件商標は、その指定商品中の「食器洗浄機,電気式ワックス磨き機,電気洗濯機,電気掃除機,電気ミキサー」について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、上記1に示したとおりの構成からなるところ、その構成中の「DOOSAN」の欧文字は、特定の意味合いを有する成語とは認められないから、特定の読みがあるとはいえないが、そのような場合、これに接する取引者・需要者は、我が国において最も親しまれている外国語である英語読みをもって称呼するとみるのが自然であり、「DOO」の文字部分については、例えば、よく知られている英語の「zoo」の語が「ズゥー」の如くに発音されていることから、この例に倣い、本件商標の全体よりは、「ドゥーサン」の称呼を生ずるとみるのが相当である。 他方、引用商標は、前記した構成からなるものであるから、その構成文字に相応して、「ダイソン」の称呼を生ずるものと認められる。 そこで、本件商標から生ずる「ドゥーサン」の称呼と引用商標から生ずる「ダイソン」の称呼とを比較するに、この両称呼は、称呼における識別上重要な要素を占める語頭音を含め第3音までを異にし、僅かに語尾音における「ン」の音のみを共通にしているにすぎないものである。しかも、語頭音の「ドゥ」と「ダ」の音は、いずれも破裂音にして明瞭に発音・聴取されるものであり、また、第3音の「サ」と「ソ」の音にしても、その母音の「a」と「o」は、いずれも明瞭に響く開放音であるから、これらの音の差異が、いずれも全体として4音という比較的短い音構成からなる両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、称呼上十分区別し得るものである。 なお、申立人は、本件商標から「ドーサン」の称呼をも生ずる旨主張しているが、「ドーサン」の称呼と「ダイソン」の称呼とを比較してみても、上記したと同様に判然と区別し得るものである。 また、本件商標の欧文字部分と引用商標の欧文字部分の外観を比較してみても、全体の文字構成数を異にするばかりでなく、中間部分とはいえ、対応する「OO」と「Y」、「A」と「O」の各文字を異にするものであるから、さほど長い文字構成ともいえないこととも相俟って、通常の注意力をもってすれば、その外観を見誤ることはないものというべきである。 その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は見出せない。 したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 上記したとおり、本件商標と引用商標とは、判然と区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。 (3)まとめ したがって、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2007-02-20 |
出願番号 | 商願2005-78588(T2005-78588) |
審決分類 |
T
1
652・
271-
Y
(Y07)
T 1 652・ 26- Y (Y07) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 平松 和雄 |
特許庁審判長 |
高野 義三 |
特許庁審判官 |
山口 烈 鈴木 新五 |
登録日 | 2006-03-17 |
登録番号 | 商標登録第4937856号(T4937856) |
権利者 | 斗山インフラコア株式會社 |
商標の称呼 | ドーサン、ドウサン、ドゥーサン |
代理人 | 高柴 忠夫 |
代理人 | 鈴木 博久 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 渡邊 隆 |