• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
取消2012300362 審決 商標

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 10611141920
管理番号 1155559 
審判番号 取消2006-30688 
総通号数 89 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-05-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2006-06-08 
確定日 2007-03-30 
事件の表示 上記当事者間の登録第2622310号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第2622310号商標の指定商品中,第6類「金属製建具,金庫」,第11類「火鉢類」,第14類「貴金属製宝石箱」,第19類「建具(金属製のものを除く。)」,第20類「家具,つい立て,びょうぶ,ベンチ」については,その登録を取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2622310号商標(以下「本件商標」という。)は,「アスター」の文字を横書きしてなり,平成3年11月26日に登録出願,第20類「家具,その他本類に属する商品」を指定商品として,同6年2月28日に設定登録,その後,同15年9月16日に商標権の存続期間の更新登録がなされ,さらに,同16年9月8日に指定商品を第6類「金属製建具,金庫,金属製の可搬式家庭用温室,金属製靴ぬぐいマット,金属製立て看板,金属製の墓標及び墓碑用銘板」,第11類「火鉢類」,第14類「貴金属製の花瓶及び水盤,貴金属製宝石箱,記念カップ,記念たて」,第16類「紙製テーブルクロス」,第17類「農業用プラスチックフィルム」,第19類「建具(金属製のものを除く。),可搬式家庭用温室(金属製のものを除く。),灯ろう,墓標及び墓碑用銘板(金属製のものを除く。)」,第20類「家具,葬祭用具,食品見本模型,人工池,屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン,つい立て,びょうぶ,ベンチ,アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板」,第21類「花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。),風鈴,ガラス製又は磁器製の立て看板,香炉」,第22類「雨覆い,天幕,日覆い,よしず,日よけ」,第24類「織物製いすカバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け,どん帳,遺体覆い,経かたびら,黒白幕,紅白幕」,第26類「造花の花輪」,第27類「畳類,敷物,壁掛け(織物製のものを除く。),人工芝」及び第31類「生花の花輪」とする書換登録がなされているものである。

2 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第6号証(枝番号を含む。)を提出している。
(1)請求の理由
本件商標の指定商品中,第6類「金属製建具,金庫」,第11類「火鉢類」,第14類「貴金属製宝石箱」,第19類「建具(金属製のものを除く。)」及び第20類「家具,つい立て,びょうぶ,ベンチ」については,継続して3年以上日本国内において,商標権者又はその許諾を受けた専用使用権者若しくは通常使用権者による本件商標の使用の事実が確認できない。また,その不使用について,正当な理由があると認められない。
よって,本件商標は,商標法第50条第1項の規定に基づき,上記商品についての登録を取り消されるべきである。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人は,答弁書及び乙第1号証を提出しているが,これをもって,被請求人又は通常使用権者が本件商標を審判請求に係る指定商品のいずれについて使用しているとの確証は,得られない。
以下,乙第1号証について反論する。
(ア)被請求人は,被請求人の平成17年4月発行の商品カタログ「XIMO(エクシモ)」に,本件商標が使用されていると主張し,乙第1号証において「アスターブラック<ZP>」及び「アスターブラウン<ZK>」の記載がされていることを示している。
しかしながら,乙第1号証に示す「アスター」の語の使用は,キッチンカウンターの色柄又は図柄見本とともに,色彩を表す「ブラック」,「ブラウン」の語と一体になって使用されているため,「エゾキクの花の色が混ざった黒」等の意味合いを表すような,単にカウンターの色柄名又は図柄名の一部として使用されているにすぎないものである。
一般に,商品の色や柄も,消費者が商品を購入する際の重要な要素となっている。キッチンカウンターの色柄等も,多種多様なものが流通しており,それぞれ特徴を有したものであるから,消費者にその特徴をイメージ付けるために,その色柄等を単に「ブラック」,「ブラウン」とは表現せず,カウンターの色柄等の特徴がわかるような色柄名をつけるのが一般的である。商品カタログや,ショールームにおいても,色柄等の見本とともに,その色柄名を掲載するのが,通常行われているところである。
乙第1号証においても,「セサミブラウン」や「スパングルピンク」等の語は,当該語の上に掲載された色柄見本から,これらの語が「ごまのような模様のある茶色」や「スパンコールのようなピンク色」等の,各色柄等の見本の名前であると容易に推認できる。
また,「アスターブラック」や「アスターブラウン」の語が,「セサミブラウン」等の語と軽重の差がなく同じようなレイアウトで掲載されていることから,「アスター」の語がカウンターの色柄等の特徴を表す語の一部であると容易に理解できる。
してみれば,乙第1号証に示された「アスターブラック」及び「アスターブラウン」の語は,自他商品識別力を有する商標としての「アスター」,すなわち「アスター」ブランドの「ブラック」,「アスター」ブランドの「ブラウン」とは看取し難く,単に「アスターブラック」,「アスターブラウン」というカウンターの色柄名を示したにすぎないものであるから,乙第1号証に示す本件商標と同じ文字からなる「アスター」の語の記載は,本件商標の使用とはいえない。
(イ)2006年9月8日付けの被請求人のシステムキ ッ チ ン 「XIMO(エクシモ)」のサイト(http://national.jp/sumai/kitchen/omade/index.html)(甲第3号証の1)を見ても,特に「アスター」ブランドという「XIMO」ブランドとは別のブランド,又は,「XIMO」をファミリーネームとするようなブランド名を何ら看取することができない。また,当該サイト内の「カラー」と記載されたインデックス部分をクリックすると,「扉カラー」として,システムキッチンの扉のカラー見本のサイトと,「カウンター」として,カウンターの色柄見本のサイトにリンクしており,ここに「人造大理石カウンター グラニット」の色柄見本として,その色柄見本とともに「アスターブラック」及び「アスターブラウン」の各色柄名が掲載されている(甲第3号証の2)。
また,当該サイトの下の方に「Web上の画像と実物では色柄が異なります。現物の商品サンプルなどでお確かめください。」との注意書きが記載されているのが確認できる(甲第3号証の2)。
(ウ)さらに,被請求人のショールームである「ナショナルセンター東京(東京都新橋1丁目5番1号所在)」に請求人代理人が行き,キッチンスペシャリストであるお客様担当者(甲第4号証)に,キッチンカウンターについて質問したところ,その色(色柄)の名については,社員がいろいろなところから言葉をさがして名前を付けている旨の話があり,「アスターブラック」と表示されたカウンターについても,これが特に「アスター」ブランドの「ブラック」色との認識はなく,あくまでも「XIMO」ブランドのカウンターの色柄名の一つとして説明を受け,被請求人が発行する2006年版の「XIMO」ブランドのカタログを渡された(甲第5号証及び甲第6号証)。
甲第5号証のカタログの44頁には,「WORKTOP COLOR(カウンター柄)」の項に「アスターブラック(ZP)」及び「アスターブラウン(ZK)」の記載を確認できる。
上記のとおり,被請求人のホームページ,被請求人のショールームでの社員の対応,そして被請求人の現在のカタログ記載から,被請求人は,「アスター」の語を商標として認識しておらず,カウンターの色柄名又は図柄名の一部として認識していることが明らかである。
また,2006年版の甲第6号証に示すカタログに,特に「色柄」,「図柄」等の語が記載されず,「商品品種」欄に「アスター」の語が記載されていても,これが「アスター」の語を明らかに色柄名の一部として使用していると認識できる甲第3号証及び甲第5号証と,2006年に併存して使用されている事実から,甲第6号証に示す「商品品種」欄に記載の「アスター」の語は,「アスターブラック」,「アスターブラウン」という色柄名又は図柄名の一部を表示したにすぎないものである。そして,甲第6号証のカタログのレイアウトと乙第1号証のカタログのレイアウトを見れば,甲第6号証に示すカタログの内容が,乙第1号証に示すカタログの内容の2006年版であると一見してわかることからも,乙第1号証に示された「アスター」の語は,カウンターの色柄名を表す語の一部であると見るのが自然である。
さらに,乙第1号証に示す2005年版のカタログの「アスター」の語が一種のブランド名を表し,2006年からのカタログ等の「アスター」の語が,カウンターの色柄名等の一部を表すようになったと,被請求人において「アスター」の語の取扱に変化があったとも考え難い。
(エ)してみれば,乙第1号証に示された「アスター」の語は,単にカウンターの色柄名又は図柄名の一部を表したにすぎないものであるから,これを本件商標の使用とする被請求人の主張は,失当である。
また,乙第1号証から,審判請求前3年以内における本件商標の審判請求に係る指定商品への使用に関する記載も確認できないことから,当該証拠は,証拠能力を著しく欠くものである。

3 被請求人の答弁
被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は審判請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,乙第1号証(審決注:被請求人による「甲第1号証」の記載は,「乙第1号証」の誤記と認める。)を提出している。
請求人は,本件商標は,その指定商品中の第6類「金属製建具,金庫」,第11類「火鉢類」,第14類「貴金属製宝石箱」,第19類「建具(金属製のものを除く。)」及び第20類「家具,つい立て,びょうぶ,ベンチ」については,継続して3年以上日本国内において,使用された事実が確認できないから,商標法第50条第1項の規定により,取り消されるべきものである旨主張している。
しかしながら,審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が本件商標を使用した事実がある。すなわち,商標権者は,「システムキッチン」のカタログ(乙第1号証)において,商品「システムキッチン用カウンター」について,本件商標を使用している。乙第1号証は,平成17年に発行されたものである。
上述のとおり,請求人の主張内容は,事実に反している。
よって,本件審判の請求は,成り立たない。

4 当審の判断
被請求人は,本件商標を商品「システムキッチン用カウンター」について使用している旨主張し,証拠を提出しているので,提出に係る証拠について検討する。
乙第1号証は,被請求人の取扱いに係る「システムキッチン」に関する商品カタログの抜粋写しと認められるところ,その表紙中央に「システムキッチン/O’MΛDE」,「XIMO/エクシモ」,「2005」,「部材価格カタログ」及び「春の新商品掲載版」の文字(「XIMO」の文字が特に大きく顕著に表されている。)が4段に併記されているほか,右下の矩形輪郭内に「2005/3」の数字が記載され,さらに,その下段に「松下電工」の文字が記載されている。該カタログの裏面には,上段中央に「システムキッチン/O’MΛDE」及び「XIMO/エクシモ」の文字が二段に横書きされており,その右下には,発行者の名称,住所と共に「このカタログの記載内容は平成17年4月現在のものです。」と記載されている。
また,上記カタログの24頁及び25頁には,見開きで「システムキッチン用カウンター」について,材質,商品品種,試験基準,手入れ方法,グレード等の仕様一覧が掲載されている。
そして,商品品種の欄には,それぞれの商品の色柄及び図柄見本と共に,「特殊アクリル系樹脂+天然御影石(原石)」に対応するものとして,「グラニット<グレードH>」の項目に「アスターブラック<ZP>」及び「アスターブラウン<ZK>」の文字が,「グラニット<グレードG>」の項目に「スパングルピンク<ZK>」及び「スパングルグレー<ZN>」の文字が付記され,「特殊アクリル系樹脂」に対応するものとして,「グレーン<グレードF>」の項目に「セサミブラウン<ZC>」,「セサミグレー<ZR>」及び「コラーレホワイト<ZD>」の文字が付記されているほか,同様に「フリント<グレードE>」等の項目にそれぞれの名称が付記されている。
被請求人は,商品「システムキッチン用カウンター」について本件商標を使用している旨述べるのみで,具体的な説明はないが,上記カタログの24頁に記載された「アスターブラック<ZP>」及び「アスターブラウン<ZK>」の文字をもって本件商標が使用されていると主張するものと解されるところ,上記「アスターブラック<ZP>」及び「アスターブラウン<ZK>」の文字は,同書同大で一連一体に記載されているばかりでなく,商品の色柄又は図柄見本と共に記載されていることに加え,同頁に掲載されている「スパングルピンク<ZK>」,「スパングルグレー<ZN>」,「セサミブラウン<ZC>」,「セサミグレー<ZR>」,「コラーレホワイト<ZD>」等がいずれも対応する商品の色柄又は図柄見本と共に掲載されていることも併せ考慮すると,それぞれの色柄又は図柄に対応し,それぞれの特徴をとらえた一連の記述的な名称として認識し,把握されると見るのが自然である。このことは,例えば,「アスター」の文字が「キク科シオン属の植物の1つ。ヨメナ,シオンなどの総称」を,「スパングル」の文字が「金属,プラスチックなどでつくった薄くて小さい円形や花形の飾り」を,「セサミ」の文字が「ゴマ,ゴマの実」をそれぞれ意味する語であって,その後に続く「ブラック」,「ブラウン」,「グレー」等の色彩を表す語と相まって商品の色柄又は図柄を連想,想起させることからも首肯し得るところである。
そうすると,上記「アスターブラック<ZP>」及び「アスターブラウン<ZK>」の文字から「アスター」の文字部分のみを分離抽出して,自他商品の識別標識として認識し,理解されることはないというべきである。
そして,本件商標は,上記1のとおり,「アスター」の文字のみからなるものであるから,上記「アスターブラック<ZP>」及び「アスターブラウン<ZK>」の文字が本件商標と社会通念上同一のものということはできない。
してみれば,上記カタログが本件審判の請求の登録前3年以内に被請求人によって発行されたものであるとしても,これをもって,本件商標が商品「システムキッチン用カウンター」について使用されたものと認めることはできない。
その他,本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に請求に係る指定商品について使用されていることを認めるに足る証拠はない。
したがって,本件商標は,本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても,その請求に係る指定商品,第6類「金属製建具,金庫」,第11類「火鉢類」,第14類「貴金属製宝石箱」,第19類「建具(金属製のものを除く。)」及び第20類「家具,つい立て,びょうぶ,ベンチ」について使用されていなかったものというべきであり,また,その使用をしていないことについて正当な理由があるものとも認められないから,商標法第50条の規定に基づき,その指定商品中の上記商品についての登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2007-01-30 
結審通知日 2007-02-02 
審決日 2007-02-16 
出願番号 商願平3-122726 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (10611141920)
最終処分 成立  
特許庁審判長 田代 茂夫
特許庁審判官 小林 由美子
柳原 雪身
登録日 1994-02-28 
登録番号 商標登録第2622310号(T2622310) 
商標の称呼 アスター 
代理人 瀧野 秀雄 
代理人 今井 貴子 
代理人 瀧野 文雄 
代理人 垣内 勇 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ