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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z14
管理番号 1155353 
審判番号 取消2006-30469 
総通号数 89 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-05-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2006-04-18 
確定日 2007-03-12 
事件の表示 上記当事者間の登録第4502071号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4502071号商標(以下「本件商標」という。)は,「CARELIA」の欧文字と「カレリア」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり,平成12年2月9日に登録出願,第14類「宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,貴金属,身飾品」を指定商品として,同13年8月31日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は,本件商標の登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨以下のように述べている。
本件商標は,その指定商品について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定により,取り消されるべきものである。

3 被請求人の答弁
被請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第25号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標の使用状況について
被請求人である商標権者は,本件商標を継続して日本国内において,指定商品「身飾品」について使用しており,この使用を立証するために乙第1号証ないし乙第14号証を提出する。
(ア)被請求人は,取引先又は展示会場などで商品の販売会を実施しており,この実施のコートクレア展示会・CARELIA商標使用店一覧表(乙第1号証)を提出する。
この乙第1号証のコートクレア展示会・CARELIA商標使用店一覧表には,2004年度,2005年度及び2006年度の展示会開催日,店名,住所が記載されている。
(イ)被請求人は,商品の販売会を実施する際に,商品に関する宣伝・広告の目的として,顧客等に商品カタログ及びデザイナー,商品を紹介したパンフレットを袋に入れて配布した。
この商品カタログ及びデザイナー,商品を紹介したパンフレットを袋に入れて配布した2004年ないし2006年の各年度の状態を,写真に撮影して提出する(乙第2号証ないし乙第4号証)。また,この袋,商品カタログ・デザイナー・商品を紹介したパンフレット及び2004年ないし2006年の各年度の商品カタログを提出する(乙第5号証ないし乙第9号証)。
この各年度の商品カタログには,それぞれ使用年度を表示する「2004」「2005」「2006」が記載され,本件商標の「CARELIA」,指定商品の「身飾品」及び被請求人である商標権者の株式会社コートクレアが記載されている。
その他,商品に関する宣伝・広告の目的として商品カタログを表示したつい立てを販売会などにおいて使用し,被請求人の会社内に現在も置いており,このつい立ての写真(乙第10号証)を提出する。
乙第11号証は,つい立ての商品に関する宣伝・広告の目的として商品カタログの部分のコピーである。
(ウ)被請求人は,商品カタログ及びデザイナー・商品を紹介したパンフレット,袋の作成を証明するために,2004年ないし2005年の各年度の納品書,請求書,請求明細書及び領収書を提出する(乙第12号証ないし乙第14号証,いずれも,枝番号を含む。以下,同じ。)。この乙第12号証ないし乙第14号証は,有限会社ジュエリーフォトが商品カタログ,デザイナー・商品を紹介したパンフレット及び袋を作成したことを証明している。
(2)商標権者の使用について
被請求人は,商品の販売会を実施する際に,商品に関する宣伝・広告の目的として,来賓者に商品カタログ及びデザイナー・商品を紹介したパンフレットを袋に入れて配布したが,それぞれには,欧文字「COURT CREA」が記載されており,また,商品カタログには,欧文字「COURT CREA」の下方位置に欧文字「ROPPOGI TOKYO」(審決注:「ROPPOGI」は,「ROPPONGI」の誤記と認められるので,以下「ROPPONGI」と表記する。)が小さく記載されている。また,販売会や被請求人の会社内においては,商品に関する宣伝・広告の目的として商品カタログを表示したつい立てを置いており,それぞれの商品カタログには欧文字「COURT CREA」が記載されており,また,商品カタログには,欧文字「COURT CREA」の下方位置に欧文字「ROPPONGI TOKYO」が小さく記載されている。
この「COURT CREA」は,販売者の株式会社コートクレアの株式会社を省略した欧文字表記であり,「ROPPONGI TOKYO」は,販売者の住所表記であり,商標権者の株式会社コートクレアが本件商標を使用していることが明らかである。
(3)本件商標の使用について
被請求人は,取引先又は展示会場で商品の販売会を実施する際に,商品カタログ及びデザイナー・商品を紹介したパンフレットを袋に入れて配布したが,それぞれの商品カタログには,欧文字「CARELIA」が商品「指輪」「ネックレス」と共に記載されている。
また,販売会や被請求人の会社内においては,商品に関する宣伝・広告の目的として商品カタログを表示したつい立てを置いており,それぞれの商品カタログには,欧文字「CARELIA」が商品「指輪」と共に記載されている。
このように,本件商標を指定商品「身飾品」に使用してことは,明らかである。
(4)登録商標の同一性について
本件商標は,欧文字「CARELIA」と片仮名文字「カレリア」を上下二段に横書きしてなるものであるところ,その使用の形態は欧文字「CARELIA」の部分を記載したものであるが,この欧文字「CARELIA」の部分を使用する使用形態の商標は,商標法第50条第1項に規定する「当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標」に該当することは,明らかである。
(ア)本件商標は,欧文字「CARELIA」と片仮名文字「カレリア」を上下二段に横書きしてなるものであり,本件商標からは,「カレリア」の称呼のみが生じ,小惑星の名前の観念のみが生じることは,明らかであり,他の称呼や観念が生じることは,あり得ない。
すなわち,小惑星には,名前が付けられており,インターネットによって「carelia」を入力すると,小惑星名を検索することができる(乙第15号証)。
ウェブ検索結果によれば,「carelia」とは,小惑星の名前を意味し,日本語読みが「カレリア」であり,その語源は,ロシア北西部,フィンランドに隣接するカレリア共和国からとっていることが記載されている(乙第18号証)。
また,一般によく知られている出版社のサイト「アストロアーツ」の検索によると,小惑星軌道ピュア一として「carelia」が小惑星番号1391番の小惑星名として記載されている。このように,「CARELIA」は,「カレリア」として称呼され,小惑星名であることは,インターネットによって,一般に広く知られている(乙第16号証)。
(イ)登録商標の使用と認められる範囲については,商標法第50条第1項に「社会通念上同一と認められる商標を含む」と規定されるが,「社会通念上同一と認められる商標」の例示規定はない。
特許庁は,登録商標の不使用による取消審判の審査基準(乙第17号証)を示しているが,「社会通念上同一と認められる商標」の事例として,「登録商標が二段併記等の構成からなる場合であって,上段及び上段等の各部が観念を同一とするときに,その一方の使用」とし,「上段」に「太陽」を表記し,「下段」に「SUN」を表記したものを挙げているだけである。この登録商標の不使用による取消審判の審査基準には,本件商標のように,上段に小惑星名を欧文字「CARELIA」で表記し,下段に日本語読みを片仮名文字「カレリア」で表記したような登録商標が二段併記の構成からなる場合の運用を示していない。
してみると,本件商標と使用している商標が社会通念上同一と認められるか否かは,解釈によることになるが,本件商標は,登録時の欧文字「CARELIA」をそのまま表記して使用しており,片仮名文字「カレリア」の部分を省略して使用したとしても,称呼について欧文字である「CARELIA」から「カレリア」以外の称呼を想起することはない。
以上のことから被請求人の使用が登録商標と外観上も著しい差異を有した使用をしていないことは,明白である。
(ウ)さらに,上段の欧文字「CARELIA」からも下段の片仮名文字「カレリア」のいずれからも「カレリア」の称呼のみが生じ,且つ「カレリア」の小惑星名の観念のみが生じるから,上段の欧文字「CARELIA」のみを使用することも当然「社会通念上同一と認められる商標」に該当することは,明らかである。
しかも,被請求人は,「COURT CREA」の販売者の株式会社コートクレアの株式会社を省略した欧文字表記,「ROPPONGI TOKYO」の販売者の住所表記に合わせて,本件商標の欧文字「CARELIA」をそのまま表記して使用したものであり,このように商品カタログなどでは,文字の表示形態を統一することは,商品取引上一般に行われていることであり,このような本件商標の欧文字「CARELIA」をそのまま表記して使用することが,社会通念上同一と認められる商標に該当しないとすることは,商品取引に著しく混乱を与え,著しく取引の実情に反し,不合理であることは,明らかである。
(エ)また,登録商標が二段併記等の構成からなる場合の使用商標と登録商標の社会通念上同一の使用についての判断基準として,青林書院発行の小野昌延編「注解商標法」(乙第18号証)には,第1138頁ないし第1146頁に,商標権の存続期間更新出願の審査における登録商標の使用の認定の審査基準を引用して記載されている。
この審査基準には,「登録商標が二段併記等の構成からなる場合」の事例として,前記した「上段」に「太陽」を表記し,「下段」に「SUN」を表記したものの一方だけの使用,「上段」に「ドルテロン」を表記し,「下段」に「どるてろん」を表記したものの一方だけの使用,「上段」に「VERNASE」を表記し,「下段」に「ベルナーゼ」を表記したものの一方だけの使用などの例を挙げている。
この審査基準の「上段」に「ドルテロン」を表記し,「下段」に「どるてろん」を表記したものの一方だけの使用,「上段」に「VERNASE」を表記し,「下段」に「ベルナーゼ」を表記したものの一方だけの使用などの例は,造語で観念を有していないが「社会通念上同一と認められる商標」の使用としている。
(オ)「登録商標が二段併記等の構成からなる場合については,上段下段どちらか一方の使用について同一であると判断した多数の審決例があり,その一例として昭和52年審判第15034号審決において,「CASTOL/キャストール」での「キャストールH」での使用についても同一の使用として判断されている(乙第19号証)。
また,学陽書房発行の平尾正樹編「商標法」(乙第20号証)には,第486頁に「登録商標が二段併記等の構成からなる場合」の平成8年改正後の判決例として,DON/ドン事件,MENDEL事件,MACBETH事件などを上げて、いずれも欧文字の構成部分の使用についても同一の使用として判断されていることもかんがみれば,被請求人の使用は,本件商標と社会通念上同一の使用であるということに疑いはない。これらの事件の判決を乙第21号証ないし乙第23号証として提出する。
(カ)本件商標と使用している商標が社会通念上同一と認められるか否かの解釈にあたって,改正前の商標権の存続期間更新出願の審査における登録商標の使用の認定と,登録商標の不使用による取消審判の登録商標の使用の認定とは,同一の判断基準に従うべきであるとの判決例がある(乙第24号証)。
改正前の商標権の存続期間更新出願の審査における登録商標の使用の認定では,審査基準が「上段」に「ドルテロン」を表記し,「下段」に「どるてろん」を表記したものの一方だけの使用,「上段」に「VERNASE」を表記し,「下段」に「ベルナーゼ」を表記したものの一方だけの使用などの造語の例も「社会通念上同一と認められる商標」の使用としている。同様に,判決でも造語の「玄庵」,「GEN AN」を上下二段に横書きした登録商標の一方の「玄庵」の使用を,「社会通念上同一と認められる商標」の使用と認定している(乙第25号証)。このことから,本件商標は,上段の欧文字「CARELIA」からも下段の片仮名文字「カレリア」から小惑星名の観念が生じないとしても,上段の欧文字「CARELIA」の使用が「社会通念上同一と認められる商標」の使用に該当することは,明らかである。
(5)本件商標の使用期間について
(ア)被請求人は,商品カタログ,デザイナー・商品を紹介したパンフレット及び袋の作成を証明するために,2004年ないし2006年の各年度の納品書,請求書,請求明細書及び領収書を乙第12号証ないし乙第14号証として提出したが,これらは,有限会社ジュエリーフォトが商品カタログ及びデザイナー,商品を紹介したパンフレット,袋を作成したことを証明している。
(イ)そして,乙第12号証の1ないし4では,納品書,請求書明細書タイトル名は「CALELIA New Collection 2004作成」となっており,2004年度版パンフレットにおいての納品書及び請求明細書であることに疑いはない。さらに右上部には作成日時が2003年10月24日と記載されており,そのすぐ下には,社印が捺印されていることも確認できる。請求書についても,同様に右上部には,作成日時が2003年10月24日と記載されており,そのすぐ下には,社印が捺印されていることも確認できる。領収書には,株式会社コートクレア様と表記し,請求金額252,000が撮影・印刷料金として2003年12月1日に領収した旨が記載されており,左下部には,収入印紙及び印も捺印されていることが確認できる。
したがって,2004年度には,すでに,本件商標は,被請求人が取引先又は展示会場で商品の販売会を実施する際に商品に関する宣伝・広告の目的として個別に配布したパンフレットとして使用していることは,容易に推測できる。
同様に,乙第13号証の1ないし3及び第14号証の1ないし3により,2005年度及び2006年度にも継続して,本件商標は,被請求人が取引先又は展示会場で商品の販売会を実施する際に商品に関する宣伝・広告の目的として,個別に配布したパンフレットとして使用していることは,容易に推測できる。
また,被請求人の会社内においては,乙第10号証及び乙第11号証の写真に示す商品に関する宣伝・広告の目的として商品カタログを表示したつい立てを,商標登録出願時から現在まで置いている。
(ウ)上記のことからも,継続して3年以上日本国内において,商標権者が本件商標の使用をしていることは,明白である。
(6)結論
以上によれば,請求人の「本件商標は,その指定商品について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。」との主張は,上記の理由により正当なものではなく,本件商標は,正当な権利を有する登録商標であることが明白である。

4 当審の判断
(1)被請求人の提出に係る証拠及び主張の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(ア)被請求人は,「コートクレア展示会」と称する商品の展示・販売会を2004年ないし2006年に全国各地において開催した(乙第1号証)。
(イ)被請求人は,上記展示・販売会において,商品カタログ及びデザイナイー,商品を紹介したパンフレットを袋に入れて顧客に配布した(乙第2号証ないし乙第9号証)。この商品カタログには,冒頭に各年度に応じた「CARELIA New Collection 2004」等の文字が記載されると共に「指輪,ペンダント」等の商品の写真が掲載され,その写真の下部に「COURT CREA」及び「ROPPONGI TOKYO」の文字が二段に書されている(乙第2号証ないし乙第4号証及び乙第7号証ないし乙第9号証)。
(ウ)被請求人は,商品カタログを表示したつい立てを上記展示・販売会において設置すると共に,被請求人の会社内にも設置しており,該つい立てには,「CARELIA」及び「New Collectiion」の文字が商品「指輪」の写真と共に大きく書され,商品の下部に「COURT CREA」及び「ROPPONGI TOKYO」の文字が二段に書されている(乙第10号証及び乙第11号証)。
(エ)上記(イ)の商品カタログ,パンフレットは,各年度毎に有限会社ジュエリーフォトによって作成され,それぞれ2003年10月24日,2004年11月25日及び2006年1月18日に被請求人に納品された(乙第12号証ないし乙第14号証)。
(オ)上記商品カタログ及びつい立てに表示された「CARELIA」の文字は,「カレリア」と称呼されるものであり,本件商標と社会通念上同一といい得るものである。
(2)以上の認定事実によれば,本件商標は,その指定商品に含まれる「指輪,ペンダント」等の商品について,本件審判の請求の登録日である平成18年5月11日前3年以内に,日本国内において,被請求人によって,使用をされたものというべきである。
(3)したがって,本件商標は,商標法第50条の規定により,その登録を取り消すべきでない。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2006-12-25 
結審通知日 2007-01-09 
審決日 2007-01-30 
出願番号 商願2000-10170(T2000-10170) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Z14)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 柳原 雪身 
特許庁審判長 田代 茂夫
特許庁審判官 柳原 雪身
小林 由美子
登録日 2001-08-31 
登録番号 商標登録第4502071号(T4502071) 
商標の称呼 カレリア、キャレリア 
代理人 鶴若 俊雄 
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