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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y29
管理番号 1153784 
審判番号 不服2005-10904 
総通号数 88 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-06-10 
確定日 2007-02-21 
事件の表示 商願2004-89346拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成16年9月29日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願商標の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(3)のとおりである。
(1) 登録第4497676号商標(以下「引用A商標」という。)は、「CAS」の欧文字を標準文字で書してなり、平成12年6月30日に登録出願、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成13年8月10日に設定登録されたものである。
(2) 登録第4526398号商標(以下「引用B商標」という。)は、「セルアライブシステム」の片仮名文字と「CAS」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成12年11月27日に登録出願、第11類「急速凍結庫,冷凍保管庫,その他の冷凍機械器具,業務用の食品解凍庫,電球類及び照明用器具,工業用炉,原子炉,美容院用又は理髪店用の機械器具(いすを除く。),太陽熱利用温水器,浄水装置,汚水浄化槽,し尿処理槽,業務用ごみ焼却炉」及び第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成13年11月30日に設定登録されたものである。
(3) 登録第4593536号商標(以下「引用C商標」という。)は、「セルアライブシステム」の片仮名文字と「CAS」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成13年7月9日に登録出願、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」、第31類「あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,うるしの実,コプラ,麦芽,ホップ,食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵,飼料,釣り用餌,果実,野菜,糖料作物,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,飼料用たんぱく」及び第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成14年8月9日に設定登録されたものである。(以下、上記(1)ないし(3)をまとめて「引用各商標」という。)

3 当審の判断
(1) 本願商標について
本願商標は、別掲のとおり、王冠を載せた盾を両側から直立した2頭の獅子が前足で支え持つ態様からなる欧紋章様の図形内に、「C」「A」「S」の各欧文字を左上から順次に縦にずらしやや図案化した文字を顕著に描き、その図形下に「SINCE 2004」の欧文字と数字とを配した構成よりなるものである。
そして、一般取引場裏において使用されるこの種の欧紋章様の図形とその図形内に描かれた文字等との結合商標にあって、それらが商標の構成要素として一体に把握される場合があることを必ずしも否定するものではないが、他方、欧紋章様の図形部分がその図形内の文字等を顕彰するための装飾的なものとして認識され取引に資される場合もあるということができる。
してみると、かかる構成よりなる本願商標をその指定商品に付した当該商品に接する取引者・需要者は、「SINCE 2004」の文字部分からは、当該商品が西暦2004年以来、生産ないし販売されていることを表示したものと理解し、かつ、これとあいまって該欧紋章様の図形内にある「CAS」の文字部分を当該商品の生産販売者あるいはその略称、すなわち当該商品の出所表示として認識することも少なくないといわなければならない。また、本願商標の構成にあって、その構成を外観、観念及び称呼上からみて、該欧紋章様の図形部分とその図形内にある「CAS」の文字部分とを常に一体不可分のものとして把握すべき特段の理由も認められないところである。
そうすると、本願商標に接する取引者・需要者は、その構成中の「CAS」の文字部分に着目し、これをもって取引に当たる場合も少なくないものというべきである。
してみれば、本願商標は、その構成中の「CAS」の文字部分に相応して、「シイエイエス」又は「キャス」の称呼が生ずるものと認められ、また、これよりは直ちに特定の観念を生じ得ないものというのが相当である。
(2) 引用各商標について
引用A商標は、上記2(1)のとおり、「CAS」の文字よりなるものである。また、引用B及びC商標は、上記2(2)及び(3)のとおり、共に「セルアライブシステム」及び「CAS」の文字よりなるところ、これらは視覚的に分離して看取されるばかりでなく、下段の「CAS」の文字は、上段の「セルアライブシステム」の文字との関係からして、「Cell」(セル)、「Alive」又は「Arrive」(アライブ)及び「System」(システム)の各英単語の頭文字をとって表示したものであろうと容易に理解し得るものであるから、この略語として認識される「CAS」の文字部分をもって取引に当たる場合も少なくないものというべきである。
してみれば、引用各商標は、いずれも「CAS」の文字部分に相応して、「シイエイエス」又は「キャス」の称呼が生ずるものと認められ、また、これよりは直ちに特定の観念を生じ得ないものというのが相当である。
(3) 本願商標と引用各商標との類否について
上記(1)及び(2)のとおり、本願商標と引用各商標とは、いずれも同一の綴り字からなる「CAS」の文字をもって取引に当たることがあるといえるから、両者は、「シイエイエス」又は「キャス」の称呼を共通にする類似の商標といわざるを得ず、かつ、本願商標の指定商品は、引用各商標の指定商品と同一又は類似のものである。
(4) 結語
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標



審理終結日 2006-12-12 
結審通知日 2006-12-15 
審決日 2006-12-26 
出願番号 商願2004-89346(T2004-89346) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Y29)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 水落 洋 
特許庁審判長 高野 義三
特許庁審判官 岩本 和雄
田村 正明
商標の称呼 キャス、カス、シイエイエス 
代理人 面谷 和範 
代理人 向江 正幸 
代理人 福島 三雄 
代理人 小山 方宜 

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