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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y03
審判 全部申立て  登録を維持 Y03
管理番号 1152322 
異議申立番号 異議2006-90281 
総通号数 87 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-03-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-06-19 
確定日 2007-02-13 
異議申立件数
事件の表示 登録第4938055号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4938055号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4938055号商標(以下「本件商標」という。)は、「MANDARINA PULSE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成17年8月2日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年2月22日に登録査定、同年3月17日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)引用商標
登録異議申立人コズミカ、ソシエテ、アノニム(以下「申立人」という。)は、下記の3件の登録商標を引用している。
(a)登録第4686982号商標は、「PULSE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成14年9月13日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年6月27日に設定登録されたものである。
(b)登録第4347559号商標は、「パルス」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成10年11月16日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年12月24日に設定登録されたものである(以下、上記2件の商標をまとめて「引用商標A」という。)。
(c)登録第4550203号商標(以下「引用商標B」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成12年7月14日に登録出願、第3類及び第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年3月8日に設定登録されたものである。
(d)2005年商標登録願第88504号商標(以下「引用商標C」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、第3類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品して、平成17年9月21日に登録出願されたものであり、現在、審査に係属中である。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成中の「MANDARINA」の文字が化粧品の分野においては、商品の品質又は原材料を想起させるものであるから、自他商品の識別標識としての機能を果たすのは、「PULSE」の文字部分にあり、これより、「パルス」の称呼をも生じるといわなければならない(甲第5号証ないし甲第14号証)。
他方、引用商標Aは、その構成から、「パルス」の称呼を生ずるものである。
してみれば、本件商標と引用商標Aとは、「パルス」の称呼を共通にする類似の商標であり、両者の指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
引用商標B及びその後継商標である引用商標Cは、「MANDARINA」及び「DUCK」の欧文字と図形からなるところ、該商標は、特に、香水及び化粧品について使用され、我が国においても、百貨店、専門店をはじめ、日本全国の小売店を通じて販売され、雑誌やウェブサイト等の各種媒体で積極的に広告・宣伝が行われ、本件商標の出願時においては著名なものとなっている(甲第17号証及び甲第18号証)。
したがって、本件商標がその指定商品について使用された場合、申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれが強いものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当する。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、構成各文字は、外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずる「マンダリナパルス」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ、構成中の「MANDARINA」の文字部分が化粧品の品質を表す語として用いられる場合があるとしても、かかる構成においては、「PULSE」の文字部分のみを分離抽出して取引に供されるものとはいい難く、むしろ、構成全体をもって不可分一体の構成からなる造語を表したものとして認識され把握されるとみるのが自然である。
そうとすれば、本件商標は、該構成文字全体に相応して「マンダリナパルス」の称呼のみを生ずるものであって、単に「パルス」の称呼が生ずることはないものといわなければならない。
してみれば、本件商標から単に「パルス」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標Aとが称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標Aとを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。
したがって、本件商標と引用商標Aとは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
(ア)本件商標と引用商標B及びCとの類否について
申立人が香水及び化粧品について使用し著名になっている旨主張している引用商標B及びCは、別掲に示したとおり、「MANDARINA」と「DUCK」の文字との間に、1文字ないし2文字程度分の大きさで表した鳥の図形を配した構成からなるものであるところ、文字部分と図形部分は、まとまりよく一体的に構成されているものである。そして、申立人が現に使用している商標の態様は、甲第18号証の1ないし12によれば、「MANDARINA DUCK」、「マンダリナダック」あるいは、引用商標Cの構成からなるものであり、「MANDARINA」の文字のみからなる商標が使用されている事実は認められない。
そうとすれば、引用商標B及びCは、構成態様上、全体として一体不可分の構成からなるばかりでなく、現実の使用の状態においても、「MANDARINA」と「DUCK」の文字は一体不可分の態様をもって使用されているものであるから、引用商標B及びCからは、その構成文字部分に相応して「マンダリナダック」の称呼のみを生ずるものといわなければならない。
そこで、本件商標と引用商標B及びCとの類否について検討するに、本件商標は、上記したとおり、その構成全体をもって一種の造語を表したものとして理解・認識されるものであって、「マンダリナパルス」の称呼のみを生ずるものであるのに対して、引用商標B及びCは、「マンダリナダック」の称呼のみを生ずるものであるから、両者は、その称呼において明らかな差異を有するものである。
また、両商標は、外観においても明らかな差異があり、いずれも、全体として一体の構成からなる造語と認められるものであるから、観念については比較すべくもない。
したがって、本件商標と引用商標B及びCとは、外観、称呼、観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標と認められるから、「MANDARINA」の文字の共通性を理由とする申立人の主張は採用できない。
(イ)出所の混同について
そうとすれば、引用商標Cが香水及び化粧品について使用されている事実は認められるにしても、本件商標と引用商標B及びCとは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標Bあるいは引用商標Cを連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
引用商標B(1)

引用商標C(2)

異議決定日 2007-01-24 
出願番号 商願2005-71507(T2005-71507) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Y03)
T 1 651・ 26- Y (Y03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小川 敏 
特許庁審判長 高野 義三
特許庁審判官 山口 烈
鈴木 新五
登録日 2006-03-17 
登録番号 商標登録第4938055号(T4938055) 
権利者 ボーテ クレアター
商標の称呼 マンダリナパルス、マンダリナ、パルス 
代理人 塩谷 信 
代理人 黒瀬 雅志 
代理人 吉武 賢次 
代理人 宮嶋 学 
代理人 関根 秀太 
代理人 宮城 和浩 

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