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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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無効200589039 | 審決 | 商標 |
無効200589076 | 審決 | 商標 |
無効200489106 | 審決 | 商標 |
不服200422100 | 審決 | 商標 |
無効200589025 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) Y25 |
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管理番号 | 1152294 |
異議申立番号 | 異議2006-90007 |
総通号数 | 87 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2007-03-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2006-01-05 |
確定日 | 2007-01-05 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4906041号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4906041号商標の商標登録を取り消す。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4906041号商標(以下「本件商標」という。)は、平成17年5月11日に登録出願、「Def Tech Club」の欧文字を標準文字で書してなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同17年11月4日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第47号証を提出している。 (1)本件商標は、申立人の所属に係るアーティスト「Def Tech」(デフテック)の名称、若しくは芸名を含む商標であるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。 (2)本件商標は、申立人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがあるから、同法第4条第1項第15号に該当する。 (3)本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている「Def Tech」と類似の商標であって、不正の目的をもって使用するものと認められるから、同法第4条第1項第19号に該当する。 (4)本件商標は、アーティスト「Def Tech」の文字を有し、このようなものを第三者が採択・使用することは穏当でないと認められるから、同法第4条第1項第7号に該当する。 3 本件商標に対する取消理由の要旨 当審において、平成18年9月12日付けで商標権者に対し通知した取消理由は、要旨次のとおりである。 申立人の提出に係る甲各号証及びインターネットのフリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」等によれば、本件商標の構成中の「Def Tech」とは、インディーズ(レコード会社に依存しない自主制作盤のこと。)でミリオンセラーを達成した、ハワイ育ちのShen(シェン)と、日本育ちのMicro(マイクロ)からなるJAWAIIAN REGGAE(ジャワイアンレゲエ、ジャパン+ハワイ+ジャマイカ)という新しいジャンルのボーカルユニットの名前で、2005年のヨコハマタイヤのCMソング「My Way」は、春のセンバツ高校野球のダイジェスト番組でも流されて有名になり、「Def Tech」は、その年のNHKの紅白歌合戦にも出場した。 また、「Def Tech」の2人は、2003年からRIZEやBENNIE Kらの作品に参加、2005年に最初のアルバム(「My Way」外7曲を含むタイトル「Def Tech」をイルチルレコード「本件の登録異議申立人」)より発売した。 さらに、アルバム発売前の2004年11月から北海道のAIR-Gで「My Way」がオンエアーされ、1月度パワープレイ(集中オンエア)になったのがブレイクのきっかけとなった。 グループ名である「Def Tech」は「テクニックをひけらかさない」「超かっこいいテクニック」の意味で、名付け親はRIZEのボーカルJESSEであり、「Def Tech」の語は既成語ではなく創造語であると認められる。 甲第2号証の「oricon style 2005 No.6 2/14号」の「INDIES ALBUM BEST30」によれば、最初のアルバム「Def Tech」(「My Way」外7曲)の発売年月日は、2005年「平成17年」1月22日であり、これは、本件商標の登録出願日(平成17年「2005年」5月11日)より、4ヶ月前である。 そして、同アルバムは、オリコンチャート総合アルバムセールにおいて、同年2月7日付けで第111位に登場し、同年3月7日付けでトップ10入り、同年8月22日まで、25週に亘って第10位以内を記録し、同年10月24日までに、合計160万枚を超える売上を記録している。 以上によれば、「Def Tech」は、上記したボーカルユニットの名前を表示するものとして、本件商標の登録出願時(平成17年「2005年」5月11日)には、我が国の取引者・需要者の間、特に音楽の分野において、相当程度広く認識されていた事実を認め得るものであり、また、その周知・著名性は、現在も継続しているとみるのが相当である。 また、「Def Tech」の語が、RIZEのボーカルJESSEによって創案された創造語であることは上記したとおりであり、かかる特異な商標が、商標権者によって偶然に創作されたとは考え難いところである。 そうとすれば、本件商標は、申立人等の創造商標であり、かつ周知・著名性を有する「Def Tech」の語をその商標中に含む商標とみるのが相当である。 さらに、本件商標は「Def Tech Club」の欧文字よりなるところ、構成中後半部における「Club」の語は「同好の者が集まった団体」を意味する語であるから、上記した「Def Tech」の周知・著名性からみれば、本件商標は「Def Techの同好者団体」又は「Def Techファンクラブ」といった程度の意味合いを認識させるものであり、「Club」の文字そのものが独立して何らかの意味合いを認識させるということはないとみるのが相当である。 してみれば、商標権者の本件商標の取得には申立人使用商標の周知・著名性にフリーライドして不正の利益を得ようとする不正の目的があったものと推認され得るところである。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。 4 商標権者の意見 商標権者に対し、上記3の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。 5 当審の判断 本件商標は、上記3で述べたとおり、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その商標登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2006-11-20 |
出願番号 | 商願2005-41059(T2005-41059) |
審決分類 |
T
1
651・
222-
Z
(Y25)
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最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 白倉 理 |
特許庁審判長 |
柴田 昭夫 |
特許庁審判官 |
小川 有三 岩崎 良子 |
登録日 | 2005-11-04 |
登録番号 | 商標登録第4906041号(T4906041) |
権利者 | 株式会社セント・ローラン |
商標の称呼 | デフテッククラブ、デフテククラブ |
代理人 | 足立 勉 |
代理人 | 特許業務法人クラスター |