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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 Y01032932 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 Y01032932 |
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管理番号 | 1150056 |
審判番号 | 不服2005-18023 |
総通号数 | 86 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2007-02-23 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-09-20 |
確定日 | 2007-01-12 |
事件の表示 | 商願2005-7550拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「KOUENZYME」の欧文字を横書きしてなり、第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類,肥料,陶磁器用釉薬,高級脂肪酸,非鉄金属,非金属鉱物,写真材料,試験紙,人工甘味料,工業用粉類,原料プラスチック,パルプ」、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」、第29類「コエンザイムQ10を主原料とする粒状・粉末状・顆粒状・カプセル状・スティック状・流体状・ゼリー状・クリーム状・ペースト状・錠剤状の加工食品,食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、平成17年2月1日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、『KOUENZYME』の文字よりなるものである。ところで、『コエンザイム』は、『補酵素』を表し、コエンザイムQ10は、体の中でエネルギーを作り出す助けをしており、最近においては、体によいものとして人気を集め、注目されている物質である。そして、一般的には、『コエンザイムQ10』又は『コエンザイム』と表示され、サプリメントはもとより、飲料水、化粧品等様々な商品が開発され大変人気のある商品であるといえる。そうすると、本願商標は、第3文字目に『U』の文字があるとはいえ、『KOENZYME』の英語表記がそれほど親しまれているものとはいえない現状があり、さらに、『コエンザイム』の片仮名表記が該物質を表すものとして普通に使用されていることからみて、本願商標に接する取引者・需要者は、単に『コエンザイム』の英語表記を認識するにすぎず、該商品が『コエンザイム』又は『コエンザイムQ10』に関する商品であると直ちに認識するものといって差し支えないものである。そうとすれば、本願商標を加工食品、食品、化学品等に使用しても、単に該商品の品質を表示するにすぎないものといえる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、上記のとおり、「KOUENZYME」の欧文字からなり、また、その綴り字自体が英和辞典ほか一般の辞書類に掲載されているような証左は見いだせないから、特定の語義を有する既成語を表したものとはいえないものであって、それ自体は造語商標であるというべきである。 そして、欧文字からなる造語商標にあっては、一般的には、我が国において広く親しまれている英語ないしローマ字の読みに倣って称呼されるものとみるのが相当であるから、かかる構成中「KOU」の文字部分は、親しまれた英語に倣って称呼すべき単語もないことから、ローマ字読みに「コウ」と読まれ、また、同「ENZYME」の文字部分は、「酵素」を意味する英単語「enzyme」に相応して、英語読みに「エンザイム」と読まれるとみるのが自然であるから、本願商標全体では「コウエンザイム」と称呼されるとみるのが自然である。 ところで、原審が説示する「コエンザイム」は、「coenzyme」と英語表記されるものであって、「補酵素」を意味する語である(株式会社三省堂発行「コンサイスカタカナ語辞典第3版」、自由国民社発行「現代用語の基礎知識2007」等)。そして、当該補酵素の一種である「コエンザイムQ10」(coenzyme Q10)を取り扱う業界では、通常、これを「CoQ10」(コーキューテン)と略称していることは、需要者にもよく知られているところであり、かかる実情からすれば、「コエンザイム」の英語表記が「co」(Co)で始まることも、よく知られているものとみて差し支えない。そうすると、語頭部分において「coenzyme」とは綴り字を異にし、その自然称呼も「コウエンザイム」である本願商標「KOUENZYME」が、上記「コエンザイム」を英語表記したものであると一般に認識されるものとは認め難いものである。 また、当審において調査するも、指定商品を取り扱う業界において、該「KOUENZYME」の文字が商品の品質等を直接的あるいは具体的に表示するものとして、取引上普通に使用されていると認めるに足りる事実も見いだし得なかった。 してみれば、本願商標は、これをその指定商品について使用した場合、自他商品の識別機能を有しない商標ということはできないし、また、商品の品質について誤認を生ずるおそれもないというべきである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも該当するものではないから、これらを理由に本願を拒絶することはできない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2006-12-20 |
出願番号 | 商願2005-7550(T2005-7550) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
WY
(Y01032932)
T 1 8・ 272- WY (Y01032932) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 富田 領一郎 |
特許庁審判長 |
高野 義三 |
特許庁審判官 |
田村 正明 橋本 浩子 |
商標の称呼 | コエンザイム、コーエンザイム、コーエンジム、コーエンチーム |
代理人 | 員見 正文 |
代理人 | 小野 暁子 |
代理人 | 伊藤 克博 |