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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y09 |
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管理番号 | 1148574 |
異議申立番号 | 異議2005-90674 |
総通号数 | 85 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2007-01-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2005-12-27 |
確定日 | 2006-11-29 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4903230号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4903230号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4903230号商標(以下「本件商標」という。)は、「SALON POS」の欧文字と「サロンポス」の片仮名文字を上下2段に横書きしてなり、平成15年8月28日に登録出願され、第9類「販売時点情報管理に関する電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同17年10月21日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由(要旨) 本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の所有する「SALONPAS」の欧文字を横書きしてなり、昭和60年7月31日に登録出願、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、平成1年3月27日に設定登録された登録第2121866号商標(以下「引用商標1」という。)、同じく「サロンパス」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和60年7月31日に登録出願、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、平成1年3月27日に設定登録された登録第2121867号商標(以下「引用商標2」という。)、同じく「サロンパス」の片仮名文字を横書きしてなり、平成15年9月25日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年5月14日に設定登録された登録第4770602号商標(以下「引用商標3」という。)(これら引用商標をまとめていう場合、「各引用商標」という。)と類似するものであり、そして、各引用商標は、申立人の業務に係る商品「外用鎮痛消炎剤」について周知・著名な商標であるから、本件商標をその指定商品に使用するときは、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 3 当審の判断 (1)本件商標は、前記のとおり「SALON POS」の欧文字と「サロンポス」の片仮名文字とを併記してなるから、その構成文字に相応して「サロンポス」の称呼を生ずるものである。 他方、各引用商標は、前記のとおり「SALONPAS」の欧文字又は「サロンパス」の片仮名文字よりなるものであるから、各構成文字に相応して「サロンパス」の称呼を生ずるものである。 そうすると、本件商標と各引用商標とは、称呼においては、語頭よりの3音「サロン」と語尾音「ス」を同じくし、第4音において「ポ」と「パ」の一音が相違するにすぎないものである。外観においては、本件商標の欧文字部分が「SALON」と「POS」の文字間に一文字程の間隔を空けて表示されているほか、欧文字よりなる引用商標1とは、それぞれの第7文字目において「O」と「A」の一文字の差異を有し、また、本件商標の片仮名文字部分は、片仮名文字よりなる引用商標2及び3と、それぞれの第4文字目において「ポ」と「パ」の一文字の差異を有するにすぎないものである。観念については、本件商標は格別の意味合いを生ずることのない造語と認められるから、両者を比較することができない。 (2)ところで、商標法第4条第1項第15号における「他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある」場合の当否を判断するに当たっては、商標自体のほか、当該商標の指定商品と他人の業務に係る商品との関係、取引者、需要者の共通性や取引に際し普通に払われる注意力等諸般の事情を総合的にみて、そのおそれがあるか否かを判断すべきものと解される。 しかして、申立人の提出した証拠によれば、各引用商標は申立人によって長年にわたり「外用鎮痛消炎剤」に使用され、本件商標の出願時において申立人の業務に係る商品を表示する商標として、取引者、需要者間に広く知られていたことを認めることができる。 しかしながら、上記各引用商標が使用されている商品(外用鎮痛消炎剤)は、医薬品メーカーが製造し、薬店、薬局等を経由して一般に販売、提供される医薬品の一つと認められるものであるのに対し、本件商標の指定商品(販売時点情報管理に関する電子応用機械器具及びその部品)は、電子機器あるいは電気機械器具メーカー等により製造され、一般に販売、提供される電子機器の一つと認められるものであるから、両商品はその製造、販売及び需給関係などの取引の実情において、相互に関連性がなく、全く別異のものというべきである。 そうすると、本件商標をその指定商品について使用した場合、前記(1)において各引用商標と比較したとおりの本件商標が、たとえ、その称呼及び外観において各引用商標と互いの近似性を否定することができないものであるとしても、全く別異の商品といい得る本件商標の指定商品と各引用商標の使用する商品との関係及びこれに接する取引者、需要者の普通に払われる注意力等を総合勘案すれば、その商品が申立人の業務に係る商品であるかのようにその出所について誤認混同を生ずるおそれあるものとは認められず、他に、この認定を左右する特段の事情は認められない。 なお、申立人は、本件商標の指定商品(販売時点情報管理に関する電子応用機械器具及びその部品)と各引用商標の使用されている商品(外用鎮痛消炎剤)との取引者、需要者の共通性や申立人の経営の多角化等について種々述べるところあるが、たとえ、申立人の主張するところの事情があったとしても、商品の出所の混同のおそれがあるか否かを、その取引者、需要者の普通に払われる注意力等を考慮し、具体的に判断すべき本件事案においては、その主張のみをもって、前記認定を左右するものとはいい難い。 (3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2006-11-09 |
出願番号 | 商願2003-74112(T2003-74112) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(Y09)
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最終処分 | 維持 |
特許庁審判長 |
柴田 昭夫 |
特許庁審判官 |
岩崎 良子 小川 有三 |
登録日 | 2005-10-21 |
登録番号 | 商標登録第4903230号(T4903230) |
権利者 | タカラベルモント株式会社 |
商標の称呼 | サロンポス、サロン |
代理人 | 長谷川 芳樹 |
代理人 | 浜田 廣士 |
代理人 | 佐藤 英二 |