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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y09 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y09 |
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管理番号 | 1148453 |
審判番号 | 不服2004-8040 |
総通号数 | 85 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2007-01-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-04-20 |
確定日 | 2006-12-01 |
事件の表示 | 商願2003- 74011拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 本願商標 本願商標は、「Visual Network」の文字を標準文字により表してなり、第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」を指定商品として、平成15年8月28日に登録出願されたものである。 第2 原査定における拒絶理由 原査定は、「本願商標は、『視覚によるネットワーク』を意味し指定商品中の『ネットワーク用機器』との関係において商品の品質表示『視覚によるネットワーク用機器』のように認識され、同様の意味合いで一般に使用されている『ビジュアルネットワーク』の英語『Visual Network』の文字を普通に用いられる方法で書してなるから、これをその指定商品中、例えば『視覚によるネットワーク用携帯情報端末装置・簡易動画遠隔監視システム装置』に使用するときは、単に商品の品質について普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第3 当審における証拠調べ通知 当審において、請求人(出願人)に対し、平成17年1月28日付けをもって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、その要旨は次のとおりである。 1 本願商標からは、請求書でも指摘のとおり「視覚可能なネットワーク」といった意味合いを想起するというのが相当である。 2 当審で行った新聞・インターネット等の調査によれば、近年、各種の映像機器・電気通信機器・電子応用機械器具等を用い、インターネットを通じて、遠隔地の画像をリアルタイムで伝送し視覚によってモニタリングできるシステムが「ビジュアルネットワーク」「Visual Network」と称され、店舗監視・金融機関ATM-CD監視・鉄道業務監視・消防高所カメラ・工場生産ライン監視・大会議システム等様々な場面において採用されている事実が発見される(証拠資料(1)?(15)参照)。 証拠資料 (1)2004.9.3電気新聞9面 中部電力は・・全社防災訓練を実施した。・・同社のテレビ会議システム「ビジュアルネットワーク」や全社一斉放送で全事業場に対して「地震警戒体制」を発令し、地震災害警戒本部を本店(名古屋市東区)に設置する段階から始まった。 (2)2000.11.24日本食糧新聞 全日食グループ・・は、15日に開催したチェーン大会で第七次五カ年計画第三年度のキーワードを「興」と決め、七つのスローガンを打ち出した。・・「興」はおこす、はじめるの意。具体的な内容は(1)全日食におけるチェーンルネッサンス。・・(3)Z-ONEを背景にしたIT革新。リアルタイム、ビジュアルネットワークの稼働(4)VMNネットワークの先鋭化とアイテムコントロール体制の稼働(5)・・ (3)2000.5.15東京新聞14面 トヨタ自動車のビジュアルネットワークシステム「Gazoo(ガズー)」は、専用端末やインターネットを通じて、車を軸にしたコミュニティーを構築、コミュニティーをベースにしたEコマース(電子商取引)を実現しようとしている。担当者は「Gazooは、コマース・コミュニティーを目指す」と話している。 (4)1998.2.18日本工業新聞4面 防犯・防災システム機器の専門メーカー、竹中エンジニアリング・・は、ISDN(総合デジタル通信網)回線を通じて業界最高水準の一秒間に最大十五コマの高品位画像と音声を遠隔地に伝送する「動画伝送システムTC-5000シリーズ」を十九日から発売する。・・送信機に受信機十カ所の電話番号を登録、センサー信号の種類や時間の設定された場所へオートダイヤルできる。また、受信機一台で最大三百カ所の現場を一元管理できるビジュアルネットワークの構築も可能。画像メモリーボード(オプション)の接続で、センサー起動前後の画像を確実に三十枚記録し、受信機に伝送する。このほか、受信機側からリモコン操作で送信機側のVTRを制御し、記録画像を検索できる。 (5)1997.9.1 Medical&Test Journal 11頁 池上通信機は9月10?12日、東京・青山のTEPIAで同社の産業映像機器・システムを一堂に介した産業映像展を開催する。ビジュアルネットワークをテーマに、医療関連では、小型デジタルハイビジョンカメラを使ったネットワークシステム、4面マルチプロジェクタを利用した遠隔監視システム、MPEG IIのアプリケーションを用いた医療用画像情報システムなどが展示される。 (6)1995.8.25東京新聞夕刊3面 人気ポップグループ「ドリームズ・カム・トウルー」が二十七日、グリーンスタジアム神戸に阪神大震災の被災者約二万五千人を無料招待し、大阪公演を通信衛星で中継する映像ライブコンサートを行う。・・「ビジュアルネットワークライブINグリーンスタジアム神戸」と銘打った催しは午後四時開場、午後六時から約二時間半の公演を予定。縦八メートル、横十メートルの大型スクリーンに大阪市此花区の舞洲スポーツアイランドで行われるライブの模様が映し出される。 (7)1991.8.23日刊工業新聞14面 関西電力は二十二日、二〇一〇年をターゲットに入れた新しいコンピューター利用のマスタープランを策定、発表した。・・コンピューターの二十四時間オンライン運用技術の確立やビジュアルネットワークの構築、人工現実感(AR)の活用など、新しいハードウエア技術を逐次採用して基盤を整備する。 (8)http://www.aisan.co.jp/products/network_meeting.html[グループ・テレビ会議システム・・POLYCOM] ハイパフォーマンスなビジュアルコミュニケーションシステム 業界をリードするポリコムViewStationは繊細でクリアな映像・音声を配信する、ビジュアルコミュニケーションツールです。 革新的なコーデック技術は映像伝達の遅延を最小限にとどめ、独自のアコースティック・クラリティ・オーディオテクノロジーは部屋の大きさに関係なく、クリアなサウンドを提供します。 あたかも目の前で話をしているような、ごく自然で、リアルな通話が実現できます。 <ビジュアル・ネットワーク・ソリューション構成例> (8の2)http://www.nttvics.co.jp/eizo/sitool/top.html View Station POLYCOM社製テレビ会議装置 Visual Network Solution View Stationで提案するビジュアルネットワークソリューションは「会議」にとらわれず、より早く、正確な情報伝達やコラボレーションが必要な場面での効果的なコミュニケーションの実現をめざしています。 (9)http://www.spsj.or.jp/c7/c00/g0010.html [高分子学会] 2000年10月主催行事・・第31回高分子錯体研究会講座 主題=IT革命を支える材料部品技術の最先端-モバイルゼルとビジュアルネットワークで広がるITの世界とそれを支える材料と技術 (10)http://www.nri-aitd.com/sche2003.html [NRI ITコロキウム スケジュール] 第13回:1月22日(木)「ビジュアルネットワーク時代のビジネス」 スピーカ NRI横井 (11)http://wwwsoc.nii.ac.jp/iieej/trans/04yoteii.htm [画像電子学会] Advanced Image Seminer 2004 4月23日(金) ・・テーマ ビジュアル・ネットワークを支える技術-画像情報の圧縮と配信の最新技術動向- (11の2)http://wwwsoc.nii.ac.jp/iieej/trans/KATSUDONAIYO.html [画像電子学会] セミナー 最新の技術動向、注目すべき分野について開催しております。最近の開催状況は以下の通りです。 Advanced Image Seminar 2004 (2004年4月 ) ビジュアル・ネットワークを支える技術-画像映像の圧縮と配信の最新技術動向- (12)http://www.chuden.co.jp/torikumi/kenkyu/news/pdf/044/N04426.pdf [中部電力・内外ニュース] ビジュアル・ネットワーク 動画像を利用した情報交換網 動画像に代表されるビジュアル情報は、状況を直観的に理解・把握ができる。このビジュアル情報を任意の地点間に伝送できるビジュアル・ネットワークを構築すると、遠隔地間で正確・迅速な情報交換ができ、業務の効率化を図ることができる。当社においては、ビジュアル情報の利用が個別に進んでおり、それらのネットワーク化を計画している。 (13) http://www.ndtc.co.jp/index.html、http://www.ndtc.co.jp/index2.html[日興電機通信株式会社] Visual Nework by NDTC TV映像は、放送局から飛び出しCCTVへ、そしてFA・画像処理へと用途を広げながら発展しています。 いま私たちはその広がりにネットワークを融合させ、Visual Networkとして提唱し、新しい映像の世界を提案しています。空間の広がり、時間・質・量の広がりで、さらに新しい映像の世界が広がります。 ・・・・・ Visual Networkの進展・・Visual Networkシステム例 (14)http://www.cisco.com/japanese/warp/public/3/jp/specialprog/avvidprog/partner/part_find/Security_and_VPN/catalog/secur-solsoft.shtml [SolSoft, Inc.] 製品紹介 ビジュアルネットワークによるセキュリティポリシー管理を実現する SolSoft のアーキテクチャ SolSoft では、様々なオブジェクトを用いてネットワーク構成図を作成し、その構成図上でマウスを操作することで、ビジュアルにセキュリティポリシーのルールを定義することができます。セキュリティポリシーはネットワーク構成図に反映されるため、その確認も簡単に行うことが可能。さらに、製品毎の設定コマンドを自動的に生成、配布できますので、人為的ミスを防ぎ、迅速確実なポリシー変更が可能。 (15)http://panasonic.biz/broad/report/m_pdf/m_003.pd [Panasonic System Report:松下電器産業株式会社] 飛騨・世界生活文化センター様 大容量サーバーを中心に構築したネットワークシステムが音と映像のデジタルコンテンツの制作・編集から送出までをサポート 納入システム ビジュアルネットワークシステム 飛騨・世界生活文化センター(愛称:飛騨センター)様は、・・同センターは大規模アリーナ、多目的ホール、各種会議室などのコンベンション施設と、常設展示室、企画展示室、図書資料室などのミュージアム施設を有し、センター内をギガビットイーサによる高速ネットワークで結んでいます。 3 これよりすれば、本願商標を本願指定商品中当該ネットワークシステムに用いられる写真機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品等に使用するときは、単に商品の品質、用途等を表示するにすぎないとするのが相当である。 第4 当審の判断 当審において、請求人(出願人)に対し上記の証拠調べ通知を送付し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、請求人からは何らの意見、応答もなかった。 そして、上記の証拠調べ通知によって示したとおり、「Visual Network」の文字よりなる本願商標をその指定商品中「写真機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」等に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、上記実情から該商品が「ビジュアルネットワークシステムに用いられる写真機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」等であること、すなわち、その商品の品質、用途等を表示したにすぎないものと認識し、理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認識し得ないというのが相当である。また、本願商標を前記商品以外の商品に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、これを取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-09-11 |
結審通知日 | 2006-09-12 |
審決日 | 2006-09-26 |
出願番号 | 商願2003-74011(T2003-74011) |
審決分類 |
T
1
8・
272-
Z
(Y09)
T 1 8・ 13- Z (Y09) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 山田 忠司 |
特許庁審判長 |
小林 薫 |
特許庁審判官 |
寺光 幸子 長柄 豊 |
商標の称呼 | ビジュアルネットワーク、ビジュアル |
代理人 | 外川 英明 |