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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200621551 審決 商標
不服200712515 審決 商標
不服2012650089 審決 商標
不服2011650038 審決 商標
不服20141543 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y1626
審判 全部申立て  登録を維持 Y1626
審判 全部申立て  登録を維持 Y1626
管理番号 1146893 
異議申立番号 異議2006-90224 
総通号数 84 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2006-12-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-05-19 
確定日 2006-11-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第4928785号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4928785号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4928785号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成17年6月30日に登録出願、第16類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年2月17日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1201362号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和47年7月28日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和51年5月24日に設定登録され、その後、平成18年4月5日に、第8類、第14類、第16類、第20類、第21類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。
(2)登録第1115297号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和45年1月9日に登録出願、第13類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和50年4月14日に設定登録され、その後、平成17年7月6日に、第8類、第21類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。
(3)登録第4445981号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成11年12月20日に登録出願、第18類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年1月19日に設定登録されたものである。
(引用商標1ないし3をまとめていうときは、以下単に「引用商標」という。)

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)引用商標及び「clover」の語の周知・著名性
申立人は、昭和21年に手芸・裁縫用品の製造業を本格的に開始して以来、60年の長きにわたって、引用商標をはじめ、「clover」の文字やクロバーの葉をモチーフとした図形を、ハウスマークとして、あるいはその業務に係る商品「手芸・裁縫用品」について継続して使用してきた(甲第3号証)。
申立人は、その業務に係る商品「手芸・裁縫用品」について、全国紙や業界紙に継続的に宣伝広告活動をした(甲第5号証の1ないし9、甲第6号証の1ないし6)結果、引用商標を含む「clover」商標は、周知・著名
なものとなった。引用商標1及び2は、その周知・著名性が認められた故にこれらに基づく防護標章登録も受けている(甲第7号証の1ないし6、甲第8号証の1及び2)。したがって、引用商標3も引用商標1及び2と同様に周知・著名性を獲得していると考えるのが自然である。
さらに、引用商標は、特許庁電子図書館における「日本国周知・著名商標集」をはじめ、「日本有名商標集」、「日本商標名鑑」(甲第9号証の1及び2)にも掲載されており、引用商標を含む「clover」商標は、少なくとも手芸・裁縫用品の分野においては周知・著名なものとなっている。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「French」と「clover」の各文字を結合してなるところ、全体として特定の観念を有しないばかりでなく、その構成中の「French」は、「フランス刺繍」用の手芸・裁縫用品や「フレンチボタン」等と呼ばれるフランス製のボタン類等との関連では、商品の用途・品質・製造地等を表す部分と捉えられ得る場合もある。さらに、本件商標は、申立人の業務を表すものとして周知・著名な「clover」を含むため、これをその指定商品中、手芸・裁縫用品に使用するときは、「clover」の部分が注目され、引用商標と類似する商標と認識され得るものである。
また、本件商標の指定商品中、第16類「型紙,裁縫用チャコ」及び第26類「針類,編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱(貴金属製のものを除く。),被服用はとめ」は、引用商標の指定商品と同一の商品である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
前記(1)のとおり、引用商標を含む「clover」商標は、手芸・裁縫用品の分野において、申立人の業務を表すものとして周知・著名になっている。
本件商標は、その構成中に「clover」の語を含むため、これを指定商品中、手芸・裁縫に関連する商品のみならず、それ以外の商品に使用した場合も、一般の消費者を需要者とするものであるから、これらの商品が申立人又はこれと何らかの関係を有する商品であるかのように、商品の出所につき混同が生ずるおそれが十分にある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)のとおり、「French clover」の文字を横書きしてなるものであるところ、該文字は、全体がフェルトペンで手書きをしたような特徴のある書体で書されているばかりでなく、その構成中の「French」の文字部分は、「フランスの」などを意味する英語として、また、「clover」の文字部分は、「(植物の)クローバー」を意味する英語として、いずれの語もわが国において親しまれているものであるから、構成全体として、「フランスのクローバー」なる意味合いを想起させるものである。また、本件商標を構成する文字全体より生ずると認められる「フレンチクローバー」の称呼は、きわめて冗長というほどのものではなく、よどみなく称呼し得るものである。
そうすると、本件商標は、外観、観念及び称呼のいずれの点からみても、構成全体をもって、一つの商標を表したものと理解されるというのが相当である。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「フレンチクローバー」の一連の称呼のみを生ずるものであって、「フランスのクローバー」なる観念を想起させるものといわなければならない。
してみれば、本件商標よりその構成中の「clover」の文字部分のみを分離、抽出し、本件商標と引用商標とが類似の商標であるとする申立人の主張は、上記の判断と前提が異なり、採用することができない。
その他、本件商標と引用商標とを類似の商標とみるべき理由は見出せない。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
甲第3号証ないし甲第5号証の8及び甲第7号証の1ないし甲第9号証の2によれば、申立人は、昭和21年に手芸・裁縫用品の製造業を開始して以来、今日に至るまで手芸・裁縫用品のメーカーとして営業活動を継続していること、申立人の業務に係る商品には、引用商標が表示され、申立人は、これら商品を本件商標の登録出願前より、朝日新聞に宣伝広告していた事実が認められる。また、引用商標1及び2について、糸、布地、印刷物等を指定商品とする防護標章登録がされ、さらに、「日本有名商標集」(2004年AIPPI・JAPAN発行)、「日本商標名鑑2000」(平成12年11月20日商標調査会発行)に掲載されたことが認められる。
以上によれば、引用商標は、申立人の業務に係る商品「手芸・裁縫用品」を表示するためのものとして、「手芸・裁縫用品」の分野においては、本件商標の登録出願前より、その需要者の間でよく知られていたものであるということができる。
しかしながら、引用商標は、構成全体をもって申立人の業務に係る商品「手芸・裁縫用品」を表示するためのものとして認識されているものといえるばかりでなく、「clover」の語それ自体は、「(植物の)クローバー」を意味する英語として、わが国において親しまれている一般的な語である。そして、本件商標は、前記(1)で認定したとおり、構成文字全体をもって認識される商標であって、その構成中の「clover」の文字部分のみが独立して把握、認識されるものではなく、引用商標とは、商標それ自体非類似のものである。
してみれば、本件商標をその指定商品について使用しても、その需要者が該商品を申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標



(2)引用商標

異議決定日 2006-10-17 
出願番号 商願2005-59740(T2005-59740) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Y1626)
T 1 651・ 263- Y (Y1626)
T 1 651・ 262- Y (Y1626)
最終処分 維持  
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 澁谷 良雄
特許庁審判官 石田 清
山本 良廣
登録日 2006-02-17 
登録番号 商標登録第4928785号(T4928785) 
権利者 株式会社カミオジャパン
商標の称呼 フレンチクローバー、クローバー 
代理人 樋口 豊治 
代理人 青山 葆 

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