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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
審判199811377 審決 商標
不服200733142 審決 商標
審判19964026 審決 商標
不服200411407 審決 商標
不服200512749 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y10
管理番号 1146822 
審判番号 不服2004-23908 
総通号数 84 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-11-22 
確定日 2006-11-01 
事件の表示 商願2003-78611拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「Saf-T Holder」の欧文字を標準文字で表してなり、第10類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年9月10日に登録出願されたものである。そして、その指定商品については、平成16年3月8日付け手続補正書により、「血液検査器,穿刺器具,採血用針,採血器具,医療用の血液チューブの保持具,静脈内カテーテル,その他の医療用機械器具 」に補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4651459号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおり「サフティ」の片仮名文字と「SAFTI」及び「Safti」の欧文字を3段に表してなり、平成14年6月4日登録出願、第10類「医療用機械器具」を指定商品として、同15年3月7日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり、「Saf-T Holder」の欧文字よりなるところ、その構成中の「Holder」の語は「支える物、入れもの」を意味する英語として一般に親しまれているばかりでなく、医療器具を取り扱う業界においては、例えば、下記(1)ないし(5)のように、医療用機械器具の中にホルダー機能を有するものも存在することから、本願指定商品との関係では、該文字部分は、単に商品の品質を表示したものと理解されるものとみるのが相当であって、自他商品識別力としての機能は果たし得ないか、あるいは、その機能は極めて弱いものというべきである。
(1)株式会社平和医療器械のホームページに「内視鏡スコープホルダー」の製品案内として「中央のネジハンドルを閉めつけるだけで全関節を固定できます。」等の説明が記載されている(http://www.heiwairyo.co.jp/products/products_na.htm)。
(2)ニプロ株式会社のホームページに「採血針ホルダー付」の商品紹介として「採血針とホルダーが一体化しているので準備の時間短縮になります。」等の説明が記載されている(http://www.nipro.co.jp/info_section/kokunai_yueki06.html)。
(3)共同通信社のホームページに「最新医療情報」として、「採血ホルダーも使い捨てに 感染症防止へ採血法統一」の見出しのもと、「集団検診などで、注射針を刺したまま、さまざまな検査用血液を採取するのに使われる「採血ホルダー」という医療器具が、原則として使い捨てになった。厚生労働省が今年1月、都道府県などに通知した。」の記事の掲載がある(http://kk.kyodo.co.jp/iryo/news/0405saiketsu.html)。
(4)テルモ株式会社のホームページに採血又は輸血用器具の一種の「真空採血管用ホルダ」である「ベノジェクト IIホルダー」の製品説明として、「性能、使用目的、効能又は効果」欄に「採血針を嵌合し、固定した後、当該ホルダ内に真空採血管を挿入することによって、採血が開始される。」等の説明が記載されている(http://www.terumo.co.jp/medipro/MD/index.html)。
(5)株式会社高研のホームページの「医療機器/製品一覧」の「デイル気管切開カニューレホルダー」、「デイル気管内チューブホルダー」の製品説明に「気管切開チューブの固定が簡便に行えます。」、「経口挿管用気管内チューブの固定に適しています。」等の説明が記載されている(http://www.kokenmpc.co.jp/products/medical_plastics/index.html)。
以上のことよりすると、本願商標は、その構成中の前半部の「Saf-T」が自他商品識別標識としての機能を果たし得る部分というべきであり、これに接する取引者、需要者は、該文字部分より生ずる称呼をもって取引にあたる場合もあるというのが相当である。してみると、本願商標は、その構成文字に相応して「サフティーホルダー」の称呼を生ずるほか、「サフティー」の称呼をも生ずるものというのが相当である。
なお、出願人(請求人)は本願商標からは「セイフティーホルダー」の称呼のみが生ずる旨主張するが、本願商標構成中の「Saf-T」の文字は成語ではなく、また、「saf」から始まる英語には「safariサファリ:(探検)旅行」、「safflowerサフラワー:ベニバナ」等のように「saf」の文字部分を「サフ」と称呼することもあり、また、一般に親しまれたローマ字読みで「SA」を「サ」と読む事実もある。そして、他に「Saf-T」の文字部分を「セイフティー」とのみ称呼するとする特別の事情も存在しないことから、上記のとおり、本願商標からは「サフティー」の称呼をも生ずるといい得るものであり、この点に関する出願人(請求人)の主張は採用できない。
他方、引用商標は、別掲のとおりの構成よりなるところ、その構成文字に照応して「サフティ」の称呼を生ずるものであり、特定の観念を有しない造語よりなるものである。
そこで、本願商標から生ずる「サフティー」の称呼と、引用商標から生ずる「サフティ」の称呼とを比較すると、両者は称呼において識別上重要な要素を占める語頭音を含む「サ」「フ」「ティ」の3音を配列を含めて共通にし、その差異は、わずかに末尾の長音の有無の差異を有するにすぎないものである。そして、該長音は、前音「ティ」に吸収されて、しかも語尾に位置することから、明確に聴取し難いものである。
してみれば、本願及び引用の両商標は、外観において相違し、観念について比較できないとしても、「サフティー」と「サフティ」の称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調・語感が近似したものであって聴き誤るおそれがあり、かつ、その指定商品も同一又は類似するものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
引用商標

審理終結日 2006-06-02 
結審通知日 2006-06-06 
審決日 2006-06-22 
出願番号 商願2003-78611(T2003-78611) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Y10)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 清川 恵子 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 山口 烈
海老名 友子
商標の称呼 サフテイホルダー、サフテイ、サフ、エスエイエフ 
代理人 杉村 興作 
代理人 廣田 米男 
代理人 末野 徳郎 

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