• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y1217
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y1217
管理番号 1143516 
審判番号 不服2004-17793 
総通号数 82 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-10-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-08-27 
確定日 2006-09-04 
事件の表示 商願2003-106484拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第12類及び第17類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年6月6日に出願された平成15年商標登録願第46716号の商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(分割出願)として同15年12月1日に登録出願され、その後、指定商品については、同16年6月22日付け手続補正書によって、第12類「荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗物用の機械要素,落下傘,乗物用盗難警報器,車いす,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),船舶並びにその部品及び付属品,航空機並びにその部品及び付属品,鉄道車両並びにその部品及び付属品,自動車並びにその部品及び付属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び付属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」、第17類「雲母,ゴム製又はバルカンファイバー製のバルブ(機械要素に当たるものを除く。),ガスケット,管継ぎ手(金属製のものを除く。),パッキング,消防用ホース,石綿製防火幕,オイルフェンス,電気絶縁材料,ゴム製又はバルカンファイバー製の座金及びワッシャー,蹄鉄(金属製のものを除く。),化学繊維(織物用のものを除く。),石綿,岩石繊維,鉱さい綿,石綿製フェルト,ゴムひも,石綿ひも,石綿網,ゴム製包装用容器,ゴム製栓,ゴム製ふた,農業用プラスチックフィルム,プラスチック基礎製品,ゴム,岩石繊維製防音材(建築用のものを除く。),石綿の板,石綿の粉,自動車その他窓ガラスに貼着するガラス強化用又はガラス飛散防止用又は紫外線遮断用のプラスチックフィルムシートその他のプラスチックフィルムシート」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、その指定商品との関係において、『防犯のためのフィルム』の意を認識させる『セキュリティフィルム』の文字及び『SECURITYFILM』の文字を普通に用いられる方法で併記してなるものであるが、本願商標をその指定商品中『自動車ウインドウ用プラスチックフィルム』『自動車その他窓ガラスに貼着するガラス強化用又はガラス飛散防止用又は紫外線遮断用のプラスチックフィルムシートその他のプラスチックフィルムシート』等に使用するときは、該商品が『自動車の窓ガラス・自宅の窓ガラスの破損、破壊による盗難を防止するために使用するフィルム』の意を容易に認識させるものであるから、単に商品の品質を表示するにすぎないもの認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき請求人に通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えたが、所定の期間を経過するも、請求人は何らの意見を述べていない。


本願商標を構成する「セキュリティフィルム」及び「SECURITYFILM」の文字に関して行った証拠調べによれば、以下の事実が認められる。
1.「セキュリティー」、「フィルム」、「SECURITY」及び「FILM」の語の有する意味について、辞書等によれば、以下の事実が認められる。
(1)「セキュリティー」の項に、「安全、保安、防犯。」(株式会社岩波書店 広辞苑第5版、株式会社三省堂 コンサイスカタカナ語辞典)等の記載がある。
(2)「SECURITY」の項に、「安全、安心、防衛、警備。」(株式会社研究社 新英和中辞典)等の記載がある。
(3)「フィルム」の項に、「薄い膜状のもの。」(株式会社三省堂 コンサイスカタカナ語辞典)等の記載がある。
(4)「FILM」の項に、「薄膜、皮膜。」(株式会社研究社 新英和中辞典)等の記載がある。

2.新聞記事情報及びインターネット情報において、「セキュリティフィルム」及び「セキュリティーフィルム」の文字が、商品「自動車その他窓ガラスに貼着するガラス強化用又はガラス飛散防止用又は紫外線遮断用のプラスチックフィルム」について使用されている事実。
(1)2004年1月22日付け日刊工業新聞 21頁に、「文化シャッターは(中略)後付けの窓ガラス用セキュリティーフィルム(中略)2月から首都圏で直販を開始。(中略)戦略商品のセキュリティーフィルムは、従来の後付けフィルムに比べ『ガラス打ち破り』などの防止に効果を発揮する。」の記事の掲載がある。
(2)2001年11月5日付け日刊工業新聞 7頁に、「テック(中略)は、北浦製作所(中略)とともにガラスに貼るだけで耐衝撃性、耐貫通性を向上できるセキュリティーフィルム『SSP1218』の本格販売を開始した。建物や車のガラスを強化し、防犯・防御に役立つ。」、「紫外線も99.8%以上カットできる。」の記事の掲載がある。
(3)2001年8月6日付け日刊工業新聞 17頁に、「DIY用品メーカーのユタカメイク(中略)は、銃弾も通さないという超強じんセキュリティーフィルムに関し、(中略)輸入販売を始めた。(中略)この防犯フィルムはガラスに張るだけでガラス強度が2倍、フィルムと一体化することで約4倍の強度レベルが得られる。」、「透明で紫外線阻止率98%強。」の記事の掲載がある。
(4)アルフォリア・ジャパン株式会社のホームページにおいて、サンクリア・プレベントの商品紹介として「セキュリティーフィルム カギを強化しても窓ガラスは無防備では有りませんか!」、「このフィルムを施工するとこんなに安心」の見出しのもと、「●ガラスの強度も増し、割ってもフィルムが不法侵入を防ぐ!」「●ガラスが割れても飛び散らない!」「●紫外線をカットします!」「●遮音性がUPします!」等の記載及び「高額品ディスプレーのガラスケースにはセキュリティフィルムを施工すると安心です!(これはもぉー常識です)」の記載がある。また、「車にもセキュリティー効果が高い」として、「住宅は勿論ですが、自動車にもセキュリティーフィルムの施工が増えてきています。」の記載がある。 (http://www.allfolia.co.jp/sequritirfilm.htm)
(5)サンマルコ株式会社のホームページにおいて、「防犯フィルム SECURITY FILM」の項に、「防犯フィルムラインアップ」の見出しのもと「空き巣が窓ガラスを破り、侵入することから守るフィルムです。住友スリーエム(株)社製、セキュリティフィルム(超飛散防止フィルム)があなたを守ります。」の記載がある。また、「セキュリティフィルムの侵入抑止効果」の見出しのもと、「セキュリティフィルムを貼っておけば1分以上も破壊音を出し続けないと、室内側のフィルムを貫通できないので侵入犯に対する大きな抑止効果があります。」の記載がある。 (http://sunmaruko.co.jp/products/security/index.html)
(6)株式会社PVJのホームページにおいて、「防犯・防災[ハニタセキュリティーフィルム]セキュアグリップ」の「主な特徴と構造」の紹介中に、「世界が認めた防犯・防災ガラスフィルムの決定版」の見出しのもと、「防犯・防災用ウインドフィルム『セキュアグリップ』は超薄ポリエステルフィルムをラミネート接着剤で積層。多層構造により引裂防止強度・貫通防止硬度を実現。今やセキュリティーフィルムは防犯のための必需品の一つとなってきています。」の記載がある。また、主な特徴として、「セキュアグリップを貼り付けたガラスは割れにくく、ガラスを割っての進入が難しい。」、「万が一のガラス破損時にガラス辺が飛散しません。」、「窓から差し込む有害な紫外線をカット。」等の記載がある。 (http://www.pvj-inc.jp/secur/index2.html)
(7)株式会社スマイルのホームページにおいて、「セキュリティーフィルム security films」の項に、「セキュリティーフィルム(1枚入り・セキュリティーシール付き)」の商品紹介と「窓からのドロボウなどの侵入を抑止!」の記載がある。 (http://www.smile7970.co.jp/secu_film.html)
(8)東急ハンズ通販倶楽部のホームページにおいて、「[防犯用品]アーマーガード・セキュリティフィルムA3・2枚入」の商品紹介と「地震・台風・防犯対策に!米国国防総省も使用の究極の透明ガラス保護フィルムが、あなたの生活をガードします。」の記載のもと、「ガラスの表面に貼るだけで強度が増し、衝撃で割れたときには粉々になるのを防ぎます。またフィルムがガラスの破片をしっかり保持、周囲に飛散することも防ぎます。」等の記載がある。 (http://store.yahoo.co.jp/handsmall/a1356-01.html)
(9)アネスト株式会社のホームページにおいて、「防犯関連フィルム」の項、「セキュリティフィルム セフティ250 セフティ350」の商品紹介に、「窓からの進入を完全防御します!」の記載がある。 (http://www.anestfilm.jp/infred/securityfilm/securityfilm.html)
(10)有限会社ビーパックスのホームページにおいて、「Security Film セキュリティフィルム」の商品紹介に、特徴として、「高い防犯・防御性能、地震や台風にも安心」、「UVカット効果 99.8%以上で家具や内装の退色防止、皮膚ガン予防に効果的」、「優れたガラス飛散防止効果」、「虫の好む波長をカットし、寄り付き難くします」等の記載がある。また、「セキュリティフィルムは、一般の住宅や店舗等の窓カラスのみならず、車のガラスにも施工が可能ですので、大切なご家族や愛車を犯罪や災害から守ることが出来ます。まさにセキュリティ(安全)フィルムなのです。」の記載がある。 (http://b-pacs.com/06securityfilm/)
(11)株式会社安全ガラス広島のホームページにおいて、「セキュリティフィルム」の商品紹介の「セキュリティフィルムの性能」の項に、「当社では、窓ガラスへのセキュリティーフィルムの施工によって、少しでもこうした犯罪による被害防止に貢献できればと考えます。フィルム施工による効果をご確認ください。」の記載がある。 (http://www.anzen-h.com/security.html)
(12)株式会社サンプレジャーの「ファクトリー・マート・ジャパン」のサイトにおいて、(有)エコハートのセキュリティーフィルム「SSP1218」の商品紹介で、「次世代セキュリティーフィルム『スーパー・スマッシュ・プルーフ(SSP)』を使用することにより、手軽にガラスの地震や火災等の災害に対する防災性能を向上させるとともに、侵入者に対する防犯性能をより強化させることができます。」の記載がある。また、特徴として「住宅や店舗の窓、自動車などの窓ガラスの侵入防止に!!引張り強度が強く、耐貫通性能に優れているため、侵入防止に効果的です。」、「ガラスの飛散の恐ろしさは想像を超えます。フィルムの強力な接着力で飛散を防ぎます。」、「網入りガラス同様に窓からの隣焼火災や煙の侵入を防止します。」、「紫外線を99%カット!!紫外線による皮膚癌を防ぎ、商品や家具・畳の褪色を防止します。また、虫が好む波長をカットしますので虫除けや、省エネに優れた効果を発揮します。」等の記載がある。 (http://www.fa-mart.co.jp/ecoheart/01.html)

第4 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり「セキュリティフィルム」の片仮名文字と「SECURITYFILM」の欧文字を上下2段に表してなり、構成中の「セキュリティ」及び「SECURITY」の文字は「安全、安心、防犯」等の意味合いを有し、「フィルム」及び「FILM」の文字は「薄い膜状のもの、皮膜」等を意味する語として一般に良く知られ、親しまれた語であるといえるものである。
そして、「セキュリティフィルム」又は「セキュリティーフィルム」の文字が、商品「自動車その他窓ガラスに貼着するガラス強化用又はガラス飛散防止用又は紫外線遮断用のプラスチックフィルムシート」を取り扱う業界で「自動車の窓ガラス及び自宅の窓ガラスの破損、破壊による盗難やガラスの飛散を防止するため、又は紫外線遮断用に使用するフィルム」を意味する語として普通に使用されていることは、上記第3の証拠調べ通知中の2.(1)ないし(12)で通知した、新聞記事情報及びインターネット情報の記載のとおりである。
上記事実を総合すれば、「セキュリティフィルム」の片仮名文字と「SECURITYFILM」の欧文字を上下2段に表してなる本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、「安全用、防犯用及び紫外線遮断用のフィルム」の意味合いを有するものであると、容易に認識、理解されるというのが相当であり、これを本願指定商品中の「自動車その他窓ガラスに貼着するガラス強化用又はガラス飛散防止用又は紫外線遮断用のプラスチックフィルムシート」に使用するときは、「自動車の窓ガラス及びその他の窓ガラスの破損、破壊による盗難やガラスの飛散を防止するため、又は紫外線遮断用に使用するフィルム」であることを認識させるにとどまるものであって、単に商品の品質・内容・効能を表示したものにすぎないものであり、自他商品を識別するための標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。そして、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標


審理終結日 2006-07-03 
結審通知日 2006-07-04 
審決日 2006-07-25 
出願番号 商願2003-106484(T2003-106484) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Y1217)
T 1 8・ 272- Z (Y1217)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 修 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 山口 烈
海老名 友子
商標の称呼 セキュリティフィルム、セキュリティ 
代理人 鶴若 俊雄 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ