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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Y41
管理番号 1141937 
異議申立番号 異議2004-90677 
総通号数 81 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2006-09-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2004-11-08 
確定日 2006-07-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第4792683号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4792683号商標の指定役務中「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定役務についての商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4792683号商標(以下「本件商標」という。)は、「imagine studio」の文字と「イマジンスタジオ」の文字とを二段に書してなり、平成15年12月5日に登録出願、第41類「当せん金付証票の発売,技芸・スポーツ又は知識の教授,献体に関する情報の提供,献体の手配,セミナーの企画・運営又は開催,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作,スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,ラジオ放送番組制作用のスタジオの提供,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行場の座席の手配,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,運動用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,書画の貸与,写真の撮影,通訳,翻訳,カメラの貸与,光学機械器具の貸与」を指定役務として、同16年8月6日に設定登録されたものである。
その後、指定役務については、一部放棄により、指定役務中「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作」が消滅し、一部抹消の登録が、同18年5月16日にされたものである。

2 登録異議申立の理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第35号証を提出している。
(1)商標法第4条第1項第15号について
下記の登録第4753518号商標(以下「引用商標」という。)は、その指定役務「映画の上映・制作又は配給」等に関し、申立人の著名な商標である。
本件商標は、著名な引用商標を小文字で表した「imagine」と、「映画の制作」等の場所として一般的に使用されてなる「studio」の文字からなる商標であり、「imagine」部分を商標の要部とする商標である。よって、本件商標から容易に引用商標を連想し得るものである。また、本件商標の指定役務と引用商標の指定役務は、非常に高い関連性を有している。
したがって、本件商標がその指定役務に使用された場合、これに接する取引者・需要者は、恰も申立人若しくは申立人と何等かの関係がある者の業務に係る役務であるかの如く、役務の出所について混同を生ずるおそれがあり、本件商標は商標法第4条第1号第15号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、その文字中「studio」については、指定役務である第41類の役務のうち、特に「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作」の役務については、役務の提供の場所を表すものである。また、「studio」は「映画撮影所」の意味合いにおいて、広く知られているところである。よって、本件商標からは「イマジンスタジオ」の称呼の他、「イマジン」の称呼をも生ずるというべきであり、引用商標から自然に生ずる称呼は「イマジン」であるので、両商標は「イマジン」の称呼を共通にする類似の商標である。また、本件商標は、引用商標に係る指定役務と同一又は類似の指定役務について使用する商標である。
したがって、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、引用商標に係る指定役務と同一又は類似の指定役務について使用する商標であって、商標法第4条第1項第11号に該当する。

〈引用商標〉
登録第4753518号商標
商標の態様 別掲のとおり
登録出願日 平成14年12月17日
設定登録日 平成16年3月5日
指定役務 第41類「映画の上映・制作又は配給,放送番組の制作,映 画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,演芸 の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,教育・文化・娯 楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のも のを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音 声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用される ものの操作」

3 本件商標に対する取消理由
当審において、平成17年9月27日付けで商標権者に対し通知した取消理由は、次のとおりである。
本件商標は、申立人の引用に係る引用商標と同一又は類似であって、引用商標に係る指定役務と同一又は類似の役務について使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。その理由は、次のとおりである。
本件商標は、「imagine studio」の文字と「イマジンスタジオ」の文字とを二段に書してなるところ、映画、放送、音楽等にかかわる業界においては、その構成中の「studio」及び「スタジオ」の各文字は、「映画撮影所」「アーティストの仕事場」「放送、録音設備のある施設(部屋)」等、事業を行う場所、役務を提供する場所を表すものとして、「○○○スタジオ」のように他の語に付して普通に使用されているところであるから、本件商標がその指定役務中上記の役務について使用した場合、これに接した取引者、需要者は、「studio」、「スタジオ」の各文字を自他役務の識別標識としての機能を有しないか、該機能の乏しい部分と理解し認識する場合も少なくないものと認められる。
以上からすると、本件商標における役務の識別標識としての重要な部分は「imagine」、「イマジン」の文字部分であるといわなければならないから、簡易迅速を旨とする商取引の実際においては、これらの文字部分より生ずる称呼をもって取引に資される場合も少なくないものというべきである。
してみれば、本件商標は、構成文字の全体に相応した「イマジンスタジオ」の称呼のほか、「imagine」、「イマジン」の文字に相応して「イマジン」の称呼をも生ずるものと判断するのが相当である。
これに対し、引用商標は、別掲に示したとおり「IMAGINE」の文字よりなると認識されるものであり、該文字に相応して「イマジン」の称呼を生ずるものである。
そうとすれば、本件商標は、引用商標と「イマジン」の称呼を同一にする類似の商標であり、本件商標の指定役務中「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作」については、引用商標の指定役務と同一又は類似のものと認められる。
したがって、本件商標は、その指定役務中、上記役務については、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 商標権者の意見
上記3の取消理由に対して、商標権者は、無用の紛争を回避すべく、本件商標登録にかかる指定役務のうち、該取消理由に該当する指定役務である「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画,映画の上映・制作又は配給,演芸の上映,演劇の演出又は上映,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機械であって、放送番組の制作のために使用されるものの操作」については放棄する、旨述べ、上記1のとおり指定役務の一部を放棄をした。

5 当審の判断
本件商標は、「imagine studio」の文字と「イマジンスタジオ」の文字よりなるところ、上記3の取消理由は妥当なものであって、引用商標と「イマジン」の称呼を同一にする類似の商標であって、引用商標に係る指定役務と同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものと認められる。
これに対し、申立人は、取消理由に該当する指定役務を一部放棄しているものであるが、商標権の放棄については、登録をもってその効力の発生要件としているものであるから、放棄による抹消の登録がなされるまでは商標権が存在することとなる。一方、上記3の取消理由においては、登録時に当該取消理由を有するか否かを判断するものであり、取消決定が確定したときは、その商標権は、初めから存在しなかったものとみなされるものである。
そうすると、本件においては、指定役務の一部放棄によっては当該取消理由が解消したことにはならないから、上記の認定判断に何ら影響を及ぼすものではない。
したがって、本件商標は、上記3の取消理由により、その指定役務中、結論掲記の役務については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわなければならないから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。
しかしながら、本件商標は、本件登録異議の申立てに係るその余の指定役務については、同法第43条の2各号のいずれにも該当しないものと認められるから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
引用商標



異議決定日 2006-05-29 
出願番号 商願2003-108434(T2003-108434) 
審決分類 T 1 651・ 262- ZC (Y41)
最終処分 一部取消  
特許庁審判長 柴田 昭夫
特許庁審判官 小川 有三
岩崎 良子
登録日 2004-08-06 
登録番号 商標登録第4792683号(T4792683) 
権利者 株式会社ニッポン放送
商標の称呼 イマジンスタジオ、イマジン 
代理人 伊藤 亮介 
代理人 井澤 洵 
代理人 田中 克郎 
代理人 井澤 幹 
代理人 稲葉 良幸 

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