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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y09 |
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管理番号 | 1139657 |
審判番号 | 不服2004-22445 |
総通号数 | 80 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2006-08-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-11-01 |
確定日 | 2006-06-28 |
事件の表示 | 商願2004- 29321拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成により表してなり、第9類「スイッチング電源装置,ノイズフィルター,無停電電源装置及びその他の配電用又は制御用の機械器具」を指定商品として、平成16年3月29日に登録出願、その後、指定商品については、同年10月8日付け及び同年11月1日付けの手続補正書により、最終的に「瞬時電圧低下保護装置」と補正されたものである。 2.引用商標 原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第1148586号商標(以下「引用商標」という。)は、「MLP」の文字を横書きしてなり、昭和46年10月1日に登録出願、第11類「開閉器、その他本類に属する商品」を指定商品として同50年8月25日に設定登録されたものである。 その後、商標権の一部取消し審判がなされ、平成13年7月16日に審決が確定し、その指定商品中「電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品、並びにそれらの類似商品」については、その登録は取り消された。さらに、同17年8月3日に第9類「配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル」、第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」及び第17類「電気絶縁材料」とする書換登録がなされたものである。 3.当審の判断 本願商標は、前記のとおり右上がりで左上から細く描かれ、だんだん右側方向に太く描かれた楕円輪郭図形内に「MLP」の文字を配してなるところ、該「M」の文字は、楕円輪郭図形の左側にかかるように配し、最後の「P」の文字の真上の楕円輪郭図形上に小さい円形を配してなるものである。また、前記「P」の文字の右下には「Momentary」、「Line-drop」及び「Protector」の欧文字を3段に表し、全体の中央下に「瞬時電圧低下保護装置」の文字を配してなるものである。 そして、その構成中の欧文字について、例えば、「英・和・独・露 電気術語大辞典(改訂3版)」(平成6年5月25日 株式会社オーム社発行)をみると「momentary」の項(507頁)には「瞬間の」との記載、「line drop」の項(451頁)には「線路電圧降下」との記載、及び「protector」の項(622頁)には「防護装置:保安器」との記載が認められる。 そうとすれば、本願商標の構成中の欧文字部分は、前記大辞典により「瞬時線路電圧降下保護装置」程の意味合いを認識するものといえ、また、「瞬時電圧低下保護装置」の文字が併記されていることを併せ考えれば、本願指定商品「瞬時電圧低下保護装置」を表したものと認識するのが相当であって、本願商標の構成中の欧文字及び漢字部分は、自他商品の識別標識としての機能を果たすとはいい難いものである。 以上より、本願商標は、大きく表され視覚的にも分離し着目される、楕円輪郭図形及びその図形内に表した「MLP」の文字部分をもって、商品の出所の識別標識として捉え、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合もあるとみるのが相当であり、本願商標からは「MLP」の文字に相応して「エムエルピイ」の称呼を生ずるものと認められる。 一方、引用商標は、「MLP」の文字を書してなるものであるから、該欧文字に相応して「エムエルピイ」の称呼を生ずるものと認められる。 そうすると、本願商標と引用商標とは、「エムエルピイ」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似の商品と認められるものである。 なお、請求人(出願人)は、英文字3文字程度の略語からなる商標は、自他商品等識別力が極めて弱いものと考えられ、本願商標と引用商標とが、称呼上共通する文字構成を有していても、成語などの他の構成文字、又は図形と結合することにより、商標全体として強い自他商品等識別力を発揮し、両者が非類似となる旨述べている。 しかしながら、「MLP」が特定の略語であるかについてみると、請求人(出願人)が示すように、具体的な略語として認識されているとは認められない上に、本願商標に接する需要者等は、本願商標中の楕円輪郭図形のみが独立したものとして看取されるような特段の事情も見いだせなく、楕円輪郭図形を有し、他の文字よりも大きく表された「MLP」の文字部分は、視覚的に分離して看取されるものであるから、該部分に相応して「エムエルピイ」の称呼が生ずるとするのが相当であって、該「MLP」の部分が自他商品の識別標識としての機能を果たさないものとはいい難い。 したがって、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標 ![]() |
審理終結日 | 2006-04-26 |
結審通知日 | 2006-05-01 |
審決日 | 2006-05-12 |
出願番号 | 商願2004-29321(T2004-29321) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(Y09)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 岩本 和雄 |
特許庁審判長 |
小林 薫 |
特許庁審判官 |
長柄 豊 寺光 幸子 |
商標の称呼 | エムエルピイ、モーメンタリーラインドロッププロテクター、シュンジデンアツテイカホゴソウチ、モーメンタリーラインドロップ、モーメンタリー、ラインドロッププロテクター |
代理人 | 牛木 護 |