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審決分類 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効としない Z25
審判 全部無効 商4条1項11号一般他人の登録商標 無効としない Z25
管理番号 1136625 
審判番号 無効2005-89011 
総通号数 78 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-06-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2005-01-27 
確定日 2006-05-08 
事件の表示 上記当事者間の登録第4645428号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4645428号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成13年2月1日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年2月21日に設定登録されたものである。

2 引用商標
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録商標は、以下のとおりである。
(1)登録第4028843号(以下「引用商標1」という。)は、「LIZ」の欧文字を横書きしてなり、平成7年3月23日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年7月18日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第633530号(以下「引用商標2」という。)は、「リズ」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和36年4月15日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和39年1月10日に設定登録され、その後、指定商品については、平成16年6月9日に第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする書換の登録がされ、現に有効に存続しているものである。
(引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、以下「各引用商標」という。)

3 請求人の主張の要点
請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第16号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)「LIZ」商標の著名性について
請求人は、アメリカ合衆国法人であり、その商号の一部でもある「LIZ CLAIBORNE」(以下「引用標章」という。)や「LIZ」は、米国のファッションブランドとして世界的に広く知られ、また、わが国でも広く知られている。
甲第8号証は、1999年から2001年の引用標章に関する営業活動費の一部である。同資料に示すように、請求人は、雑誌広告、ダイレクトメールや百貨店キャンペーンなど多種の営業活動を行い、1999年は20,637,750円、2000年は19,977,000円、2001年は22,917,533円と毎年多額の経費を投入して、引用標章を付した商品の宣伝を行っている。
また、甲第9号証ないし甲第12号証は、雑誌広告の一例であり、婦人雑誌やファッション雑誌などに広告や記事が掲載されており、また、甲第13号証及び甲第14号証に示すように、ダイレクトメール活動やリーフレットによるキャンペーン活動なども行っている。
これらの結果、甲第15号証に示すように、東京都東豊島区で購入者に行ったアンケートでは、約4割が引用標章を認知しており、わが国においてもよく知られた商標であることが明白である。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、拒絶査定不服審判における審決(甲第4号証)及び異議の決定(甲第5号証)において、特定の称呼、観念を有しない図形商標と理解されると判断された。
しかしながら、筆記体風に複数の欧文字を一連に書してなるものであって、筆記体風のため当然に一連ではあるが「一字状」にまで図案化されたものではない。また、完全に図形化されていれば、欧文字が読み取れることはないが、前記審決や異議決定においても、「l」(Lの小文字)「z」の各字形を認定したように、完全に図形化されたものとも認め難く、本件商標に接した取引者、需要者は、その構成から何らかの文字を認識すると考えるのが自然であり、わが国においては、低年齢から英語教育が義務教育として行われ、英文筆記体は今や常識として万人に馴染みのあるものといえるから、このような取引者、需要者は、本件商標から筆記体風の英文字を想定するものと考えられ、審決や異議決定で認定したように、少なくとも「l」、「z」の文字を容易に把握する。本件商標権者は、「LZ」を出願しているように(商願2001-62386号、拒絶査定)、「LZ」に関係する商標を使用しており、例えば、そのホームページでは、本件商標と全く同一の商標と共に「L.Z」の文字が使用されている(甲第6号証)。このように本件商標と極めて近い位置に「L.Z」の文字が配されている事情を勘案すると、本件商標からローマ文字の「l」、「z」が看取できることは明白である。
さらに、本件商標の外観は、中央部のドット(点)は特徴的であり、英文字の筆記体風の「l」、「z」の文字に挟まれテールの先端に位置するこのドットは、ドットを有する数少ない英文字筆記体の「i」を連想させるとみるのが自然である。本件商標権者のホームページのドメイン名は、「www.liz.com.br」であり、ホームページのタイトルは明確に「LIZ ONLINE」である(甲第7号証)から、商標権者は、本件商標を「L.Z」のみならず「LIZ」としても使用しようとする意思が客観的に見て取ることができる。
以上のように、本件商標は、「liz」ないし「リズ」と理解されるとみることは極めて自然であるから、各引用商標と類似するものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
前述のとおり、引用標章は、わが国においても広く知られており、「LIZ」と略称されて使用されることも多い。また、請求人は、ファッションメーカーであることから、「LIZ」の使用に際しては、種々のデザイン化が施されることも多い(甲第16号証)。
してみれば、本件商標の程度の図案化では、これを「liz」と理解される可能性は極めて高く、しかも、前述のとおり、本件商標権者が現実に使用している「L.Z」商標は、本件商標と近い位置に配置され、ホームぺージのドメイン名として、「liz」が使用されている事情なども勘案すれば、本件商標をその指定商品である被服等、引用標章と同種の商品に使用した場合、両者を誤認混同するおそれが高いものである。
したがって、本件商標は、他人である請求人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標であるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)むすび
以上の理由により、本件商標の登録は、商標法第46条第1項の規定により無効とされるべきである。

4 被請求人の答弁の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、大小二つの太線を斜めに平行状に表し、両太線の上下先端を先細釣状とし、大きい太線の下部先端と小さい太線の上部先端の中間に楕円状ドットを介し、結合させたように描いてなるもので、構成全体を欧文字「n」の筆記体風に表現した特異な図形である。
したがって、本件商標は、特異な図形であり、これが特定の欧文字の配列と認識される要素を有しないばかりでなく、特定の称呼及び観念を生じないものである。
引用商標1は、その構成文字に相応して「リズ」の称呼及び「Elizabeth」(女子名)の別称(乙第4号証)としての観念を生ずるものである。
引用商標2は、その構成文字に相応して「リズ」の称呼を生じ、片仮名文字のみから特定の観念を生じない造語と認識されるものである。
以上のように、本件商標は、特定の称呼、観念を生じない図形商標であるのに対し、各引用商標は、いずれも「リズ」の称呼を生ずるものであって、引用商標1は、女子名の別称の観念を生じ、また、引用商標2は、特定の観念を生じないものである。そのため、本件商標と各引用商標とは、称呼及び観念について対比することができないのである。
したがって、本件商標は、各引用商標と称呼及び観念において、相紛れるおそれがないものである。
また、本件商標は、特異な図形商標であるのに対し、引用商標1は、欧文字3字の横書きの、また、引用商標2は、片仮名文字2字の横書きの文字商標であるから、本件商標と各引用商標は、その外観が図形と文字との顕著な差異のため、外観について明確に区別され得るものである。
上記述べたことは、本件商標と各引用商標の関係と同様、特定の称呼及び観念を生じない図形商標と特定の称呼、観念を有する商標との対比について、非類似と認定している審決例が存在し(乙第5号証ないし乙第9号証)、本件商標と各引用商標の類否についても、これらの審決例と同様に取扱われるべきものである。
したがって、本件商標は、各引用商標と称呼、観念及び外観のいずれにおいても非類似であるから、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、前記のとおり、特異な図形商標のため、「LIZ」及び「リズ」の文字よりなる各引用商標と称呼、観念及び外観のいずれにおいても非類似の商標である。
また、各引用商標がファッションブランドとして、ファッション雑誌の広告、ダイレクトメールや百貨店キャンペーン等の営業活動に使用され、かつ、わが国においても広く知られていることが仮に認められるとしても、両商標が非類似の商標である以上、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、請求人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれはないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しないものである。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも該当しないので、その登録は、同法第46条第1項の規定より無効とされるべきでない。

5 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中にローマ文字の「l」(「L」の小文字)及び「z」(小文字)を思わせる形状部分を有してはいるものの、上記「l」状部分の右の跳ね上がった部分と中間部に位置するドットをローマ文字の「i」を表したとみることは困難といわざるを得ず、したがって、本件商標は、ローマ文字の「liz」を表したと理解されるというより、むしろ、構成全体の特異性をもって認識される図形商標を表したとみるのが相当である。
そうすると、本件商標は、これより特定の称呼、観念を生じないものといわなければならない。
各引用商標は、前記のとおり、「LIZ」又は「リズ」の文字を書してなるものであるから、これより「リズ」の称呼を生ずるものである。また、「LIZ」又は「リズ」の文字からは、特定の観念は生じないものとみるのが相当であるから、各引用商標は造語よりなるものである。
そこで、本件商標と各引用商標とを比較すると、本件商標は、上記のとおり、特定の称呼及び観念を生じないものであるから、各引用商標とは、称呼及び観念について比較することはできないものである。
また、本件商標と各引用商標とは、それぞれ別掲及び前記のとおりの構成よりなるものであるから、それぞれの構成よりみて、外観上明らかに区別し得るものということができる。
そうすると、本件商標と各引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
請求人は、引用標章や「LIZ」商標は、請求人の取扱いに係る被服を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、わが国の需要者の間に広く認識されている旨主張し、甲第8号証ないし甲第15号証を提出している。
しかしながら、甲第8号証ないし甲第15号証を総合すれば、引用標章と綴り文字を同じくする「LIZ Claiborne」又はその片仮名表記である「リズ・クレイボーン」が請求人の取扱いに係る被服を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、わが国で発行されたファッション雑誌等である程度紹介されていた事実は認められるとしても、これらの証拠をもってしては、上記「LIZ Claiborne」又は「リズ・クレイボーン」はもとより、これらの商標が単に「LIZ」又は「リズ」と略称され、本件商標の登録出願前より、わが国のファッション関連の商品分野で広く認識されていたと認めることは困難であるといわざるを得ない(LIZ」商標が単独で使用されたと認められる証拠はない。)。加えて、前記(1)のとおり、本件商標は、特定の称呼及び観念を生じない一種独特の図形商標と理解されるものであるから、上記使用に係る商標若しくは引用標章及び「LIZ」商標とは、非類似の商標というべきである。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、需要者をして、該商品が請求人又は請求人と営業上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項の規定により無効とすべきものではない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本件商標



審理終結日 2005-12-02 
結審通知日 2005-12-08 
審決日 2005-12-20 
出願番号 商願2001-7686(T2001-7686) 
審決分類 T 1 11・ 271- Y (Z25)
T 1 11・ 26- Y (Z25)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 富田 領一郎 
特許庁審判長 柴田 昭夫
特許庁審判官 岩崎 良子
小川 有三
登録日 2003-02-21 
登録番号 商標登録第4645428号(T4645428) 
商標の称呼 リズ、エルアイゼット 
代理人 村田 紀子 
代理人 萼 経夫 
代理人 村越 祐輔 
代理人 武石 靖彦 
代理人 館石 光雄 
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