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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z25
管理番号 1136558 
審判番号 取消2005-30534 
総通号数 78 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-06-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2005-05-06 
確定日 2006-05-08 
事件の表示 上記当事者間の登録第4563532号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4563532号商標の指定商品中、「第25類 運動用特殊衣服,運動用特殊靴」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4563532号商標(以下「本件商標」という。)は、「BODYGEAR」の欧文字と「ボディギア」の片仮名文字とを二段に書してなり、平成13年6月26日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿記載の商品及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同14年4月26日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると主張し、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」につき継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用された事実が存しないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、上記商品についての登録は取り消されるべきである。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)使用商品について
被請求人は、「商標『BODY GEAR』は、スポーツ用サポートウェア等の運動用特殊アンダーウェアに使用されている」旨主張している。
しかるところ、特許庁商標課編「商品及び役務区分解説〔改訂第3版〕」の「運動用特殊衣服」の項によれば、「この概念には、スポーツをする際に限って着用する特殊な衣服が含まれる。なお、『トレーニングパンツ』『ランニングシャツ』等は、スポーツ以外の日常生活でも使用され、特殊なものでもないことから、この概念には含まれず、本類1被服に属する。」とされている。
また、「運動用特殊衣服」の概念に含まれている商品として、特許庁商標課編「類似商品・役務審査基準〔国際分類第8版対応〕」には、「アノラック,空手衣,グランドコート,剣道衣,柔道衣,スキー競技用衣服,ヘッドバンド,ヤッケ,ユニフォーム及びストッキング,リストバンド」等が挙げられている。これらの商品は、日常生活で使用されない商品である。
このように、日常生活では使用されないスポーツ専用の衣服のみが、第25類「運動用特殊衣服」に属し、日常生活でも使用される衣服は、第25類「被服」に属することは明らかである。
一方、乙第1号証ないし乙第5号証に示されている使用商品「アンダーウェア」は、スポーツ専用とはいえず、運動時以外の日常生活でも使用できるものばかりである。
被請求人は、答弁書において、これらの商品について「ウォーキング、ジョギング、トレッキングなどの運動時に、体にしっかりフィットして、その動きをサポートするように、素材、デザインを研究して開発されたアンダーウェアであって、いわゆる、一般的な下着とは、機能等において全く相違する」と説明し、また、乙第2号証ないし乙第5号証には「スポーツ用」の文字が記されている。しかしながら、これらはいずれも当該商品が「スポーツに適した」ものであることを表しているにすぎず、「スポーツ専用」であることには、つながらない。
さらに、被請求人は、「これらの商品は、乙第5号証にあるように、大規模店舗の中でも、主に、スポーツ用品コーナーにおいて販売されているのであり、一般的な下着売り場で販売されている下着とは異なるものである」と述べているが、スポーツ用品コーナーでも、日常生活でも使用される「被服」の範疇に属する商品、例えば「帽子,靴下,トレーニングウェア,T-シャツ,ジョギングパンツ」等が販売されており、これをもって当該商品が「スポーツ専用」であるということはできない。
上記のように、本件使用商品は、第25類「被服」の概念に属する「下着」の範疇を出ないものであり、第25類「運動用特殊衣服」に属する商品ではない。
(イ)商標の態様について
本件商標は、欧文字「BODYGEAR」と片仮名文字「ボディギア」を二段に書してなる。「BODYGEAR」の欧文字は、同書同大同間隔で構成されている。ここで「BODY(ボディ)」は、「体」、「GEAR(ギア)」は、「衣服,服装」を意味し、指定商品の関係から各語は単独では識別力が弱いものであり、本件商標は、「BODYGEAR/ボディギア」一体として自他商品識別機能を発揮するものである。
一方、使用商標は、「BODY」と「GEAR」の欧文字のみから構成され、「BODY」と「GEAR」の間に半スペースが存在する。
このように、本件商標と使用商標には、(a)片仮名文字の有無、(b)欧文字部分の「BODY」と「GEAR」間の半スペースの有無、という2つの差異があり、両商標は社会通念上同一の商標とはいえない。
(ウ)上記のように、被請求人提出の使用証拠では、本件取消審判の請求の登録日(平成17年「2005年」5月30日)前3年以内に日本国内において本件取消請求に係る指定商品である第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」についての本件商標の使用の事実を証明するものではない。
したがって、商標法50条の規定により、上記商品についての本件商標の登録は、取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号含む。)を提出した。
答弁の理由
(1)商標権者である富士紡績株式会社及び通常使用権者である株式会社フジボウアパレルは、本件取消審判の請求の登録日(平成17年「2005年」5月30日)前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一の商標「BODY GEAR」を本件取消請求に係る指定商品中の「運動用特殊衣服」の概念に含まれる商品に使用している。
乙第1号証は、2004年9月に、本件商標の商標権者である富士紡績株式会社により発行された「B.V.D.UNDERWEAR DESIGN CATALOG」の抜粋写しである。当該カタログには、本件商標と社会通念上同一の商標「BODY GEAR」が使用されている。
乙第2号証ないし乙第4号証は、商標「BODY GEAR」が使用されているアンダーウェアの中でも、運動用特殊アンダーウェアとして、販売されている商品の写真である。
各商品写真に表れているラベルには、「スポーツ用サポートウェア」又は「スポーツガードル」等のように記されており、この乙第2号証ないし乙第4号証に表されている商品は、スポーツ用に特化した商品として、商標権者及び通常使用権者より製造販売されている商品である。
乙第2号証ないし乙第4号証の納品書写しには、本件商標と社会通念上同一の商標が付された運動用アンダーウェアが、実際に商品として各小売店に販売されていることが分かる。
乙第5号証は、商標「BODY GEAR」が商品「運動用特殊衣服」の概念に含まれる商品「運動用アンダーウェア」に付されて、小売店舗のスポーツコーナーにおいて、陳列されているところを示す写真である。また、乙第5号証の2および3は、上記売り場において用いられているポップ広告写しである。
当該ポップ広告に表れているとおり、現に、商標「BODY GEAR」は、スポーツ用サポートウェア等の運動用特殊アンダーウェアに使用されていることが分かる。
(2)本件商標は、欧文字及び片仮名文字の上下二段書きで「BODYGEAR/ボディギア」からなる構成であり、他方、使用商標は、欧文字で「BODY GEAR」からなるものである。
してみれば、本件商標と使用商標はともに、「ボディギア」の称呼のみを生じ、また、両者ともに英語「BODY(体)」と「GEAR(道具)」とが結合した商標であることは明白である。
よって、本件商標と使用商標とは、同一の称呼および観念を生ずる社会通念上同一の商標である。
(3)上記した事実よりすれば、商標権者である富士紡績株式会社及びその通常使用権者である株式会社フジボウアパレルは、本件商標と社会通念上同一の商標「BODY GEAR」を、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件取消請求に係る指定商品中の第25類「運動用特殊衣服」に含まれる商品に使用しているものである。

4 当審の判断
(1)被請求人は、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号含む。)を提出し、本件商標は本件取消請求に係る指定商品中の「運動用特殊衣服」について、本件取消審判の請求の登録日(平成17年「2005年」5月30日)前3年以内に日本国内において継続して使用されていた旨主張している。
しかるところ、「商品及び役務区分解説(特許庁商標課編、社団法人発明協会 平成8年12月25日改訂第3版発行)」の「運動用特殊衣服」の項によれば、「この概念には、スポーツをする際に限って着用する特殊な衣服が含まれる。なお、『トレーニングパンツ』『ランニングシャツ』等は、スポーツ以外の日常生活でも使用され、特殊なものでもないことから、この概念には含まれず、本類1被服に属する。」とされている。
また、特許庁商標課編「類似商品・役務審査基準〔国際分類第8版対応〕」によれば、第25類「運動用特殊衣服」の概念に含まれる商品として、「アノラック,空手衣,グランドコート,剣道衣,柔道衣,スキー競技用衣服,ヘッドバンド,ヤッケ,ユニフォーム及びストッキング,リストバンド」等が掲載されている。
かかる事実から見るに、第25類「運動用特殊衣服」の概念に含まれる商品とは、日常生活では使用されないスポーツ専用の衣服のみであると見るのが相当である。
(2)そこで、被請求人提出に係る乙第1号証ないし乙第5号証に掲載されている各種「アンダーウェア」を見るに、これが単なるアンダーウェアではなく「運動に適したアンダーウェア」である事実は、認め得るとしても、上記した「運動用特殊衣服」の概念に含まれる商品とまではいえないと見るのが相当であり、スポーツ以外の日常生活でも使用され得る商品であると判断するのが相当である。
そうとすれば、被請求人提出に係る乙第1号証ないし乙第5号証のみでは、本件商標の使用を証するに不十分であるといわざるを得ない。
してみれば、被請求人は、本件商標を継続して本件取消審判の請求の登録日(平成17年「2005年」5月30日)前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品である、「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」について使用していなかったものといわざるを得ず、また、これを使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中の第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2006-03-01 
結審通知日 2006-03-07 
審決日 2006-03-24 
出願番号 商願2001-57861(T2001-57861) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Z25)
最終処分 成立  
前審関与審査官 井岡 賢一 
特許庁審判長 大場 義則
特許庁審判官 内山 進
柳原 雪身
登録日 2002-04-26 
登録番号 商標登録第4563532号(T4563532) 
商標の称呼 ボディギア、ボデーギア 
代理人 稲岡 耕作 
代理人 竹内 耕三 
代理人 深見 久郎 
代理人 川崎 実夫 
代理人 野田 久登 
代理人 松井 宏記 
代理人 森田 俊雄 

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