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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 101 |
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管理番号 | 1136554 |
審判番号 | 取消2005-30046 |
総通号数 | 78 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2006-06-30 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2005-01-13 |
確定日 | 2006-05-10 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2679867号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第2679867号商標の指定商品中、第1類「薬剤」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第2679867号商標(以下、「本件商標」という。)は、「FIBRIMEX」の欧文字を横書きしてなり、平成3年11月18日に登録出願、第1類「動物の血液よりなる食肉結着剤、その他本類に属する商品」を指定商品として、同6年6月29日に設定登録、その後、同16年3月23日に商標権存続期間の更新登録がなされたものである。 2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求める、と主張し、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。 (1)請求の理由 本件商標はその指定商品中「薬剤」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がない。 よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきである。 (2)答弁に対する弁駁 a 被請求人は、本件商標を「薬剤」に属する商品である「動物の血液よりなる食肉結着剤」に使用していると主張している。 しかしながら、「動物の血液よりなる食肉結着剤」は、昭和34年法商品区分第1類の「化学品」に属する商品であり「薬剤」ではない。 すなわち、本件取消請求に係る指定商品「薬剤」とは、一般に「人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物」である。 一方、被請求人が使用していると主張する「動物の血液よりなる食肉結着剤」とは、肉製品の結着性や粘着性を増加せしめるために使われる化学物質をいい、食品添加物の一種と考えられている。 特許庁においても「食品添加物」は「化学品」の範疇に属する商品として取り扱われている。 また、被請求人が使用していると主張する商品と類似する商品「ソーセージ用結着剤」には、「化学品」の類似群コード(01A01)が付されている。 b 被請求人提出に係るパンフレット(乙第1号証)の最終ページには「Produced by Harimex Loenen」と記載されているが、商標権者「ハリメックス-リゴス ビー ヴィー」といかなる関係にある団体なのかが立証されていない。そして、被請求人は、「ソナック」が商標権者に係る製品の販売会社であると主張しているが、商標権者と「ソナック」との関係も明らかでないし、当該パンフレットには、発行年月日の記載もない。 c さらに、被請求人は、e-mailの送信者であるCBC株式会社は、本件商標の通常使用権者であると主張しているが、同社が通常使用権者であることを立証する証拠は、何も提出されておらず、商標権者とCBC株式会社との関係は不明であるといわざるを得ない。 以上のとおり、被請求人が提出した乙第1号証は、本件商標が商品「薬剤」について本件審判請求登録前3年の間に使用されたことを証明していない。 3 被請求人の答弁 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証を提出した。 (1)本件商標は、乙第1号証の本件商標の使用説明書に示すとおり、本件審判請求の登録前3年以内に「薬剤」について、通常使用権者によって日本国内で使用されている。 (2)本件商標の通常使用権者であるCBC株式会社は、商標権者であるハリメックス-リゴス ビー ヴィーが製造し、本件商標を使用して販売している「動物の血液よりなる食肉結着剤」を、商標権者の製品の販売会社であるソナックを介して輸入販売し、当該商品の日本における広告宣伝活動を行っている商標権者の日本代理店である。 乙第1号証添付のパンフレットは、本件商標を使用した商標権者製造の「動物の血液よりなる食肉結着剤」のパンフレットである。 上記パンフレットの商品が「薬剤」に属する商品であることは、(a)本件商標が「動物の血液よりなる食肉結着剤」の商品説明書を提出して出願され、審査の結果、同商品は、昭和34年法商品区分第1類に属する商品として登録されたものであること、(b)上記パンフレットの説明にあるような「動物の血液よりなる商品」であって、旧第1類の「化学品、医療補助品」に該当しないことから明らかである。 乙第1号証添付のe-mailのコピーは、上記乙第1号証添付のパンフレットを、CBC株式会社が同社の顧客であるOCI株式会社にe-mailに添付して送信したことを示すものである。 すなわち、乙第1号証は、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内に、その指定商品中「薬剤」について、通常使用権者によって日本国内において使用されている事実を示している。 4 当審の判断 被請求人は、乙第1号証を提出し、本件商標は、その指定商品中の「動物の血液よりなる食肉結着剤」に、本件取消審判の請求の登録日前3年以内に日本国内において、継続して使用されている旨主張している。 しかしながら、請求人提出に係る甲第3号証の食品工業総合事典(昭和63年3月5日発行 第2版 株式会社光琳)によれば、「結着剤」とは、「食品添加物における結着剤は、肉製品の結着性や粘着性を増加せしめるために使われるものをいう。これに含まれる添加物としては、酸性ピロリン酸ナトリウム等の7種類が許可されている・・・。」と記載されている。 また、甲第4号証の総合食品事典(昭和55年6月15日発行 第四版 株式会社同文書院)によれば、「結着剤」とは、「肉製品、魚肉製品の加工の際、製品の保水力及び弾力を強めるために用いられる化学物質。」と記載されている。 しかして、「商品区分解説」(社団法人発明協会 昭和55年3月31日発行 改訂版)によれば、「薬剤」とは「人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であって、器具器械(歯科材料、医療用品及び衛生用品を含む。)でないもの(医薬部外品を除く。)」とされている。 以上の事実を総合すれば、商品「動物の血液よりなる食肉結着剤」は、昭和34年法商品区分第1類の「薬剤」に属するものではなく、同第1類の「化学品」中の「化学剤」に属する「食品添加剤」の範疇に属する商品であると見るのが相当である。 してみれば、被請求人は、本件商標を本件取消審判の請求の登録日(平成17年2月2日)前3年以内に継続して日本国内において、取消請求に係る指定商品「薬剤」について使用していなかったものといわざるを得ず、また、これを使用していないことについて正当な理由があると述べるものでもない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中の「薬剤」についての登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-12-07 |
結審通知日 | 2005-12-13 |
審決日 | 2005-12-27 |
出願番号 | 商願平3-119946 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(101)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 上村 勉 |
特許庁審判長 |
大場 義則 |
特許庁審判官 |
柳原 雪身 鈴木 新五 |
登録日 | 1994-06-29 |
登録番号 | 商標登録第2679867号(T2679867) |
商標の称呼 | フィブリメックス |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 大島 厚 |
代理人 | 清末 康子 |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 岸本 瑛之助 |
代理人 | 渡辺 彰 |
代理人 | 井滝 裕敬 |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 日比 紀彦 |