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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y293032 審判 全部申立て 登録を維持 Y293032 |
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管理番号 | 1133036 |
異議申立番号 | 異議2005-90226 |
総通号数 | 76 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2006-04-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2005-05-13 |
確定日 | 2006-03-09 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4838308号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4838308号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4838308号商標(以下「本件商標」という。)は、「ヘルシアート」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成16年2月16日に登録出願、第29類、第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年12月24日に登録査定、同17年2月10日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 (1)引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の2件の登録商標を引用している(以下、これらの商標を纏めて「引用商標」という。)。 (a)登録第4483797号商標は、「ヘルシア」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成12年6月30日に登録出願、第29類、第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年6月22日に設定登録されたものである。 (b)登録第4605393号商標は、「HEALTHIA」の欧文字と「ヘルシア」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成13年10月4日に登録出願、第29類、第30類、第31類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年9月20日に設定登録されたものである。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用商標とは、「ヘルシア」の4音を共通にし、「ア」に長音を帯同するか否か、最終音に「ト」音の有無の相違を有するにすぎない。そして、「ア」音に帯同する長音は、帯同した母音を延長する働きはするが、母音が同一のために明確な称呼上の差異は生じないから、聴者は、本件商標の「ヘルシアー」までの称呼と引用商標の「ヘルシア」の称呼とは、実質的に同一音として聴取する。また、本件商標の最終音「ト」も無声音であるため、聴者にとっては聴き取り難いうえ、ほとんど印象に残らない。そのうえ、引用商標は、申立人により茶系飲料に使用されている著名な商標である。 してみると、本件商標は、引用商標と称呼において類似する商標であり、その指定商品も互いに同一又は類似するものである。 (3)商標法第4条第1項第15号について 申立人の販売に係る「ヘルシア緑茶」は、2003年(平成15年)5月に販売を開始して以来、爆発的な売れ行きとなり、現在においてもその衰えを見ることのないヒット商品であり、引用商標は、取引者・需要者間に広く知られている商標である(甲第8号証ないし甲第44号証)。 本件商標は、有名な引用商標である「ヘルシア」と同一の文字及び称呼をそのまま含むものであるから、需要者は、該部分に注意を惹かれ、その指定商品との関係において、申立人あるいはそれらと何らかの関係にあるものと誤認、混同をするおそれがある。 (4)よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用商標とは、前記のとおりの構成からなるものであるから、その構成文字に相応して、本件商標からは「ヘルシアート」の称呼を生じ、引用商標からは「ヘルシア」の称呼を生ずるものと認められる。 そこで、この両称呼を比較するに、両者は、そもそも6音対4音という構成音数において明らかな差異を有するばかりでなく、引用商標から生ずる「ヘルシア」の称呼は、平坦に発音・聴取されるのに対して、本件商標から生ずる「ヘルシアート」の称呼は、「アー」の音が開放母音である(a)の音に長音を伴うことから、この部分が比較的強めに発音され、後半の「アート」の称呼部分も明瞭に聴取されるものということができる。しかも、この「アート」の称呼部分は、日常一般において極めて親しまれている「美術、芸術」等の意味を表す「アート(art)」の語の読みにも通ずることから、「アート」の称呼部分の印象は決して弱いものとはいえない。 そうとすれば、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、語調・語感を異にし、互いに聞き誤るおそれはないものというべきである。 その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。 なお、申立人は、審決例を挙げているが、それらの商標は、いずれも、本件とは商標の構成を異にするものであって、事案を異にするものというべきであるから、上記認定に影響を及ぼすものとは認められない。 したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。 (2)商標法第4条第1項第15号について 本件商標と引用商標とは、上記したとおり、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。 (3)まとめ したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2006-02-20 |
出願番号 | 商願2004-13197(T2004-13197) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(Y293032)
T 1 651・ 271- Y (Y293032) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 田中 幸一 |
特許庁審判長 |
野本 登美男 |
特許庁審判官 |
小林 薫 寺光 幸子 |
登録日 | 2005-02-10 |
登録番号 | 商標登録第4838308号(T4838308) |
権利者 | 名古屋製酪株式会社 |
商標の称呼 | ヘルシアート、アート |
代理人 | 宇野 晴海 |
代理人 | 足立 勉 |