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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Y03
審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Y03
審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Y03
管理番号 1133007 
異議申立番号 異議2004-90740 
総通号数 76 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2006-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2004-11-30 
確定日 2006-02-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第4805626号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4805626号商標の指定商品中第3類「その他の化粧品」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第4805626号商標(以下「本件商標」という。)は、「Purecollage」の欧文字を標準文字で表してなり、平成16年2月23日に登録出願、第3類「爪装飾用のシール,付け爪装飾用のシール,その他の身体装飾用のシール,その他の化粧品」を指定商品として、同16年9月24日に設定登録されたものである。

第2 申立人の主張する取消理由
これに対し、本件登録異議申立人は(以下「申立人」という。)、本件商標は、商標法4条1項11号及び同15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきものであると主張している。

第3 本件商標に対する取消理由の要旨
当合議体は、商標権者に対して、平成17年8月22日付で、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、要旨下記の内容の取消理由を通知した。

1 引用商標
登録異議申立人の引用する登録商標は、以下のとおりである。
(1)登録第2120276号商標は、「コラージュ」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和54年1月17日に登録出願、第4類「せつけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、平成1年3月27日に設定登録されたものである。 (2)登録第2318621号商標は、「コラージュ」の片仮名文字と「Collage」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成1年1月31日に登録出願、第4類「せつけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、同3年6月28日に設定登録され、その後、指定商品については、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,薫料」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」とする指定商品の書換の登録が平成13年4月11日にされたものである。
(3)登録第2413569号商標は、別掲のとおりの構成よりなり、平成1年1月31日に登録出願、第4類「せつけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、同4年5月29日に設定登録され、その後、指定商品については、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」とする指定商品の書換の登録が平成14年5月29日にされたものである。
以下、(1)ないし(3)をあわせて「引用商標」という。
2 本件商標と引用商標との類否
本件商標は、その構成中の「Pure」の文字部分は、「純粋な、まじりけのない」等を意味する英語として我が国において知られているものであり、また、本件商標の指定商品、とりわけ、化粧品の分野では、上記意味をもって商品の品質等を表示するためのものとして、普通に使用されているものである。
そうすると、本件商標は、その構成中の「Pure」の文字部分が自他商品の識別機能を有しないか、きわめて弱いものといわざるを得ないから、単に「コラージュ」の称呼をも生ずるものであって、「画面に新聞紙の切り抜きや写真を貼り付け特殊な効果をねらう技法」の観念を生ずるものといわなければならない。
これに対し、引用商標は、上記及び別掲のとおりの構成よりなるものであるから、その構成文字に相応して、「コラージュ」の称呼及び「画面に新聞紙の切り抜きや写真を貼り付け特殊な効果をねらう技法」の観念を生ずるものである。
してみれば、本件商標と引用商標は、「コラージュ」の称呼及び「画面に新聞紙の切り抜きや写真を貼り付け特殊な効果をねらう技法」の観念を共通にする類似する商標といわなければならない。
また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似の商品に使用するものである。

第4 商標権者の意見の要旨
1 本件商標の指定商品を商標権の一部放棄により、「爪装飾用のシール,付け爪装飾用のシール,その他の身体装飾用のシール」に限定した。これらの指定商品は、ここ数年で登場した来た新しい商品であって、従来の化粧品(おしろい、化粧水、クリーム、紅、頭髪用化粧品、香水類等)とは異質の商品であり、その生産部門、販売部門、原材料及び品質は異なるものである。
2 本件商標の構成中「Pure」の文字部分は、識別性を十分に具備するものであり、登録第906742号他、多くの登録例も存在する。また、仮に化粧品の分野で品質等を表示して用いられているとしても、上記の商標権の一部放棄後の商品との関係では、「Pure」の文字部分は、十分に識別機能を発揮する。
3 本件商標は、「Purecollage」の構成全体が要部であるから、「collage」の文字部分から称呼あるいは観念が生ずることはなく、「コラージュ」の称呼をもって商品の取引に当たることはあり得ない。

第5 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記のとおり、「Purecollage」の欧文字を横書きしてなるものであるところ、その構成中の「Pure」の文字部分は、「純粋な、まじりけのない」等を意味する英語として我が国において知られているものであり、また、「collage」の文字部分は、「貼り付け」を意味するフランス語であって、「画面に新聞紙の切り抜きや写真を貼り付け特殊な効果をねらう技法」を意味するものとして、美術の分野で使用されている語といえる。そして、これらの2語を結合することにより、親しまれた熟語的意味合いを表したものとは認められないばかりでなく、「pure」又はその片仮名表記である「ピュア」の語は、本件商標の指定商品中「その他の化粧品」との関係においては、上記意味をもって商品の品質等を表示するためのものとして、普通に使用されているものである。
そうすると、本件商標は、その構成中の「Pure」の文字部分が自他商品の識別機能を有しないか、若しくはきわめて弱いものといわざるを得ないから、本件商標に接する需要者は、「collage」の文字部分に自他商品の識別力を有するものとみて、これより生ずる「コラージュ」の称呼をもって、商品の取引に当たる場合も決して少なくないとみるのが相当である。 したがって、本件商標は、構成する文字全体から生ずる「ピュアコラージュ」の称呼のほか、「collage」の文字部分より単に「コラージュ」の称呼をも生ずるものであって、「画面に新聞紙の切り抜きや写真を貼り付け特殊な効果をねらう技法」の観念を生ずるものといわなければならない。
これに対し、引用商標は、上記又は別掲のとおりの構成よりなるものであるから、その構成文字に相応して、「コラージュ」の称呼及び「画面に新聞紙の切り抜きや写真を貼り付け特殊な効果をねらう技法」の観念を生ずるものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、「コラージュ」の称呼及び「画面に新聞紙の切り抜きや写真を貼り付け特殊な効果をねらう技法」の観念を共通にする類似する商標といわなければならない。
また、本件商標の指定商品中「その他の化粧品」と各引用商標の指定商品とは、同一又は類似の商品に使用するものである。
しかしながら、その余の指定商品については、本件商標は、「Pure」の文字部分が申立人の提出した甲各号証によっても商品の品質等を表示するものとして普通に使用されているとは認められないから、一体不可分の一連のものとみるのが相当である。そうすると、本件商標と引用商標とは、前半部の「Pure」の有無の差異が顕著であり、これらの差異が全体に与える影響が大きく、外観、称呼及び観念のいずれよりみても非類似の商標である。
したがって、本件商標は、その指定商品中「その他の化粧品」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものというべきである。
なお、商標権者は、本件商標の「Purecollage」の構成全体が要部であるから、「collage」の文字部分から称呼あるいは観念が生ずることはなく、「コラージュ」の称呼をもって商品の取引に当たることはない旨主張するが、「Pure」の文字部分が「その他の化粧品」との関係においては、自他商品の識別機能を有しないか、きわめて弱いものといわざるを得ないから「collage」の文字部分に自他商品の識別力を有するとして商品の取引に当たる場合も決して少なくないとみるのが相当であること上記のとおりであるからその主張は採用することができない。
また、商標権者は、平成17年10月11日付けで「商標権の一部抹消登録申請書」を提出し、その指定商品中「その他の化粧品」についての登録を放棄したから、本件商標が商標法第4条第1項第11号に違反するとした取消理由は解消した旨主張する。
しかし、登録後の異議申立ての制度は、登録異議の申立てがあった場合に、特許庁自ら登録処分の適否を審理し、瑕疵があった場合はその是正を図るというものである。そうすると、本件商標の登録査定時(同16年8月31日)以降である同17年10月11日付け「商標権の一部抹消登録申請書」をもって、その指定商品中「その他の化粧品」について放棄したとしても、その登録の効力は将来に向けて生ずるものと解されるから、登録査定時においては、本件商標の指定商品中「その他の化粧品」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反していたものであり、その取消理由が解消したことにはならない。
2 商標法第4条第1項第15号について
申立人が提出した甲第27号証ないし同第31号証によれば、「Collage」の商標が、商品「化粧水、乳液、クリーム、石けん、シャンプー」などに使用されている事実は認められるものの、これらの甲各号証によっては、「Collage」の商標が、取引者・需要者間において周知・著名なものとなっていると認めるに十分とはいえないものである。
そうであれば、本件商標をその指定商品に使用しても、その商品が申立人または同人と何らかの関係のある者の業務に係るものであるかのように、商品の出所についての混同を生ずるおそれがあるとすることはできないものと判断する。
3 結び
以上によれば、本件商標は、その指定商品中の第3類「その他の化粧品」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、本件商標登録は、この指定商品については、商標法第43条の第3第第2項の規定により取り消すべきものである。
そして、本件商標は、その余の指定商品について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたということができないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別 掲
引用登録第2413569号商標


異議決定日 2005-12-21 
出願番号 商願2004-15677(T2004-15677) 
審決分類 T 1 651・ 271- ZC (Y03)
T 1 651・ 263- ZC (Y03)
T 1 651・ 262- ZC (Y03)
最終処分 一部取消  
特許庁審判長 佐藤 正雄
特許庁審判官 山本 良廣
水茎 弥
登録日 2004-09-24 
登録番号 商標登録第4805626号(T4805626) 
権利者 有限会社有美
商標の称呼 ピュアコラージュ 
代理人 稲葉 滋 
代理人 網野 友康 
代理人 初瀬 俊哉 

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