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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200225215 審決 商標
不服200265061 審決 商標
不服200265040 審決 商標
不服200265044 審決 商標
不服20025170 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y03
管理番号 1131489 
審判番号 不服2003-8369 
総通号数 75 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-03-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-05-13 
確定日 2006-02-08 
事件の表示 商願2002-8674拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品」を指定商品として、平成14年1月23日(パリ条約による優先権主張 2001年9月6日フランス共和国)に立体商標として登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、商品の容器を表したものと解される写真よりなるものであるが、全体として観察しても格別特異とは認め難く、その指定商品との関係よりすれば、その商品の容器の一形態を表したものと容易に認識させる立体的形状よりなるものであるから、これをその指定商品について使用しても、単に商品の収納容器の形状を普通に用いられる方法をもって表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物(以下、「商品等」という。)の形状も含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではない。
そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは前記したように、商品等の機能又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品を識別するための標識として採択されるものではなく、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者・需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するにとどまり、このような商品等の機能又は美感と関わる形状は、多少特異なものであっても、未だ商品等の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。
2 これを本願についてみれば、本願商標は、別掲のとおりの外観を有するところ、正面から見ると、辺の部分が淡いピンク色の正方形に近似したやや縦長の形状であり、側面から見ると濃いピンク色の幅のせまい縦長の直方体形状の容器に蓋を被せてなるものであって、その指定商品中の「化粧品」との関係よりすると、色彩を施した「香水,化粧品」等の収納容器そのものを表したといえるものである。
そして、「香水,化粧品」等の収納容器がどのような形状と色彩を有するかについてインターネット及び化粧品のカタログをみると、以下(1)ないし(3)の事実がある。
(1)★Eragrance Shooping Theme Park 香水広場★には、・・・What’s New! 〜新着香水のご紹介〜 6/1UP アランドロンサムライウーマンワンラブ、ケンゾーエア、キャロリーナヘレラ、エルメスナイルの庭・・・」等の多数の香水名が掲載され、その上部にさまざまなデザインを施し、多様な色彩を有する香水(瓶)が表示されている(http://k-hiroba.com/index.htm )。
(2)Miniスペシャル【香水専門店 香水ショップドットコム】KOUSUISHOP・COMには、・・・「new MiNi ミニチュア香水・・・」には、「Mini香水を集めている方々のためのスペシャルです!!・・香水ショップドットコムでは日本未発売のMiniがほとんどです。見てください!かわいいですよ!!ボトルのデザイン,色も形もフルボトルと変わりません。・・・」との記載があり、さまざまなデザインや色彩を施した香水(瓶)が表示されている(http://www.kousuishop.com/minimini.html)。
(3)「Beauty Catalog(カネボウ 総合ビューティカタログ 2004.1)第24頁」には、例えば、「ダリ シュールレアリズムの巨匠、ダリをイメージしたフレグランス」の表示のもと、さまざまなデザインや色彩を施したオードトワレ(瓶)及び香水(瓶)等が○1ないし○10及び○12(○の中に算用数字を配してなる。以下同じ。)が、同じく「第27頁 ベーシックケア 化粧品○1ないし○4」には、化粧水(化粧水を収納容器に納めたといえるもの)の項の下部に、淡い緑色、淡い青、淡い水色等の色彩を施した「香水、化粧品」等の商品が表示されている。
そうすると、本願商標の指定商品中の「香水、化粧品」を取り扱う業界においては、商品の性質上、その収納容器についてもファッション性が重要視されて販売されているから、その商品の形状(包装の形状を含む。)が商品の機能又は美感をより発揮させるといえるものである。
したがって、本願商標は、その指定商品中の「香水,化粧品」の収納容器の一形態を表示するにすぎないといえるから、その商品の形状(包装の形状を含む。)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
3 請求人の意見
(1)立体商標について
請求人は、立体商標について、商品等の形状が、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的には商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではないとする考え方自体が誤っている旨主張する
しかしながら、商標法第3条第1項第3号にいう商品の形状(包装の形状を含む。)は、商品の立体形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標も含まれるし、形状には、商品の包装の形状(例えば、指定商品が洋酒の場合のその瓶の形状)も商品の場合と同様に扱われ、指定商品の形状そのものの範囲を出ないと認識されるにすぎない商標は、本号の規定に該当するものと解されるところである。
そして、指定商品の取引者、需要者が、指定商品に係る商品等に使用された商標に接した場合、これを当該商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であると認識するようなものである限り、商品の機能又は美感と関わる形状は、多少特異なものであっても、未だ商品の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解されることは、前記1認定のとおりであるから、この点に関する請求人の主張は採用できない。
(2)本願商標(香水、化粧品の収納容器)について
請求人は、本願商標は正面から見ると、蓋の一部以外は全体として透明であるが、側面から見ると全体としてピンク色に見えるという色彩を用いて特徴的な装飾を施した立体形状であり、十分に識別性を有する。アルジェリア、アルメニア、スイス等の諸外国でも本願商標と同じ商標が識別性が認められて立体商標として登録になっている旨主張する。
しかしながら、「香水、化粧品」等の収納容器に色彩が施されることは、一般に行われていることであって、例えば、商品の形状によっては、見る角度により色彩が凝縮されて濃く見えることは、通常の化粧品のカタログ(収納容器)から認められるところであるから、当然に予想し得る範囲の域を出ないものというのが相当である。
また、諸外国の商標の登録制度と我が国のそれとが同一のものと解釈しなければならない特段の事由が存するものとは認めることができず、諸外国の登録例をもって、本願商標が我が国において登録されなければならないとする根拠とはなり得ないから、これらの点に関する請求人の主張も採用することができない。
4 以上のとおり、本願商標は、その指定商品の美感をより際だたせるために施された美感の範囲を超えた立体商標ということはできないから、自他商品識別機能を有するものと認めることはできない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別 掲 (本願商標)


(色彩については、原本参照のこと)

審理終結日 2005-09-06 
結審通知日 2005-09-13 
審決日 2005-09-27 
出願番号 商願2002-8674(T2002-8674) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Y03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 泉田 智宏 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 三澤 惠美子
中村 謙三
代理人 浜野 孝雄 
代理人 森田 哲二 

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