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審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 登録しない Y41
管理番号 1131435 
審判番号 不服2004-4003 
総通号数 75 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-03-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-02-27 
確定日 2006-02-06 
事件の表示 商願2003- 43107拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「広島調理師専門学校」の文字(標準文字による)を書してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授」を指定役務として、平成15年5月27日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『広島調理師専門学校』の文字を普通に用いられる方法で書してなるが、その構成中に学校教育法により専門課程を置く専修学校以外の教育施設は使用を禁じられている『専門学校』の文字を有してなるので、これを出願人が商標として採択使用することは穏当ではない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「広島調理師専門学校」の文字を書してなるところ、学校教育法は、第1条において、「この法律で、学校とは、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、大学、高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校及び幼稚園とする。」とし、また、第82条の2において、「第1条に掲げるもの以外の教育施設で、職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的として次の各号に該当する組織的な教育を行うもの(当該教育を行うにつき他の法律に特別の規定があるもの及び我が国に居住する外国人を専ら対象とするものを除く。)は、専修学校とする。」(第一号ないし第三号省略。)として、「学校」と同様に、「専修学校」の範囲を法定し、かつ、その目的をも法定しているところである。
さらに、同法は、第82条の3第3項において、「専修学校の専門課程においては、高等学校若しくはこれに準ずる学校若しくは中等教育学校を卒業した者又は文部科学大臣の定めるところによりこれに準ずる学力があると認められた者に対して、高等学校における教育の基礎の上に、前条の教育を行うものとする。」とし、また、第82条の4第2項において、「専門課程を置く専修学校は、専門学校と称することができる。」として、前記専修学校のうち、「専門学校」と称することができる教育施設の範囲を法定しているところである。
そして、専門学校には、同法が定める目的に則した各種専門学校があり、その中には調理師となるために必要な知識等を習得するための教育施設であって、その教育を「調理師専門学校」の名称の下に行うところが少なからず存するというのが実情である。
してみれば、本願商標は、その構成全体から、学校教育法に基づく専門学校の一であって、「広島にある、調理師となるために必要な教育を行う専門学校」の名称を表示したものと認識、理解される場合があるものとみるのが相当である。
ところで、学校教育法は、第83条の2第2項において、「高等課程を置く専修学校以外の教育施設は高等専修学校の名称を、専門課程を置く専修学校以外の教育施設は専門学校の名称を、専修学校以外の教育施設は専修学校の名称を用いてはならない。」と、専門学校の名称使用の禁止を規定している。
また、同法第82条の8第1項は、「国又は都道府県が設置する専修学校を除くほか、専修学校の設置廃止(高等課程、専門課程又は一般課程の設置廃止を含む。)、設置者の変更及び目的の変更は、市町村の設置する専修学校にあつては都道府県の教育委員会、私立の専修学校にあつては都道府県知事の認可を受けなければならない。」と規定しており、これに関して、学校教育法施行規則第3条は、「学校の設置についての認可の申請又は届出は、それぞれ認可申請書又は届出書に、次の事項(市(特別区を含む。以下同じ。)町村立の小学校及び中学校については、第四号及び第五号の事項を除く。)を記載した書類及び校地、校舎その他直接保育又は教育の用に供する土地及び建物(以下「校地校舎等」という。)の図面を添えてしなければならない。一 目的 二 名称 三 位置 四 学則 五 経費の見積り及び維持方法 六 開設の時期」とし、また、同規則第77条の9は、「第3条及び第4条の規定は、専修学校の設置(高等課程、専門課程又は一般課程の設置を含む。)の認可の申請について準用する。」として、専門学校の設置等にあたっては、その目的や名称等を記載した認可申請書等により申請をし、都道府県の教育委員会又は都道府県知事の認可を受けなければならないとされている。
そうすると、「専門学校」の名称は、学校教育法及び同法施行規則に基づく正規の手続により専門学校設置の認可を受けた者のみが使用できると解される。
これを、本願商標についてみるに、請求人(出願人)は、原審における平成16年1月6日付け意見書及び当審における同年5月27日付け提出の審判請求理由の追加の補正書において、「学校法人原田学園の校長である請求人(出願人)が、同法人が(将来)提供する予定である役務の名称からなる本願商標を出願し、所有することまでを、学校教育法は禁じていないというべきである。」旨述べるとともに、前記意見書に「学校法人原田学園 広島酔心調理師専門学校」のパンフレットを添付しているところ、これよりは、請求人(出願人)が「学校法人原田学園 広島酔心調理師専門学校」の校長であることを窺い知ることができ、また、学校法人原田学園が「広島酔心調理師専門学校」の名称からなる専門学校の設置について、学校教育法が定める認可を受けていることは推認し得るものの、請求人(出願人)自身が、学校教育法に基づく正規の手続により、本願商標「広島調理師専門学校」の文字からなる名称の専門学校の設置について認可を受けている又はその認可を受ける予定があるとは認め難く、このような者が、本願商標を採択、使用することは、前記学校教育法に反することになるばかりでなく、これをその指定役務について使用をした場合には、あたかも、同法により認可を受けた専門学校という一教育施設が提供する役務であるかのように、一般世人をして誤信させるおそれがあるから、公の秩序を害するおそれのある商標といわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、これを取り消すことはできない。
なお、請求人(出願人)は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨述べているが、本件とは事案を異にするものであり、これをもって本願についての前記判断を左右するものとはいえないから、請求人(出願人)のかかる主張は採用し得ない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-11-28 
結審通知日 2005-12-02 
審決日 2005-12-13 
出願番号 商願2003-43107(T2003-43107) 
審決分類 T 1 8・ 22- Z (Y41)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 阿曾 裕樹原田 信彦 
特許庁審判長 中村 謙三
特許庁審判官 山本 良廣
田中 敬規
商標の称呼 ヒロシマチョーリシセンモンガッコー、ヒロシマチョーリシ、チョーリシセンモンガッコー、チョーリシ 
代理人 太田 恵一 

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