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審決分類 |
審判 全部無効 観念類似 無効としない Y16 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効としない Y16 審判 全部無効 称呼類似 無効としない Y16 |
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管理番号 | 1131398 |
審判番号 | 無効2005-89012 |
総通号数 | 75 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2006-03-31 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2005-01-31 |
確定日 | 2006-02-09 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4711545号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4711545号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成14年9月25日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年9月19日に設定登録されたものである。 2 引用商標 請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録商標は、以下のとおりである。 (1)登録第213080号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和4年5月14日に登録出願、第51類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和5年1月31日に設定登録され、その後、指定商品については、平成12年5月10日に第2類、第8類、第16類及び第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする書換の登録がされ、現に有効に存続しているものである。 (2)登録第1565592号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ライオン」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和41年6月17日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和58年2月25日に設定登録され、その後、指定商品については、平成15年6月25日に第2類、第8類、第16類及び第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする書換の登録がされ、現に有効に存続しているものである。 (3)登録第3339021号商標(以下「引用商標3」という。)は、「lion」の欧文字(筆記体)を横書きしてなり、平成5年5月27日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年8月15日に設定登録されたものである。 (引用商標1ないし引用商標3をまとめていうときは、以下「各引用商標」という。) 3 請求人の主張の要点 請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第15号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、「goldlion」の文字を一連に手書きしてなるものであるが、「goldlion」の文字全体は、特定の意味を有する語として一般に知られているものではない。 したがって、本件商標は、「gold」と「lion」とを結合したものである。 ところが、本件商標中、前半の「gold」の文字は、物品の色彩(金色)、原材料(金製)を表示する語として、「golden」、「silver」等の語と共に日常的に使用されているもので、後半の「lion」の文字は動物のライオンを意味するものである。 以上の事実に照せば、「gold」の文字は、「lion」を修飾する語として認識されるにすぎず、簡易迅速を旨とする商取引の実際において、本件商標に接する取引者、需要者は、「gold」の文字部分を省略し、後半の「lion」の文字部分を捉えて、これより生ずる称呼及び観念をもって取引に当たる場合が決して少なくないといえる。 してみれば、本件商標は、その構成文字全体より「ゴールドライオン」の一連の称呼を生ずるほか、「lion」の文字部分より「ライオン」の称呼及び観念をも生ずるものといわなければならない。 一方、各引用商標は、いずれも「ライオン」の称呼及び観念を生ずるものである。 したがって、本件商標と各引用商標は、共に「ライオン」の称呼及び観念を生ずる類似の商標であるといわなければならない。 また、本件商標の指定商品と各引用商標の指定商品は、同一又は類似の商品であることも明らかである。 してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわねばならない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 請求人(旧福井商事株式会社)は、明治時代より文房具に関して“ライオンマーク”を使用し、現在では多くの「ライオン」関係の登録商標を有する。中でも引用商標1及び2は、特許庁ホームページの「日本国周知・著名商標検索」に掲載されており、「文房具類」の商品分野にあっては、わが国において周知・著名な商標である。 これに対し、本件商標の文字全体は、特定の意味を有する語として一般に知られているものではない。 また、本件商標の指定商品と各引用商標の指定商品は「文房具類」であって、その取引者、需要者は共通している。しかも、「文房具類」は、日常的に消費される商品であり、需要者は特別な専門的知識を有しない子供から老人を含む一般大衆である。 上記の事情を考慮すれば、本件商標より「ゴールドライオン」の称呼が生ずるとしても、本件商標が文房具類に使用されたときは、この構成中の「lion」の部分より生ずる「ライオン」の称呼及び観念が取引者、需要者の注意を強く引き、請求人又は同人と営業上の関係を有する営業主の業務に係る商品のように、商品の出所の混同を生ずるおそれが十分存するのである。 請求人は、過去に「ゴールドライン」シリーズや「ゴールドラッシュ」シリーズと銘打って、商品の販売キャンペーンを行って来た(甲第10号証ないし甲第15号証)。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当する。 (3)むすび したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号又は同第15号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により無効とされるべきである。 4 被請求人の答弁 被請求人は、前記3の請求人の主張に対し、何ら答弁するところがない。 5 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について (ア)本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中の文字部分は、全体が手書き風文字により書され、かつ、該文字部分中の語頭の「G」の右から末尾の「o」にかけて引かれたアンダーラインにより、本件商標全体が外観上一体的のものとして看取されるばかりでなく、本件商標全体より生ずると認められる「ゴールドライオン」の称呼もよどみなく称呼し得るものである。また、本件商標は、その構成中の「Gold」が「金、金色の」を、「lion」が「ライオン」を意味する英語として、それぞれわが国の需要者の間でよく知られているものであるから、構成全体をもって、「金色のライオン、金獅子」なる観念を生ずるものといえる。 そうすると、本件商標は、外観上はもとより、称呼及び観念上からみても、構成全体をもって一体不可分の商標を表したと認識されるとみるのが相当であるから、その構成文字に相応して、「ゴールドライオン」の一連の称呼のみを生ずるものであって、「金色のライオン、金獅子」の観念を有するものといわなければならない。 請求人は、上記に関し、本件商標は、その構成中の「gold」の文字部分が商品の品質等を表示する語として日常的に使用されているものであり、商取引の実際において、「gold」の文字部分を省略し、後半の「lion」の文字部分を捉えて、これより生ずる称呼及び観念をもって取引に当たる場合が決して少なくないから、「ライオン」の称呼、観念をも生ずる旨主張する。 しかし、たとえ、「gold」の語が、各種商品の品質を表示するための語として使用されている事実が存在するとしても、上記認定のとおり、本件商標は、外観、称呼及び観念上一体不可分のものとして認識されるものであるから、文房具の主たる需要者である一般の消費者が、本件商標を「gold」の文字部分と「lion」の文字部分とに分離し、その上で「lion」の文字部分のみを抽出して、称呼、観念するものとみることはできない。 したがって、請求人の上記主張は採用することができない。 (イ)他方、引用商標1は、別掲(2)のとおり、ライオンの図形と「LION」の文字よりなるものであり、引用商標2は、「ライオン」の文字よりなるものであり、さらに、引用商標3は、「lion」(筆記体)の文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して、「ライオン」の称呼、観念を生ずるものである。 (ウ)してみれば、本件商標より生ずる「ゴールドライオン」の称呼と各引用商標より生ずる「ライオン」の称呼は、前半部分において、「ゴールド」の音の有無の差異を有するものであるから、それぞれの称呼を一連に称呼した場合においても、明瞭に聴別し得るものである。 また、前記のとおり、本件商標は、「金色のライオン、金獅子」の観念を有するものであるのに対し、各引用商標は、「ライオン」の観念を有するものであるから、両商標は、観念上相紛れるおそれはないものである。 さらに、本件商標と各引用商標は、それぞれ別掲又は前記の構成よりみて、外観上明らかに区別し得るものである。 したがって、本件商標と各引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 前記(1)のとおり、本件商標は、「ゴールドライオン」とのみ称呼され、「金色のライオン、金獅子」の観念をもって把握、認識される商標であって、各引用商標とは、非類似の商標である。 そうすると、たとえ、各引用商標(特に、引用商標1及び2)が請求人の業務に係る商品「文房具」について使用され、本件商標の登録出願前より、わが国の需要者の間に広く認識されていたものであるとしても、本件商標はこれをその指定商品について使用した場合、これに接する需要者が各引用商標を直ちに想起又は連想することはなく、該商品が申立人又はこれと営業上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。また、他に出所の混同を生ずるとみるべき特段の事情も認められない。 (3)むすび したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項の規定により無効とすることはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 (1)本件商標 (2)引用商標1 |
審理終結日 | 2005-12-01 |
結審通知日 | 2005-12-06 |
審決日 | 2005-12-21 |
出願番号 | 商願2002-81492(T2002-81492) |
審決分類 |
T
1
11・
271-
Y
(Y16)
T 1 11・ 263- Y (Y16) T 1 11・ 262- Y (Y16) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 堀内 真一 |
特許庁審判長 |
柴田 昭夫 |
特許庁審判官 |
小川 有三 岩崎 良子 |
登録日 | 2003-09-19 |
登録番号 | 商標登録第4711545号(T4711545) |
商標の称呼 | ゴールドライオン、ゴールドリオン、ライオン、リオン |
代理人 | 樋口 豊治 |
代理人 | 牛木 理一 |