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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 111 |
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管理番号 | 1131001 |
審判番号 | 取消2004-31226 |
総通号数 | 75 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2006-03-31 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2004-09-17 |
確定日 | 2006-01-11 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2648192号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第2648192号商標の指定商品中「民生用電気機械器具,電気アイロン,電気ストーブ,電気火ばち,電気ふとん,電気毛布,電気こたつ,電気足温器,電気こんろ,電気レンジ,電気トースター,電気コーヒー沸かし,頭髪乾燥器,巻き毛器,布地乾燥器,扇風機,電気洗たく機,電気冷蔵庫,ルームクーラー,電気がま,電気ミキサー,電気マッサージ器,電気かみそり,電気バリカン,電気掃除器,電鈴,家庭用換気扇フィルター,家庭用レンジフード用フィルター,家庭用暖冷房装置用フィルター,家庭用空気清浄器,家庭用脱臭器,これらに類似する商品」についての登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1.本件商標 本件登録第2648192号商標(以下「本件商標」という。)は、「ふっくら」の文字を横書きしてなり、平成3年11月28日に登録出願され、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、平成6年4月28日に設定登録されたものである。 2.請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べている。 (1)請求の理由 本件商標の登録は、その指定商品中「結論掲記の商品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが本件商標の使用をしていないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。 (2)弁駁の理由 被請求人は、「ふとん乾燥機」に本件商標の使用をしている旨主張し、乙第1号証を提出しているが、同証拠によっては本件商標の使用を認めることはできない。その理由は、以下のとおりである。 (ア)乙第1号証に記載された「ふっくら」の文字とその下に一緒に用いられている漢字「衣類」と「乾燥」を特殊文字にて2段で書し、その文字をTシャツの形をモチーフにした図形の中に収めている部分とは、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標ではないこと、(イ)乙第1号証の「ふっくら」の記載は、平仮名,片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標ではないこと、(ウ)この「ふっくら」は、外観において同視される図形からなる商標ではないこと、及び(エ)乙第1号証記載の「ふっくら」は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ではないことからすると、乙第1号証に記載されている「ふっくら」の文字は、商標法第50条にいう「登録商標」の使用の規定を満たしていない。 また、乙第1号証に記載された「ふっくら」の表示に接した取引者・需要者は、「ふっくら」の表示を、商品「ふとん乾燥機」で「衣類」を「乾燥」させることにより生じる効果を謳った表示であると理解するのが通常であり、同表示が自他商品の識別標識として使用されていると認めることはできない。 3.被請求人の主張 被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証を提出している。 (1)被請求人は、「ふとん乾燥機」に商標「ふっくら」を使用中である。 (2)商品販売用のカタログ(乙第1号証)によれば、以下の点が明確に判別できる。 商標の使用者:最終頁に被請求人である「松下電器産業株式会社」の記載がある。 使用に係る商品:表紙その他に、ふとん乾燥機の写真が鮮明に写っており、かつ、表紙に「ふとん乾燥機」と記載されている。 使用商標:見開き頁の右上部に、ひらがな「ふっくら」と記載されている。 使用時期:本証拠の最終頁に「このカタログの記載内容は2003年7月30日現在のものです。」との記載がある。 (3)乙第1号証記載の「ふっくら」が本件商標の使用に当たるか否かについては、 (ア)「衣類」と「乾燥」の文字をTシャツの形をモチーフにした図形の中に収めている部分と「ふっくら」と書してなる部分とは、それぞれの書体、文字の大きさ、文字の色が顕著に相違し、「ふっくら」の文字部分が独立して認識できることから、「ふっくら」の文字部分は、実質的に商標として機能しているといい得る。 (イ)本件商標と「ふっくら」の文字部分とは、その外観において、社会通念上同一といえることから、「ふっくら」の文字部分が本件商標の使用に当たるとみて何ら差し支えない。 (4)以上のとおり、被請求人は、「ふとん乾燥機」に本件商標を使用しているので、商標法第50条第1項の規定に該当するものではなく、請求人の請求には理由がない。 4.当審の判断 (1)乙第1号証は、表紙、見開き頁及び最終頁の3頁からなる商品カタログである。 乙第1号証によれば、表紙右上には「2003」「ふとん乾燥機」「総合カタログ」との表題が付され、表紙中央には、左側に「FD-F06A4」、右側に「FD-06J2」の記号が下部に併記された2台のふとん乾燥機の写真が掲載され、右側の機種には「こちらは!衣類乾燥ケース標準装備」との説明が記載されていること、表紙左下には「2003年6月23日現在」と記載されていること並びに最終頁には、「FD-06J2-W(ポーラホワイト)」、「FD-F06A4-C(クリームベージュ)/FD-F06A4-A(クアクアブルー)」及び「FD-F06B4-A(ダークブルー)」/「FD-F06B4-W(ホワイト)」の品番のふとん乾燥機について商品仕様表が記載されていること、「このカタログに掲載の商品はふとん乾燥機です。・・・」、「松下電器産業株式会社 ナショナルマーケティング本部 大阪市中央区・・・」、「ナショナルふとん乾燥機を製造している松下エコシステムズ(株)・・・」及び「このカタログの記載内容は2003年7月30日現在のものです。」などと記載されていることが認められる。 これらの認定事実によれば、被請求人又はその関連企業は、本件審判の請求の登録がされた平成16年10月12日前3年以内に、日本国内おいて、請求に係る指定商品中の一商品である「ふとん乾燥機」を製造販売していたものと認められる。 (2)本件商標の使用について、被請求人は、乙第1号証における見開き頁右上に「ふっくら」の文字が記載されていることをもって本件商標の使用をしている旨主張しているのに対し、請求人は、乙第1号証に記載された「ふっくら」によっては本件商標の使用をしているとはいえない旨主張しているので、以下この点について検討する。 (ア)乙第1号証見開き頁は、約右下の四分の一の面積を衣装ケースを標準装備した品番「FD-F06J2」のふとん乾燥機の説明に使用している外は、残り全てを品番「FD-F06A4」のふとん乾燥機の説明に使用している。 (イ)同頁中央下には、「FD-F06A4-C(クリームベージュ)-A(クアクアブルー)」の品番が下部に併記された2台のふとん乾燥機の写真が掲載され、そのうち左前方のふとん乾燥機(「-C」の機種)の吹き出し口から左上方と左下方に向かって吹き出し風に2つの黄色塗りの四角形(左上方の四角形はやや大きい)が表されている。 (ウ)そのうち左上方の角丸四角形には、付属品「マット」を使用した状態の写真及び「大きな『Wサイズマット』でダブルサイズもおまかせ。おふとん全体をムラなくしっかり乾燥します。クリーンな温風で、ふんわり快適なおふとんに仕上がります。」との説明などが記載され、その左上部に黄色横書きした「ふんわり」の文字を白に加えて青で縁取りしその下部に接続させて内部に二段に青色横書きした「布団」「乾燥」の文字を有する青色輪郭の布団をモチーフにした図形を配している。 (エ)また、左下方の角丸四角形には、付属品「くつ乾燥アタッチメント」を使用した状態の写真及び「濡れたくつもスピーディ乾燥『くつ乾燥アタッチメント』付」との説明などが記載され、その左上部に黄色横書きした「清潔」の文字を白に加えて青で縁取りしその下部に接続させて二段に青色横書した「下着小物&くつ」「乾燥」の文字を重ね合わせた青色輪郭の靴などをモチーフにした図形を配している。 (オ)同頁右上部には、黄色角丸四角形に、「オプション別売り衣類乾燥ケースを使用すると!」「室内干しで、スピーディ&クリーン乾燥!」「クリーンな温風でスピーディに乾燥します。」との説明が記載され、別売りの「衣類乾燥ケース」を使用した状態の写真が掲載され、これらに加え「衣類乾燥ケース」が収納された状態の写真及びその説明なども掲載され、その右上部に黄色横書きした「ふっくら」の文字を白に加えて青で縁取りしその下部に接続させて内部に二段に青色横書きした「衣類」「乾燥」の文字を有する青色輪郭のTシャツをモチーフにした図形を配している。 (カ)以上によれば、乙第1号証の商品カタログは、特に見開き頁において、品番「FD-F06A4」に係るふとん乾燥機について、標準装備している「マット」及び「くつ乾燥アタッチメント」の外、別売りの「衣類乾燥ケース」があり、それぞれの用途、機能などを写真や説明書きをもって紹介している。同頁右上の「ふっくら」の文字は、同頁左上の「ふんわり」の文字及び同頁左下の「清潔」の文字がその下部にある「布団乾燥」及び「下着小物&くつ乾燥」の文字及び商品の使用説明の記述内容等との関係から、布団、下着小物又はくつなどの乾燥の仕上がり具合が良いことを標榜するための記述的表現であることを認識させるものであるのと同様に、前記ふとん乾燥機について別売りの「衣類乾燥ケース」を使用すれば、衣類の乾燥もでき、その仕上がり具合の良さを標榜するための記述的表現であることを認識させるものである。 乙第1号証見開き頁における「ふっくら」、「ふんわり」及び「清潔」の各文字の使用は、いずれも商標本来の機能である自他商品の識別機能を果たす態様として使用されているとみることはできないものである。 加えて、「ふっくら」の文字及びTシャツの形をモチーフにした図形等は、上述のとおり、「ふんわり」及び「清潔」の文字等と同様の表現方法をもって表されているものであり、同じ機種のふとん乾燥機(品番「FD-F06A4」)について使用されていることからすると、これらに接する取引者・需要者が「ふんわり」及び「清潔」の文字を記述的に使用されているものと理解し、「ふっくら」の文字部分のみを商品の出所識別機能を有する商標として認識するとの被請求人の主張は極めて不自然であって、「ふっくら」の文字を商標として認識しないと判断するのが相当である。 品番「FD-FO6J2」に係るふとん乾燥機について、「衣装ケース標準装備のふっくら名人」の文字が同頁に記載されていることは認められるが、その他乙第1号証に「ふっくら」の文字が独立して表示されているところは見当たらない。 (キ)したがって、乙第1号証のみによっては、取消請求に係る商品中「ふとん乾燥機」について、本件商標と社会通念上同一と認定し得る商標の使用をしていたとは認められないというべきである。そして、他に本件商標をその取消請求に係る商品について使用していると認めるに足りる証拠はない。 (3)結論 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていることを証明していないのみならず、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていないから、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、結論掲記の指定商品について、取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-11-10 |
結審通知日 | 2005-11-15 |
審決日 | 2005-11-29 |
出願番号 | 商願平3-123660 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(111)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 内山 進、渡辺 常雄 |
特許庁審判長 |
田辺 秀三 |
特許庁審判官 |
大橋 信彦 高野 義三 |
登録日 | 1994-04-28 |
登録番号 | 商標登録第2648192号(T2648192) |
商標の称呼 | フックラ |
代理人 | 西野 吉徳 |
代理人 | 安倍 逸郎 |