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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y03
審判 全部申立て  登録を維持 Y03
管理番号 1129429 
異議申立番号 異議2005-90004 
総通号数 74 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2006-02-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2005-01-05 
確定日 2005-12-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第4809749号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4809749号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4809749号商標(以下「本件商標」という。)は、「BETOX」の欧文字と「ベトックス」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成16年2月4日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年8月12日に登録査定、同年10月15日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
(1)申立人の使用に係る商標の著名性について
申立人の使用に係る「BOTOX」あるいは「ボトックス」の文字からなる商標(以下、これらを纏めて「引用商標」という。)は、申立人の業務に係る「眼瞼の痙攣等の顔面痙攣症状を治療するための薬剤」の商標として、世界70カ国以上で承認されており、わが国においては、1995年2月に厚生省により承認され、全国各地の大学病院や総合病院等2500あまりの施設において使用されているものであり、医療関係者の間において広く知られているものである。加えて、引用商標は、本来の眼瞼や顔面の痙攣等の治療に用いられるだけでなく、筋弛緩作用の応用により、しわやたるみの除去などの美容整形にも適応することが判明し、一般の美容整形目的でも使用されるようになり、それによって、一層広く一般に、とりわけ女性に知られるようになり、我が国においても、医療専門誌紙はもとより、一般の各種媒体でも取り上げられており、インターネットの検索によっても数多くのサイトが抽出される存在となっている。
(2)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
本件商標と引用商標とは、その称呼において極めて近似した商標であり、本件商標の指定商品中の「化粧品」と申立人の商品とは、化粧品と薬剤の違いはあっても、美容整形目的で使用される場合においては、その用途は同じであり、需要者層は重なり合っている。
そして、商標権者は、「世界中で定番になっている美容外科でのシワ治療『ボトックス』 ・・・この治療法と同様の効果をただ塗るだけで・・・それがベトックスです」等の文句で商品を宣伝広告しており、あたかも、「BOTOX」と関係があるかのような方法で宣伝広告がされている。
以上の実情を勘案すると、本件商標と引用商標とは商品の出所について混同を生じさせるおそれがあり、商標権者は、引用商標の有する顧客吸引力を不当に利用せんとする不正の目的をもって登録したものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当するものであるから、本件商標の登録は、取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とは、前記したとおりの構成よりなるものであるから、その構成文字に相応して、本件商標からは「ベトックス」の称呼を、引用商標からは「ボトックス」の称呼を生ずるものと認められる。
しかして、この両称呼は、称呼における識別上重要な要素を占める語頭音において、有声の破裂音にして、明瞭に発音・聴取される「ベ」と「ボ」の音の差異を有するものであるから、これらの音の差異が比較的短い音構成からなる両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、互いに聞き誤るおそれはないものというべきである。
また、本件商標と引用商標とは、全体の外観において顕著な差異を有するばかりでなく、両商標の欧文字部分を比較してみても、印象の強い前半部分において、「BE」と「BO」の文字の差異を有するものであるから、通常の注意力をもってすれば、両者の外観を見誤ることはないものというべきである。
更に、両商標は、いずれも造語と認められるものであるから、観念については、比較すべくもない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
引用商標が「眼瞼の痙攣等の顔面痙攣症状を治療するための薬剤」の商標として医療関係者の間において知られていたとしても、申立人の提出に係る甲各号証をもってしては、本件商標の登録出願時において、引用商標が美容整形のために使用される商品を表す商標として、取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めるに充分なものとはいえない。
そして、上記したとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであり、申立人の業務に係る薬剤と本件商標の指定商品である化粧品等との商品の差異をも合わせ考慮すれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわざるを得ない。
また、甲各号証をもってしては、商標権者における不正の目的を認定するにも充分なものとはいえない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、申立人の提出に係る甲各号証をもってしては、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反してされたものとは認定できないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2005-11-22 
出願番号 商願2004-9184(T2004-9184) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Y03)
T 1 651・ 222- Y (Y03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 松浦 裕紀子佐藤 久美枝 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 小林 薫
寺光 幸子
登録日 2004-10-15 
登録番号 商標登録第4809749号(T4809749) 
権利者 株式会社スカンジナビア
商標の称呼 ベトックス 
代理人 松尾 和子 
代理人 柏原 三枝子 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 中村 稔 
代理人 大島 厚 

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