• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y30
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y30
管理番号 1127848 
異議申立番号 異議2004-90495 
総通号数 73 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2006-01-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2004-08-11 
確定日 2005-11-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第4771049号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4771049号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第4771049号商標(以下「本件商標」という。)は、「いちご感!」の文字を書してなり、平成15年8月20日に登録出願、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」を指定商品として、同16年5月14日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第8号証を提出している。
本件商標は、これをその指定商品中「苺を使用したもの、苺風味のもの、苺風味の食品に原材料として好適に使用されるもの、苺風味を付すためのもの」等に使用するときは、商品の品質、用途を認識させるにとどまり、前記商品以外の商品に使用するときは、その品質、用途の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

3 本件商標に対する取消理由の要旨
当審において、平成17年7月12日付けで商標権者に対し通知した取消理由は、要旨次のとおりである。
本件商標は、上記のとおり「いちご感!」の文字よりなるところ、食品業界においては、例えば、菓子やパンあるいはヨーグルト、プリンなどに各種のフルーツの果肉や果汁を加えあるいは香料を添加するなどして、本来有している味にフルーツの食感、風味を加味した商品が販売されており、これらの実情に照らせば、本件商標を構成する「いちご感!」の文字は、「いちごの食感、いちごの風味」の意味を端的に表したものと理解されると認められる。
そして、申立人の提出に係る証拠によれば、菓子「ムースポッキー<ストロベリー>」について「フリーズドライしたいちごをたっぷりと練り込んだ、いちご感あふれるフルーティーなおいしさが特長です。」(江崎グリコ株式会社、甲第1号証)、「練乳いちごヨーグルト」について「いちご感アップでさらにおいしく」「いちご感がアップしてさらにおいしくなった」(森永乳業株式会社、甲第3号証)、菓子「さわやか苺トッポ」について「とれたての苺をイメージし、フレーバーを改良。さわやかでフレッシュないちご感がグレードアップしたチョコレートにマッチング。」(株式会社ロッテ、甲第5号証)、「フラン(贅沢な森いちご)」について「フリーズドライのいちごを増量したチョコ生地をたっぷり軸につけ、いちご感もボリュームアップしました。」(明治製菓株式会社、甲第6号証)、「いちごオーレ」の紙製容器に「いちご感アップ」(明治乳業株式会社、甲第7号証)と、「いちご感」の文字が各食品会社により商品を記述する文章中などに使用されている事実が認められる。
以上によれば、「いちご感」の文字は、食品業界においては「いちごの食感、いちごの風味」程を意味するものと認識されて取引上普通に使用されているというべきであるから、本件商標がその指定商品に使用された場合、これに接した取引者、需要者は、これを商品の品質を記述するものと把握し、自他商品の識別標識とは認識しないといわなければならない。
してみれば、本件商標は、その指定商品中、いちごの食感、いちごの風味を有する商品については商品の品質を表示するに止まり、上記以外の商品については、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものである。

4 商標権者の意見
商標権者に対し、上記3の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。

5 当審の判断
本件商標は、上記3で述べたとおり、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その商標登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2005-10-06 
出願番号 商願2003-70856(T2003-70856) 
審決分類 T 1 651・ 13- Z (Y30)
T 1 651・ 272- Z (Y30)
最終処分 取消  
前審関与審査官 鈴木 幸一 
特許庁審判長 柴田 昭夫
特許庁審判官 富田 領一郎
小川 有三
登録日 2004-05-14 
登録番号 商標登録第4771049号(T4771049) 
権利者 敷島製パン株式会社
商標の称呼 イチゴカン 
代理人 河野 茂夫 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ