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審決分類 審判 査定不服 商3条1項5号 簡単でありふれたもの 登録しない Y30
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない Y30
管理番号 1127618 
審判番号 不服2003-14729 
総通号数 73 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-06-25 
確定日 2005-11-18 
事件の表示 商願2002-23902拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類「角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,糖蜜」を指定商品として、平成14年3月8日に登録出願されたものである。

第2 原査定における拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、薄桃色で表された横長矩形内に、桃色で表された菱形及び『D』の文字を表してなるところ、アルファベット1字は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなるものであって、自他商品識別標識としての機能を果たさないものであり、菱形は、ありふれた輪郭と認められるものであって、自他商品識別標識としての機能を果たさないものであり、横長矩形も自他商品識別標識としての機能を果たさないものであるから、全体として、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、薄桃色を地色とする横長矩形内に、桃色で菱形輪郭を表し、その内部に同じく桃色で「D」のアルファベット一字を表してなるものである。
1 商標法第3条第1項第5号について
本願商標は、上記のとおり、薄桃色を地色とする横長矩形内に、ありふれた菱形輪郭を桃色で描き、その内部に同じく桃色でありふれたアルファベット「D」一文字を表してなるものであるから、これが、例え、色彩を有する商標であるとしても、全体として観察した場合には、これに接する取引者、需要者は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる標章といえることは、原審説示のとおりである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当するものである。
2 商標法第3条第2項について
請求人は、本願商標を商標法第3条第2項による適用を受けたい旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出し、請求人会社の規模及び沿革並びに本願商標の使用態様を明らかにし、使用実績は準備中であるから、揃い次第提出すると述べている。
しかし、請求人は、本件審判請求の日(平成16年6月24日)より、現在に至るまで相当期間を経過しているが、使用実績の提出をしなかった。
以下、本願商標が使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができる商標に至ったか検討する。
商標法第3条第2項に該当するものとして登録を認められる商標は、同法第3条1項各号に掲げる商標は自他商品識別力がないものとされて商標登録を受けられないのであるが、3号から5号までのものは特定の者が長年その業務に係る商品について使用した結果、その商標がその商品と密接に結びついて出所表示機能をもつに至ることが経験的に認められるので、このような場合には、特別顕著性が発生したと考えて、商標登録をし得ることにしたのである。
そして、この認定の基準は、当該商標の使用がされている具体的な取引の実状を参酌して定められるべきであり、また、使用により識別力を有するに至った商標として登録が認められるのは、原則として使用に係る商標が出願に係る商標と同一の場合であって、かつ、使用に係る商品と出願に係る指定商品も同一のものに限られるものであると解されるものである。
これを本願についてみれば、甲第2号証は、「会社ごあんない」のパンフレットであり、その「家庭用から業務用、医薬用まで、幅広く活躍するセブン印。」の表題の下、「当社製品紹介」「大袋:上白糖、グラニュ糖、花見糖、三温糖、中双糖、(30Kg、20Kg)」に、やや不鮮明ではあるが他の文字や他の標章とともに本願商標が表示されていることが認められる。
したがって、請求人は、本願商標と同一の商標のみを使用したとはいえない。
甲第3号証は、「セブン印商品のご案内」のパンフレットであり、その「主な砂糖の種類」として「コーヒー・紅茶用グラニュ糖」があり、その「粉糖」、「業務用大袋・中袋」等に、やや不鮮明ではあるが、他の文字や他の標章と本願商標が表示されていることが認められる。
したがって、請求人は、本願商標と同一の商標のみを使用したとはいえない。
また、本願商標の使用期間、具体的な取引数量、使用地域等についても具体的に明確にしていないことは、前記のとおりである。
そして、使用により識別力を有するに至った商標として登録が認められるのは、原則として使用に係る商標が出願に係る商標と同一の場合であって特定の者が長年その業務に係る商品について使用した結果、その商標がその商品と密接に結びついて出所表示機能をもつに至ったものについてと解され、この認定の基準は、当該商標の使用がされている具体的な取引の実状を参酌して定められるべきでることも、前記のとおりである。
そうとすると、請求人は、当該商標の使用がされている具体的な取引の実状を明らかにしたとはいえないから、本願商標が使用された結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができる商標に至ったことを証明したとはいえない。
さらに、甲第1号証は、請求人の登記簿謄本であリ、請求人会社の規模及び沿革等をその内容とするものであって、本願商標が使用により識別力を有するに至った商標であることを証明するものではない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の適用を受けることはできない。
3 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当するものであって、同法第3条第2項の要件を備えているとはいえないから、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別 掲



(色彩については、原本参照のこと)


審理終結日 2005-09-06 
結審通知日 2005-09-09 
審決日 2005-09-27 
出願番号 商願2002-23902(T2002-23902) 
審決分類 T 1 8・ 17- Z (Y30)
T 1 8・ 15- Z (Y30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山口 烈渡邉 健司 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 三澤 惠美子
中村 謙三
商標の称呼 ヒシデイ、デイ 
代理人 近藤 豊 

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