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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y09
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y09
管理番号 1126094 
審判番号 不服2003-22873 
総通号数 72 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-11-25 
確定日 2005-10-21 
事件の表示 商願2003-11129拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「フローモニタ」の文字を標準文字により書してなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年2月14日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「フローモニタ」の片仮名文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、この語は「流量監視器」を意味する「flow monitor」の片仮名表記と認められるので、これを本願指定商品中、前記文字に照応する商品に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記したとおり、「フローモニタ」の文字よりなるところ、その構成中の「フロー」の文字は、「(flow)流れ」等の意味を、「モニタ」の文字は、「(monitor)機械などが正常な状態に保たれるように監視する装置」等の意味(いずれも「広辞苑第五版」株式会社岩波書店)を有し、また、「インタープレス版 科学技術25万語大辞典 和英編」(株式会社アイピーシー)によれば、「flow monitor」の語は、「流量監視器」を意味するものである。
そうとすれば、本願商標からは「流量監視器」の意味合いが理解されるものであり、これをその指定商品に使用したときは、取引者、需要者は、「流量監視器」という測定機器であると容易に認識するものであるから、これよりは、商品の品質を表示するにすぎないものというべきである。
そして、以下の新聞記事やインターネット情報をみても、「フローモニタ」及びこれと同義と看取される「フローモニター」の文字が、商品の品質を表示するものとして使用されている事実が認められることは明らかである。
(1)2005.02.18 化学工業日報 7頁には、「HPLC用カラム・充填剤 ケムコ(企画記事)」の見出しの下に「・・・微量送液をリアルタイムで実測値としてモニタリングする流量計「ピコフローモニターPF-04」も製品化、基本三点セットがそろったことで市場開拓に拍車をかける。」の記載がある。
(2)2003.01.07 化学工業日報 8頁には、「テルモ、運転音の静かな在宅酸素濃縮器を発売」の見出しの下に「さらに、電源投入時や酸素流量の異常時の音声ガイダンス機能や酸素流量のフローモニターチェック機能など安全性を向上させた。」の記載がある。
(3)1993.07.15 日刊工業新聞 12頁には、「日本フィーダー工業、定量ポンプ用簡易流量計を発売。微量の液体も把握」の見出しの下に「また、オプションとして吐出異常時に警報が出せる「フローモニターFM―01」や、積算計、瞬時流量指示計などの周辺機器と組み合わせることにより・・・」の記載がある。
(4)1988.07.02 日刊工業新聞 14頁には、「長菱エンジ、フローモニター完成。石炭や粉粒体の流れをキャッチ」の見出しの下に「長菱エンジニアリング・・・は、石炭や粉・粒体の流れを検知する「AE型フローモニター=写真」を三菱重工業長崎研究所・・・から技術供与を受け完成した。」の記載がある。
(5)インターネットの「http://www.smcworld.com/2002/npp/npp_view.php3?KeyNo=NPP-03-9&Page=2&Key=&NowRow=0」のホームページには、「4チャンネルフローモニタ」の表示及び「ひとつのコントローラで4台分の流量管理が可能」の記載がある。
(6)インターネットの「http://www.aivision.co.jp/html/seihin/1101.html」のホームページには、「フローモニタ RSS100HR(センサ別)(601-31-000)」「フローモニタ RSS100(601-32-000)」の表示及び「●ガス密度、粘性、温度、気圧を補正して高精度の流量測定」の記載がある。
(7)インターネットの「http://www.pico-device.co.jp/picoflowh.html」のホームページには、「新製品ピコフローモニター」の表示及び「流量モニタリング装置として毎分ピコリットル、ナノリットル、マイクロリットルの流量範囲を精度良く、くり返し測定できるピコフローモニターです。」の記載がある。
(8)インターネットの「http://www.keikoren.or.jp/seihin/data/06-07-010-027-08.html」のホームページには、「渦式フローモニター・Eggs DELTA」の表示及び「モニター専用機は、外部電源不要の電池式で、表示器は見易い向きに簡単に変えられます。」の記載がある。
(9)インターネットの「http://www.berthold-jp.com/lb509.html」のホームページには、「HPLCラジオアイソトープフローモニター LB 509」の表示及び「LB509はあらゆるHPLCメーカの機器と接続が可能なユニバーサルタイプのHPLCラジオアイソトープフローモニターです。」の記載がある。
(10)インターネットの「http://www.ryutai.co.jp/seihin/paddle/keiki/keiki-2.htm」のホームページには、「フローモニター 5500」の表示及び「全てのパドル・センサに接続ができ、アナログとデジタルの両方で流量指示をおこなうと同時にアナログ信号、警報、同期パルス積算パルスを出力する、多目的に使用できる受信計器です。」の記載がある。
(11)インターネットの「http://www.compoclub.com/products/list/flow/detail/MCB10A.html」のホームページには、「品名:水専用電磁流量計Magcube(MCB10A)」の表示及び「電磁式フローメーターMagcube*は山武の長年の電磁流量計の技術や実績に基づいて開発された、水専用のローコストなフローメーターです。コンパクトで必要な機能に限定されているため、水のフローモニター、積算量管理に最適です。」の記載がある。
(12)インターネットの「http://www.kyoritsukiko.co.jp/products/fuzo.html」のホームページには、「フローモニター」の表示及び「●薬液注入の監視に」の記載がある。
(13)インターネットの「http://www.risui-kagaku.co.jp/risufyda.htm」のホームページには、「2.注入監視用フローモニターを装備」の表示及び「ポンプの空運転を検知し、故障をアラーム表示するとともに、故障時に予備ポンプを運転作動させます。」の記載がある。

なお、請求人は、「フローモニタ」の語が一部で使用されている事実があるとしても、「フローモニタ」の語が日本語として一般的に使用されていて「流量監視器」ほどの意味合いを認識させるとはいうことができず、本願商標の「フローモニタ」の語は商品の品質を表示するにすぎないものとはいえない、と主張するものであるが、先に掲げた新聞記事等の内容からすれば、本願商標は、上記したとおり「流量監視器」の意味合いで取引者、需要者に容易に認識されるものと認められるのであって、その商品の品質を表示するにすぎないものと理解、認識されるといわなければならないから、請求人の上記主張を採用することはできない。
以上のとおり、本願商標は、これをその指定商品に使用したときは、「流量監視器」を認識させるものであり、その商品の品質を表示するにすぎないものというべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記した商品以外の商品に使用したときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当するといえる。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2005-08-10 
結審通知日 2005-08-19 
審決日 2005-08-30 
出願番号 商願2003-11129(T2003-11129) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (Y09)
T 1 8・ 13- Z (Y09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 平澤 芳行 
特許庁審判長 小林 薫
特許庁審判官 井出 英一郎
寺光 幸子
商標の称呼 フローモニタ、フロー 
代理人 加藤 恒久 

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