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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z1642 |
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管理番号 | 1126065 |
審判番号 | 取消2003-31211 |
総通号数 | 72 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2005-12-22 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2003-09-09 |
確定日 | 2005-10-17 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4264584号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4264584号商標(以下、「本件商標」という。)は、第16類「印刷物,紙類,文房具類」、及び第42類「あん摩・マッサージ及び指圧,灸,柔道整復,はり,整体」を指定商品及び指定役務として、平成9年4月7日に登録出願、同11年4月23日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。 第2 請求人の主張 請求人は、「商標法第50条の規定により、本件商標の商品及び役務の区分、全指定商品及び全指定役務について登録を取り消す。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者及び通常使用権者のいずれもが全指定商品及び全指定役務について本件商標の使用をしていない。 2 答弁に対する弁駁 被請求人は、乙第1号証及び乙第2号証を提出して本件商標の出願時から現在に至るまで、本件商標を指定役務「あん摩・マッサージ及び指圧,灸,柔道整復,はり,整体」中、少なくとも「整体」に継続して使用していると主張しているが、商標権などの知的財産権及びその他の財産権についての権利能力者たり得る者は、自然人及び法人のみであり、いわゆる法人格なき団体は権利能力者とはなり得ない。 そこで、請求人は、被請求人の法人格を確認するべく、被請求人の住所地を管轄する甲府地方法務局韮崎出張所に被請求人の登記簿謄本の作成・交付を申請したところ、被請求人については見当たらないので、同人の登記簿謄本の作成・交付することは困難であるとの連絡を受けた(甲第1号証)。 そうすると、本件商標権については、権利者が存在しないのであって、被請求人が証明した通常使用権者による本件商標の使用は、正当な商標権者からの許諾に基づく本件商標の使用とは認められない。 したがって、本件商標権については、権利者が存在しないものと認められ、被請求人が主張する本件商標の使用は、正当な商標権者からの許諾に基づくものとはいい得ない。 よって、本件商標の登録を取り消す旨の審決を求める。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由及び審尋に対する回答を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2証並びに参考資料1ないし参考資料3を提出した。 1 答弁書の要点 (1)商標について 乙第1号証は、「讀賣新聞 2003年(平成15年)2月1日付け山梨版」の写し(現在も使用中)(以下、「讀賣新聞」という。)であり、その広告欄ほぼ中央の白黒反転部分に「足技」の語と「登録商標」の語が記載されているから、被請求人は本件商標を使用している。 乙第2号証は、「職業別タウンページ山梨県国中版 2003/7→2004/6」現在使用中のもの(以下、「タウンページ」という。)の写しであり、「足技整体療術師」の記載がある。「整体療術師」は、一般的な施術を行う者の名称であるから、その要部は「足技」であり、被請求人は本件商標を使用している。 (2)指定役務について 讀賣新聞の白黒反転部分の下欄には、「施術希望の方、又詳しくは両院ともタウンページ+健康+各種療法のページをご覧ください。」の記述があり、「施術」少なくとも「整体」療法を施術することが明瞭である。 タウンページの最下欄中には、「学院附属療院」、「予約制」及び「整体部門」の記述があり、さらに、「整体」療法を施術する「学院附属療院」、「予約制」及び「整体部門」の記述があるから、「整体」療法を施術することが示されている。 (3)以上のように、被請求人は、本件商標の登録出願時から現在に至るまで本件指定役務中の少なくとも「整体」に継続して使用している。 2 平成16年10月8日付けの審尋に対する回答 (1)「専門学院日本体全矯正療術学院」と「日本体全矯正療術学院」の関係について 乙第1号証中の「専門学院日本体全矯正療術学院」及び乙第2号証中の「日本体全矯正療術学院」は、乙第2号証中に「施術師養成専門学院」との記述があるから、両者は同一の組織である。 (2)被請求人と「日本体全矯正療術学院」の関係について 被請求人は、登記簿謄本(参考資料1)のように、本店を「山梨県甲府市酒折三丁目11番5号レヂオンス甲府パート3(ローマ数字で表されている。以下同じ)A棟211」とするものであるが、「山梨県韮崎市富士見1丁目7番3号」にも営業拠点を有している(参考資料2)。 被請求人と「日本体全矯正療術学院」との関係は、商標権者とその使用権者である。 被請求人は、多数の同業者と「山梨療術業協同組合」を設立、その事業として、「教育情報提供業務:組合員の事業に関する経営及び技術の改善向上または組合員事業に関する知識の普及をはかるための教育及び情報の提供」を行っている(参考資料3)。 乙第1号証及び乙第2号証中には「山梨県療術業協同組合指定校」の記載があり、「日本体全矯正療術学院」が「山梨療術業協同組合」の指導のもとに施術師の養成を行っている。 「山梨療術業協同組合」の設立発起人代表である被請求人が「日本体全矯正療術学院」に対して本件商標権に関する使用権を許諾(黙諾)している。 3 以上の点より、本件審判の請求は成り立たないとの審決を求める。 第4 当審の判断 1 被請求人が、本件商標を使用しているとする役務「整体」が本件商標の指定役務中に包含されること、役務「整体」について使用される商標が本件商標と社会通念上同一の範囲と認められる商標であること、及び本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に使用されていた事実があったことについては当事者間に争いがない。 2 そこで、本件商標の登録が正当な権利能力を有する者によって登録されたかについて、以下検討する。 答弁書及び審尋に対する平成16年11月24日提出の回答書に添付された乙第1号証及び乙第2号証並びに参考資料1ないし参考資料3によれば、次の事実が認められる。 (1)被請求人は、その代表取締役「渡邊力」を設立発起人代表として「山梨療術業協同組合」を設立し、その事業として「教育情報提供業務:組合員の事業に関する経営及び技術の改善向上または組合員事業に関する知識の普及をはかるための教育及び情報の提供」を行い(参考資料3)、「専門学院日本体全矯正療術学院」及び「日本体全矯正療術学院」は、「山梨療術業協同組合」の指導のもとに施術師の養成を行っていることが認められる(乙第1号証及び乙第2号証並びに参考資料1及び参考資料3)。 (2)「専門学院日本体全矯正療術学院」及び「日本体全矯正療術学院」の理事長/学院長に「有限会社体全矯正整体療術院」の代表取締役「渡邊力」が就任していること(乙第1号証及び乙第2号証並びに参考資料1)。 (3)「有限会社体全矯正整体療術院」、「日本体全矯正療術学院」及び「専門学院日本体全矯正療術学院」の3者は、同一の住所地(富士見市1丁目7番3号)に同一の電話番号(0551-22-1000)を有していること(乙第1号証、乙第2号証及び参考資料2)。 (4)被請求人である「有限会社体全矯正整体療術院」は、「山梨県甲府市酒折三丁目11番5号レヂオンス甲府パート3A棟211に本店を(参考資料1)、「富士見市1丁目7番3号」に営業拠点を有し(参考資料2)、代表取締役を「渡邊力」とし、その住所地を「山梨県甲府市酒折三丁目11番5号レヂオンス甲府パート3A棟211」とする法人であること(参考資料1)。 (5)以上を総合すると、被請求人の住所地の表示については、本店の住所を表示すべきところ、営業拠点の住所を表示したものと認められ、実質的には同一人といえるものであるから、商標登録原簿上の権利者の住所と被請求人の住所が、一致しないことのみをもって、直ちに正当な権利者でないとはいえないというのが相当である。 したがって、法人格を有する「有限会社」である被請求人は、権利能力を有する正当な権利能力を有する者というべきである。 3 通常使用権者について 上記2(1)ないし2(5)よりすると、被請求人は、「日本体全矯正療術学院」及び「専門学院日本体全矯正療術学院」対して、本件商標の使用を許諾(黙諾)していたと推認し得るものであるから、本件商標は、その通常使用権者によって使用されていたというべきである。 また、本件商標の使用についても、被請求人は、役務「整体」に商標「足技」の使用をしていたといえるものである(甲第1号証)。 4 むすび 以上の乙第1号証及び乙第2証並びに参考資料1ないし参考資料3を総合勘案すれば、本件商標は、通常使用権者により、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を取消し請求に係る指定商品・役務中の役務「整体」について使用されていたものとみるのが相当であって、被請求人は、本件商標の取消対象の商品・役務についての使用を立証し得たというべきである。 したがって、本件商標についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-08-17 |
結審通知日 | 2005-08-23 |
審決日 | 2005-09-06 |
出願番号 | 商願平9-104272 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(Z1642)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 岩浅 三彦 |
特許庁審判長 |
野本 登美男 |
特許庁審判官 |
中村 謙三 三澤 惠美子 |
登録日 | 1999-04-23 |
登録番号 | 商標登録第4264584号(T4264584) |
商標の称呼 | アシワザ、ソクギ |
代理人 | 竹下 和夫 |
代理人 | 土橋 博司 |