• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 Y39
審判 一部申立て  登録を維持 Y39
管理番号 1124722 
異議申立番号 異議2004-90725 
総通号数 71 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2005-11-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2004-11-26 
確定日 2005-10-03 
異議申立件数
事件の表示 登録第4805314号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4805314号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第4805314号商標(以下「本件商標」という。)は、「仙台シティ・アクセス」の文字を標準文字として、平成15年11月28日に登録出願、第39類「道路情報の提供,自動車の運転の代行,貨物のこん包,貨物の輸送の媒介,貨物の積卸し,引越の代行,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,寄託を受けた物品の倉庫における保管,他人の携帯品の一時預かり,倉庫の提供,駐車場の提供,係留施設の提供,駐車場の管理,荷役機械器具の貸与,自動車の貸与,車いすの貸与,自転車の貸与,機械式駐車装置の貸与,包装用機械器具の貸与,金庫の貸与,ガソリンステーション用装置(自動車の修理又は整備用のものを除く。)の貸与」を指定役務として、同16年9月24日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立ての理由
1 引用商標
本件商標異議申立人(以下、「申立人」という。)が旅行業・旅行業者代理業について使用しているとして引用した商標は、別掲のとおりの商標(以下、「図形付きCITY ACCESS」という。)のほか、「CITY ACCESS」「シティアクセス」「シティアクセス株式会社」である(これらをまとめて、以下、「引用商標」という。)。
2 異議申立ての理由の要点
本件商標は、商標法第4条第1項第10号又は同第19号に違反して登録されたものであり、指定役務中「貨物の輸送の媒介,主催旅行実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ」について、その登録は取り消されるべきである。
(1)商標法第4条第1項第10号について
申立人は、「旅行業・旅行業者代理業」について「図形付きCITY ACCESS」「CITY ACCESS」「シティアクセス」「シティアクセス株式会社」の名称で平成9年9月頃から営業を開始し現在に至っている。商標「図形付きCITY ACCESS」、「シティアクセス」は、旅行関連役務の商標として本件商標の登録出願前に日本国内において周知となっていた。
また、商標「シティアクセス」、「シティアクセス株式会社」は、利用運送(貨物の輸送の媒介)役務の商標として本件商標の登録出願前に日本国内において周知となっていた。
本件商標は、要部が「シティ・アクセス」にあり、「シティアクセス」の称呼をも生じるものである。引用商標から「シティアクセス」の称呼が生ずること明らかであるから、両商標は類似するものである。類似する両商標を付した「貨物の輸送の媒介,主催旅行実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ」の役務について取引者・需要者に誤認混同されるおそれがあることは明白である。
(2)商標法第4条第1項第19号について
別件商標「SENDAI CITY ACCESS」の使用停止に関する申立人と本件商標権者間の面談の経緯、及び本件商標が面談日の翌々日に指定役務「車両による輸送」を含めて登録出願されている事実からみれば、本件商標は、申立人の親会社の所有に係り申立人らが使用している商標の希釈化をはかる等の不正の目的をもって登録出願されたものである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、前記のとおり、「仙台シティ・アクセス」と表してなるものである。そして、確かに「仙台」の文字が宮城県の行政区画である仙台市を指称する語であることは顕著な事実である。また、「シティ」の文字も「市」を表す外来語として一般に親しまれた語である。さらに、近時、「〇〇市」を「〇〇シティ」と呼称することも普通に行われていることといえる。
そうとすれば、「仙台シティ」の部分は、「仙台」と「シティ」とが一体的に結びついて「仙台市」そのものを表した文字として理解されるとみるのが相当である。そして、本件商標は、この文字部分と「・」(中黒)を介して「アクセス」の文字を結合してなるものというべきであるから、あえて「仙台」の文字部分のみを略し「シティ・アクセス」に限定して、これを本件商標の要部であるとするのは妥当とはいえない。結局、本件商標は、構成文字に相応して「センダイシティアクセス」の称呼のみを生じ、単に「シティアクセス」の称呼を生ずるものではないというのが相当というべきである。
してみれば、本件商標と「シティアクセス」の称呼を生ずる引用商標とは、称呼上で相紛れるものということはできない。
ほかに、外観あるいは観念において、本件商標と引用商標とが相紛らわしいものともいえない。
そうすると、本件商標は、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、引用商標に類似する商標とはいえない。
なお、甲各号証によれば、引用商標が相当程度に当該役務について使用されていることは認められが、その使用実績を考慮しても、前記のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標と判断されるものであって、当該判断を左右しないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものとは認められない。
2 商標法第4条第1項第19号について
甲第25号証及び同第26号証によれば、申立人と本件商標権者との間で、別件商標「SENDAI CITY ACCESS」に関して平成15年11月26日に面談がもたれたこと、そして、商標権者から申立人に宛てて侵害とは考えていない旨の回答がなされたことが認められる。
しかし、本件商標の登録出願日が前記面談日の翌々日であったとしても、引用商標とは類似しないとの認識にたっての本件商標の登録出願と推定し得るものでもあるから、引用商標の希釈化不正の目的をもった登録出願であると断ずることはできない。加えて、両商標は、前記のとおり、非類似の商標と判断されるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものとは認められない。
(3)以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議申立てに係る指定役務について、商標法第4条第1項第10号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持されるべきものである。
よって、同結論のとおり決定する。
別掲 別掲(「図形付きCITY ACCESS」)


(色彩については原本参照)
異議決定日 2005-09-13 
出願番号 商願2003-105782(T2003-105782) 
審決分類 T 1 652・ 25- Y (Y39)
T 1 652・ 222- Y (Y39)
最終処分 維持  
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 三澤 惠美子
中村 謙三
登録日 2004-09-24 
登録番号 商標登録第4805314号(T4805314) 
権利者 株式会社丸山運送
商標の称呼 センダイシティアクセス、シティアクセス 
代理人 川浪 薫 
代理人 森 正澄 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ