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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y33 審判 全部申立て 登録を維持 Y33 |
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管理番号 | 1124706 |
異議申立番号 | 異議2004-90252 |
総通号数 | 71 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2005-11-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2004-04-30 |
確定日 | 2005-10-11 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4744714号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4744714号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4744714号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成15年6月11日に登録出願、「銘酒、サンライズ雲海」の文字を横書きしてなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同16年1月30日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録第4208026号商標(以下、「引用商標」という。)は、平成9年1月13日に登録出願、「SUNRISE」の欧文字と「サンライズ」の片仮名文字とを二段に併記してなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同10年11月6日に設定登録されたものである。 3 登録異議の申立ての理由の要旨 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標中の「銘酒」は、銘柄の良い酒を意味する語として酒類の誇称表示として通常採択使用されており、本件指定商品との関係において自他商品識別機能を有しないというべきである。しかして、後半部の「サンライズ雲海」の文字は、前半が片仮名文字で、後半が漢字と文字の種類が相違し、外観上分離して認識されるばかりでなく、全体が一つの語として知られているものでもない。しかも、その全体を称呼するときは、「サンライズウンカイ」の9音にも及ぶ冗長なものであるから、本件商標は、「サンライズ」の称呼と「日の出」の観念を生ずる。 そうすると、本件商標と引用商標は、「サンライズ」の称呼と、「日の出」の観念において類似するものであり、両者の指定商品も同一又は類似するものである。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、1883年にマイポヴァレーに設立され、チリ国最大のワイナリーであって、南米最高峰のプレミアムワイナリーとして知られている。そして、申立人の最高級ワイン「ドン・メルーチョ」は、ワインスペクター誌から世界のトップ12にランキングされ、豪華客船クイーンエリザベス2世号(数字2は、ローマ数字で表されている。)のワインリストにも載せられ、カベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネは、欧米のホテル・レストランで広く品質を認められている(甲第4号証の4及び甲第10号証)。 申立人が商品ワインに使用する商標「SUNRISE」(以下、「使用商標」という。)は、世界各国において登録され(甲第9号証)、我が国においては、メルシャン株式会社により継続して輸入、販売されてきたところであり、その結果、遅くとも本件商標の登録出願時(平成15年6月11日)には既に取引者、需要者の間に広く認識されるに至った(甲第3号証ないし甲第7号証及び甲第10号証)。そして、ワインなどの酒類の需要者は、特別に専門的知識を有しない一般大衆であって、商品を購入するに際して払われる注意力はさほど高いものではない。 本件商標は、「銘酒、サンライズ雲海」の文字よりなるものであって、「サンライズ」の称呼及び「日の出」の観念を生ずるものであること、申立人の使用商標の周知性、並びに両商標の取引者、需要者の共通性及びその注意力に照らせば、本件商標がその指定商品「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」に使用されたときは、簡易迅速を重んずる取引の実際においては、本件商標の構成中の「サンライズ」の文字部分がこれに接する取引者、需要者に特別な文字として記憶されるというべきである。 そうすると、取引者、需要者は、本件商標「銘酒、サンライズ雲海」から、商標「SUNRISE」を使用する申立人またはこれと緊密な関係にある営業主の業務に係る商品であることを連想、想起させて、その商品の出所について混同を生じさせるものであり、ひいては、本件商標の登録が、申立人の使用商標のもつ顧客吸引力へのただ乗りやその希釈化を招来するものといわなければならない。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 (3)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、上記のとおり、「銘酒、サンライズ雲海」の文字よりなるところ、その構成中の「銘酒」の文字(語)は、「銘柄のよい清酒」(広辞苑 第5版第1刷1998年11月11日 株式会社岩波書店発行)の意味を有するから、本願商標の指定商品との関係においては自他商品の識別標識として機能し得ないといえるものである。「サンライズ」は、「日の出」を意味する英語「sunrise」の表音を表示するものである(コンサイス外来語辞典 1987年4月1日第4版 株式会社三省堂)。「雲海」は「雲がはるかに横たわっている海原、山頂・飛行機などから見下ろした時に海のように見える雲」(広辞苑 第5版第1刷1998年11月11日 株式会社岩波書店発行)の意味を有する語である。 しかしながら、本件商標を構成する各文字それぞれが上記の意味を有するとしても、これらを結合した「サンライズ雲海」は、「サンライズ」と「雲海」が、片仮名と漢字で表されているとしても、同じ大きさで全体がまとまりよく、軽重の差を有することなく表されているものである。 そうすると、これよりは、「サンライズ」の文字と「雲海」の文字のどちらかが、特に看者の注意を強く引くという格別の事情を見出すこができないから「サンライズウンカイ」の一連の称呼のみを生ずる造語というのが相当である。 これに対し、引用商標は、上記のとおり、「SUNRISE」「サンライズ」を二段書きしてなるものであるから、「日の出」の意味と「サンライズ」の称呼を生じ、日常一般に使用されている語であって、申立人の創造商標ということはできない。 そして、本件商標より「サンライズ」の文字部分が、独立して自他商品の識別標識として機能し得ないことは前記のとおりであるから、両商標は「サンライズウンカイ」と「サンライズ」の称呼において後半部分の「ウンカイ」の音の有無の差により区別できるものである。 加えて、本件商標は、特定の観念を生じない造語であるるのに対し、引用商標は、「日の出」の観念を有するから、両者は観念上比較することができないものであり、また、外観においても、それぞれの構成からみて区別できるものである。 そして、両商標は、他に類似するところがない。 してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれにおいても相まぎれるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人が、使用商標を「ワイン」に使用している事実は、甲各号証によって認め得ることができる。 しかしながら、例え、本件商標が申立人のものとして周知となっていたとしても、本件商標と引用商標が別異の商標であることは前記(1)のとおりであるから、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標を直ちに連想または想起するようなことはないというべきであって、申立人又は申立人と関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがないというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。 (3)したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2005-09-20 |
出願番号 | 商願2003-48081(T2003-48081) |
審決分類 |
T
1
651・
26-
Y
(Y33)
T 1 651・ 271- Y (Y33) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 小川 敏 |
特許庁審判長 |
野本 登美男 |
特許庁審判官 |
三澤 惠美子 中村 謙三 |
登録日 | 2004-01-30 |
登録番号 | 商標登録第4744714号(T4744714) |
権利者 | 富士登山観光株式会社 |
商標の称呼 | メーシュサンライズウンカイ、サンライズウンカイ、サンライズ、ウンカイ |
代理人 | 蔵合 正博 |
代理人 | 廣田 米男 |
代理人 | 酒井 一 |
代理人 | 杉村 興作 |
代理人 | 末野 徳郎 |