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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z16 |
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管理番号 | 1124625 |
審判番号 | 取消2004-31084 |
総通号数 | 71 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2005-11-25 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2004-08-20 |
確定日 | 2005-10-06 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4300082号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4300082号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、着色した各文字の色彩を異にする「NORiS」の文字を大きく横書きし、その下段に小さく「CLUB」の文字を併記した構成からなり、平成10年6月3日に登録出願、第16類「紙類,印刷物,文房具類,製図用具,絵の具箱」を指定商品として平成11年7月30日に設定登録されたものである。 2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品中の「文房具類」の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べた。 本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが指定商品中の「文房具類」について使用していないものであり、その不使用状態は現在も継続している。 また、本件商標を使用していないことについて正当な理由もないと思慮されるものであるから、商標法第50条第1項によって、本件商標の登録は、取消しを免れない。 3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)被請求人は、1835年ドイツのニュールンベルグにおける鉛筆製造工場設立に始まる近代文具製造の歴史を刻み、19世紀中ごろからは、世界各地への輸出を積極的に展開してきたものであり、被請求人とその文具は、世界各国の需要者の間で広く認識され、高い評価と信頼を得て今日に至っている。 日本においても、20世紀の幕開けとともに、被請求人の製造に係る文具の輸入販売が定着してきているが、1974年に被請求人の日本現地法人であるステッドラー日本株式会社(以下「ステッドラー日本」という。)を設立し、以後は、同社が被請求人の製造に係る製図・設計・デザイン用品、オーブンクレイ、プロッタサプライ用品、一般筆記具、インクジェットインクの輸出入販売及び国内卸売業務を行っている。 被請求人商品は、ステッドラー日本からの円滑な商品供給によって、日本国内の多数の店舗で広く小売販売されているが、その中でも、特に幅広い種類の商品を常備し、深い商品知識を備えた小売店舗「マルスショップ」(全国70店舗)を整備・支援することにより、充実し安定した小売販売体制で日本国内の需要者に商品と情報を提供し、日本の国内マーケットにおいても、需要者一般の広い認識と高い評価を獲得している。 (2)本件商標は、被請求人の日本現地法人であり、通常使用権者であるステッドラー日本が日本国内で販売する被請求人製造商品(本件商標の指定商品中の「文房具類」 に属する筆記具である「鉛筆(色鉛筆)」や「グラフィック用のドライセーフカラーペン」)に継続的に使用している。 よって、被請求人は、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者によって、指定商品中の「文房具類」に属する筆記具である商品「鉛筆(色鉛筆)」 や「グラフィック用のドライセーフカラーペン」に使用された事実の一部を証明する。 すなわち、通常使用権者(ステッドラー日本)は、本件商標の内容をなす標章を商品「鉛筆(色鉛筆)」及びその包装に付すことにより(乙第1号証、乙第2号証の1ないし3)、また、商品「鉛筆(色鉛筆)」及びその包装に本件商標の内容をなす標章を付したものを譲渡することにより、本件商標をその指定商品に使用しており、その譲渡の時期は、本件審判請求の登録前3年以内である平成15年1月10日及び同年12月16日である(乙第1号証、乙第6号証の1及び2並びに乙第7号証の1及び2)。 さらに、通常使用権者(ステッドラー日本)は、商品「鉛筆(色鉛筆)」及び「グラフィック用のドライセーフカラーペン」に関する広告である商品カタログ「ステッドラー総合カタログ(2004/2005)」に本件商標の内容をなす標章を付して頒布することにより、本件商標をその指定商品に使用しており、同カタログに標章を付した時期と頒布した時期は、本件審判請求の登録前3年以内である平成15年12月10日及び同月20日である(乙第1号証及び乙第3号証ないし乙第5号証)。 (3)以上に証明したとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者によって指定商品中の「文房具類」に属する筆記具である「鉛筆(色鉛筆)」及び「グラフィック用のドライセーフカラーペン」に使用されていたものにほかならず、商標法第50条第2項に規定する商標登録の取消しの要件に該当するところは、いささかも存在しない。そのことのみならず、本件商標の使用に関しては、先に説明した「マルスショップ」 をはじめとする多数の小売店舗店頭において、また、通常使用権者のホームページに掲載された内容によって、何人もが極めて容易に確認できる状況にある。そうであるにもかかわらず、本件審判請求を受け、少なからず、負担を余儀なくされた被請求人としては、請求人の意図に関して強い疑念を抱かざるを得ない。 (4)以上、詳述したとおり、本件商標は、商標法第50条第2項に規定された商標登録の取消要件に該当するところはない。 4 当審の判断 被請求人提出の乙第1号証ないし乙第7号証(枝番号を含む。)によれば、本件商標は、本件審判請求の登録(平成16年9月8日)前3年以内に日本国内において、通常使用権者によって、その取消請求に係る指定商品「文房具類」に属する筆記具中の商品「鉛筆(色鉛筆)、グラフィック用のドライセーフカラーペン」について使用されていたものと認められる。 一方、請求人は、上記3の答弁に対し、何ら弁駁していない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本件商標 ![]() 注:色彩については、原本を参照されたい。 |
審理終結日 | 2005-08-01 |
結審通知日 | 2005-08-04 |
審決日 | 2005-08-22 |
出願番号 | 商願平10-46040 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(Z16)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
大場 義則 |
特許庁審判官 |
鈴木 新五 柳原 雪身 |
登録日 | 1999-07-30 |
登録番号 | 商標登録第4300082号(T4300082) |
商標の称呼 | ノリスクラブ、ノリス、ノーリス、クラブ |
代理人 | 江崎 光史 |