ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y091541 |
---|---|
管理番号 | 1124394 |
審判番号 | 不服2003-16860 |
総通号数 | 71 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2005-11-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-09-01 |
確定日 | 2005-09-12 |
事件の表示 | 商願2002- 98368拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「DIGITAL MUSIC BOOK」の文字を標準文字で書してなり、平成14年11月20日に登録出願、指定商品については当審において、同15年9月1日付け手続補正書により、第9類「電子出版物」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、本願商標は以下の(1)及び(2)の拒絶の理由に該当すると認定判断し、本願を拒絶したものである。 (1)本願商標は、「デジタル音楽に関する本」等の意味合いを認識させる「DIGITAL MUSIC BOOK」の欧文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これを本願の指定商品中「電子出版物」に使用した場合には、上記意味合いを認識するに止まり、単に商品の品質(内容)を表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記内容以外の「電子出版物」に使用したときには、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあり、商標法第4条第1項第16号に該当する。 (2)本願商標は、登録第3121549号、登録第3192410号及び登録第4454376号の各商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品(指定役務)と同一又は類似の商品(役務)について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 3 当審の判断 本願商標は、前記のとおり「DIGITAL MUSIC BOOK」の文字よりなるところ、映画やテレビドラマに使用される音楽あるいはCD音楽アルバムなどでは、通常の楽器などのアナログ音源と異なり、コンピュータとMIDIなどのデジタル音源を使用した楽曲が使用されることが少なくない実情にあり、これらは「デジタルミュージック」、「デジタル音楽」といわれているところである。そして、2000年7月には(社)音楽電子事業協会、日本経済新聞社主催、経済産業省(当時:通商産業省)、文化庁後援により「デジタルミュージック・フェア MIDI WORLD2000」が東京ビックサイトで開催され、該フェアには、請求人(出願人)を始めローランド株式会社、株式会社コルグ、松下電器産業株式会社等が出展しており、また、「デジタルミュージックコース」を設置した専門学校も存在する事実が認められる(例えば、学校法人立志舎グループ「専門学校日本スクールオブビジネス21」)。 以上からすると、音楽に関連する業界においては、本件商標中の「DIGITAL MUSIC」あるいは「デジタルミュージック(デジタル音楽)」の各語は、「アナログミュージック(アナログ音楽)」と対峙する表現として広く使用され定着しているということができる。 そうとすれば、本願指定商品の第9類「電子出版物」が、印刷物である書籍などの本を電子化したものということができることからすると、本願商標がその指定商品に使用された場合、これに接した取引者、需要者は、該商品を「デジタルミュージック(デジタル音楽)に関する本」、すなわち「デジタルミュージック(デジタル音楽)に関する本を電子化したもの」と容易に認識するものと判断するのが相当である。 請求人(出願人)は、各種辞典類をみても「DIGITAL MUSIC BOOK」なる特定の用語や熟語は掲載されていないことから、「DIGITAL MUSIC BOOK」それ自体で特定の意味観念を備えた語、なかんずく原審認定のように「デジタル音楽に関する本」を表すものとして認識されている事実など存しない、そもそも「BOOK」とは「本、書籍」指し示す用語であり、「電子出版物」の品質等を少なくとも直接に表示するものではないことは明らかである旨主張する。 確かに、請求人(出願人)の提出に係る資料など辞書類には「DIGITAL MUSIC BOOK」という一連の語では掲載されていない。しかしながら、上述のように、「DIGITAL MUSIC」「デジタルミュージック(デジタル音楽)」の語が音楽に関連する業界において広く使用され定着しているものと認められ、また、「BOOK」の語と「電子出版物」との関連性を勘案すれば、本願商標に接した取引者、需要者が上述のように認識するに止まるといわざるを得ないから、請求人(出願人)の主張は、上記判断を左右するものではない。 そうとすれば、本願商標は、その指定商品中「デジタルミュージック(デジタル音楽)を内容とする電子出版物」について使用するときは、その品質(内容)を表示するに止まるものであり、上記以外の商品について使用するときは、商品の品質(内容)について誤認を生ずるおそれがあるといわなければならない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-06-28 |
結審通知日 | 2005-07-01 |
審決日 | 2005-07-25 |
出願番号 | 商願2002-98368(T2002-98368) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(Y091541)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大井手 正雄 |
特許庁審判長 |
柴田 昭夫 |
特許庁審判官 |
小川 有三 富田 領一郎 |
商標の称呼 | デジタルミュージックブック、ミュージックブック、ブック |
代理人 | 海津 保三 |
代理人 | 平山 一幸 |