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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y18
審判 全部申立て  登録を維持 Y18
管理番号 1123336 
異議申立番号 異議2004-90264 
総通号数 70 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2005-10-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2004-05-10 
確定日 2005-08-24 
異議申立件数
事件の表示 登録第4746753号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4746753号商標の登録を維持する。
理由 1.本件商標
本件登録第4746753号商標(以下「本件商標」という。)は、平成15年7月3日に登録出願、後掲(1)のとおりの構成よりなり、第18類「かばん類,折かばん,肩掛けかばん,書類入れかばん,スーツケース,手提げかばん,トランク,ハンドバック,ボストンバック,リュックサック,袋物,財布(貴金属製のものを除く。),パス入れ,名刺入れ,携帯用化粧道具入れ,原皮,なめし皮」を指定商品として、同16年2月6日に設定登録されたものである。

2.登録異議申立の理由(要点)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するから、その登録は取り消されるべきものであると申し立てた。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、昭和60年3月2日に登録出願された後掲(2)のとおりの構成よりなり、第21類「布製、革製または合成皮革製かばん、その他のかばん類、袋物」を指定商品として、平成9年6月27日に設定登録された登録第4019102号商標(以下「引用商標」という。)と類似するものであり、また、両者の指定商品は同一又は類似するものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人が所有する「ORIENT EXPRESS」の商標は世界的に著名である。そして、引用商標は日本において申立人の取り扱いにかかる商品かばん等その他の商品に広く使用されているものであって、その構成中に「ORIENT-EXPRESS」の文字を有するものであるから、これと類似する本件商標がかばん等の商品に使用された場合、これと接する取引者、需要者は申立人の業務に係る商品であると認識し、その出所について混同を生ずるおそれがある。

3.当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、後掲(1)のとおり、横長方形状枠内に疾走する蒸気機関車及び煙突から排出した如くに長くなびかせ一部に欧字形を包含した煙とから構成されてなるところ、その太線で描いた煙の欧字形部分は、俄に読み取れるとはいえないまでも、煙突から排出された冒頭の文字は、欧文字「P」又は「O」のいずれともいえる字形であり、順次「r」「i」「e」「n」、間隔をもって「p」「r」「e」「s」「s」と描いてなるとみて差し支えない。そして、当該欧字形部分が独立して自他商品識別標識として機能することを前提にしてみれば、「Prien press」又は「Orien press」の欧文字綴りにより取引に資され、各文字全体としては特定の観念を想起できないが、その綴りに相応して「プリエンプレス」又は「オリエンプレス」の称呼を生じるものといえる。
他方、引用商標は、後掲(2)のとおりの構成よりなるから、その構成中に大きく書された「ORIENT-EXPRESS」の文字部分から、「オリエント急行」の観念及び「オリエントエキスプレス」の称呼が生じるものである。
そこで、「プリエンプレス」又は「オリエンプレス」の称呼と「オリエントエキスプレス」の称呼とを比較するに、両者はその構成音及び音数において著しい相違があり彼此聞き誤るおそれはない。そして、特定の意味合いを生じない「Prien press」又は「Orien press」と、オリエント急行の意味合いを想起する「ORIENT-EXPRESS」とは、それぞれのスペースとハイフンを除きみても、前者が10字であるのに対し後者は13字であって、その綴り及び意味合いから相互に想起し合うものといえないものである。
そうすると、本件商標構成中の煙を図案化した文字部分を「Orien press」とした上でこれより「オリエンプレス」の称呼を生ずるとし、これと引用商標構成中の「ORIENT EXPRESS」より生ずる「オリエントエキスプレス」の称呼とは類似するとの申立人の主張は、上述のとおり称呼上区別できるものというべきであるから採用できない。その他、両商標のかかる構成からして両者が類似するとの点は見出せない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれにおいても区別し得る非類似の商標というべきである。
なお、申立人は、商標権者が通信販売雑誌を利用して販売している商品(かばん類・袋物)及びその広告には「orient」と「express」の文字が煙図形中に書され、さらに列車図形の下に「ORIENT EXPRESS」と書されているのが実情である(甲第5号証)。本件商標の商標権者が使用している商標は本件商標とは異なる旨主張しているが、仮に、そうであるとしても、登録異議の申立ての理由としては埒外の主張であり、また、本件商標と引用商標との類比判断にあっては、本件商標にあっては願書に記載された構成によらざるを得ないから、その係る証拠を参照することはできない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
「ORIENT EXPRESS」(オリエント急行)は、幾つかのオリエント急行の中でも、我が国では特にパリからイスタンブールまで運行する鉄道の名称ないしは超豪華列車の名称としてよく知られていることは認められる。しかし、申立人提出に係る甲第6号証及び甲第7号証(枝番号含む。)からは、「VENICE SIMPLON ORIENT EXPRESS」又はその略称である「VSOE」としての使用を認め得るとしても、これ以上に「ORIENT EXPRESS」(オリエントエキスプレス)の文字自体が独立して、申立人に係る商標としてカバン類などに使用され我が国の需要者間に広く認識されているものとまでは直ちに認められないばかりでなく、上述(1)のとおり、本件商標構成中にあっては当該欧字形部分から「ORIENT EXPRESS」を想起し得ない別異のものであるといえる。
そうすると、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれのないものといわなければならない。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも該当する商標ということはできない。
よって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
別掲 <後掲>
(1)本件商標




(2)引用商標


異議決定日 2005-08-08 
出願番号 商願2003-55588(T2003-55588) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Y18)
T 1 651・ 26- Y (Y18)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小川 きみえ 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 三澤 惠美子
高野 義三
登録日 2004-02-06 
登録番号 商標登録第4746753号(T4746753) 
権利者 株式会社スターマックス
商標の称呼 オリエンプレス、プリエンプレス 
代理人 尾原 静夫 
代理人 井上 義雄 
代理人 中島 宣彦 
代理人 真田 雄造 

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