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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない Y12
審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y12
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y12
管理番号 1123192 
審判番号 不服2003-20247 
総通号数 70 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-10-16 
確定日 2005-08-31 
事件の表示 商願2002-85290拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「e」の文字と「4WD」の文字をハイフンを介して、「e-4WD」と書してなり、第12類に属する願書記載の商品を指定商品として平成14年10月8日に登録出願され、その後、指定商品については、当審において同15年12月22日付け手続補正書をもって、第12類「荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),軸,軸受,軸継ぎ手,ベアリング,動力伝導装置,緩衝器,ばね,制動装置,落下傘,乗物用盗難警報器,車いす,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),エアクッション艇,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」と補正されたものである。

第2 原査定における拒絶理由の要点
原査定は、本願商標は、商品の記号・符号として一般に用いられるアルファベットの1字である「e」の文字と、「四輪駆動」の意味で使われる「4WD」の文字とをハイフンを介して表してなるから、このようなものを本願指定商品中「四輪駆動の自動車」に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
本願商標の指定商品との関係において、自動車の機構やその部品等についてみるに、自動車の駆動方式は、その使用目的によりエンジンの配置と駆動輪の選択(FF・FR・RR方式)が行われ、また、一方では、駆動動力源(モーター駆動・ハイブリッド駆動・油圧ポンプと油圧モーターによる駆動)によっても、エンジンの配置と駆動輪の選択が行われている実情が認められるところである(自動車情報辞典2004年「大車林」株式会社三栄書房第262頁)。
そして、本願商標は「e-4WD」の文字よりなるところ、本願指定商品中、「動力伝導装置」との関係では、該文字は「前輪・後輪への動力伝導を、電子制御により必要に応じて4WD(四輪駆動装置の略語)へと切り替える」等を意味する語であることが、下記のインターネットのウエブサイト上でも、確認し得るところである。
(1)「日産『マーチe-4WD』発売---電気モーターで後輪も駆動する4WD」との表示の下、「e-4WDは、コンパクトな4WDシステムで、前輪駆動(ガソリンエンジン)をベースに後輪をモーターで駆動させ、必要な時だけ4WDとして作動する。エンジンに取り付けた発電機を制御しながら、後輪をモーターで駆動させる。車体後部に搭載された小型モーターで後輪を駆動させるため、従来の4WDに必要だったプロペラシャフト、トランスファーが不要となり、室内スペースを犠牲にすることなく4WD化を実現した。」との表示(http://www.response.jp/issue/2002/0905/article19442_1.html)。
(2)「プリウスのシステムとはひと味違う4WDハイブリッド・システム」との表示の下、「プリウスとエスティマのシステムはちょっと違う。いちばん大きな違いは、e-4WDシステムという、リヤ駆動用の減速機一体型モーターが搭載されていること。前輪のスリップを感知すると、フロントモーターが発電機となってエンジン出力を吸収。前後トルクを最適制御し4WDへと切り替える。」との表示(http://www.goo-net.com/car_info/usedcar_topics/078/04.html)。
(3)「『マツダデミオ』に使いやすい電動4WD車を追加」との表示の下、「『マツダデミオ』e-4WDは、専用ジェネレータで発電し後輪をモーターで駆動する、日常での使いやすさを重視したコンパクトな4WDシステムを採用し、1.3リットル車と1.5リットル車の両方に設定した。電子制御により、滑りやすい路面での発進など必要な時に後輪を駆動することで、雪道に慣れていないドライバーでもスムーズな走行を可能としている。」との表示(http://www.mazda.co.jp/publicity/release/200311/1127.html)。
してみれば、本願商標をその指定商品中「動力伝導装置」について使用しても、これに接する取引者・需要者は、前記実情より「前輪・後輪への動力伝導を、電子制御により必要に応じて4WDへと切り替えることのできる動力伝導装置」程度を理解・認識するに止まり、本願商標は自他商品識別標識としての機能を果たし得ないもと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し登録することができない。
なお、原査定は、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当するとして拒絶したものであるが、本願商標は上記のとおり自他商品識別標識としての機能を果たし得ない商標であり、この点についての判断の内容において原査定と相違するものでないから、結局、原査定は妥当なものであって取り消すことはできない。
また、請求人は補正により指定商品中に「四輪駆動の自動車」を含む「自動車並びにそれらの部品及び付属品」が含まれないものとなったので、原審の拒絶の理由は解消した旨主張しているが、本件指定商品中には、いまだ「動力伝導装置」が含まれているから、同人の主張を採用することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-06-29 
結審通知日 2005-07-04 
審決日 2005-07-20 
出願番号 商願2002-85290(T2002-85290) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (Y12)
T 1 8・ 262- Z (Y12)
T 1 8・ 272- Z (Y12)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 慶子 
特許庁審判長 佐藤 正雄
特許庁審判官 宮川 久成
福島 昇
商標の称呼 イイヨンダブリュウデイ、エヨンダブリュウデイ、ヨンダブリュウデイ 
代理人 市川 利光 
代理人 小栗 昌平 

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