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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y06 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y06 |
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管理番号 | 1123043 |
審判番号 | 不服2003-10542 |
総通号数 | 70 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2005-10-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-06-10 |
確定日 | 2005-08-19 |
事件の表示 | 商願2002-67085拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「ニューファインスチール」の文字を横書きしてなり、第6類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成14年8月7日に登録出願、その後、指定商品については、当審において平成15年6月10日付け手続補正書により、第6類「金属製屋根材」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 これに対し、原査定は、「本願商標は、『新しい品質の優れた鋼』の意味合いを容易に認識させる英語『new fine steel』の表音である『ニューファインスチール』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これを本願指定商品中、『鋼』に使用するときは、単にその商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、前記のとおり「ニューファインスチール」の文字を書してなるものであるところ、「ニュー」の文字は、「新しい」等、「ファイン」の文字は、「立派な、すばらしい」等、「スチール」の文字は、その指定商品との関係において、「鋼」をそれぞれ意味する外来語としてよく知られているといえるものである。 そして、例えば、現代用語の基礎知識及び情報・知識imidas2003には「ファインスチール(fine steel)」の語が「一般鋼材にない機能を持った鋼材」あるいは「高付加価値化を追求する先端素材」と記載されており、また、「ファインスチール」の語は、1988年7月17日付け朝日新聞に「これまでの鋼にはなかった機能と高い付加価値を持つ『ファインスチール』は、2000年には鉄鋼材料全体の35%を占め、9兆円の市場規模に達するとの予測を、鉄鋼メーカーを中心に構成する通産省のファインスチール研究会がまとめた。」、1991年6月4日付け日刊工業新聞に「・・・新工場では溶融亜鉛メッキ鋼板や高級冷延鋼板などファインスチールを生産し、同地区の中核企業として地元への貢献を進めていく考え。・・・」、2003年9月3日付け日刊工業新聞に「・・・そのカギを握っているのは『需要の創造』。『ファインスチール普及の息の長い運動に取り組む。高炉メーカーの歩む【鉄鋼復権】の道に乗り遅れないようにしたい』ときっぱり。住宅屋根を軽量で高品質のカラー鋼板で改修しようという活動だが『商売のロットが小さくてコストがかさむので、独特の価格体系があってしかるべきだ』と、価格重視の新市場創造を目指す。」とそれぞれ商品の品質等を表示するものとして使用されていることを認めることができる。 以上のとおり「ファインスチール」の語は、本願商標の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質を表すものとして取引上一般に使用されているものといわざるを得ない。 そうすると、本願商標は、「ニューファインスチール」の文字よりなるものであるから、前記の事情を考慮すれば、これに接する取引者、需要者は、「新しい一般鋼材にない機能を持った鋼材」程の意味合いを容易に理解し、認識するにすぎないものと見るのが相当である。 してみれば、本願商標は、これをその指定商品中「一般鋼材にない機能を持った鋼材よりなる金属製屋根材」に使用しても、商品の品質を表したにすぎないものというべきであり、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得ないものといわざるを得ない。また、前記商品以外の「金属製屋根材」に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。 なお、請求人は、「ファイン」の文字部分が「品質の優れた」の意味ばかりでなく、「元気な、美しい」等の意味を有し、また、「スチール」の文字部分が「盗む、静止した」等の意味を有するものであるから、「ニューファインスチール」の文字からのみでは、取引者及び需要者においては、格別の意味合いを有しない造語であると認識して取引に当たる場合も少なくないと見ることもできる旨主張しているが、本件については、前記認定のとおりであるから、請求人の主張は採用することができない。 したがって、本願商標は、原査定と同様の趣旨により、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、原査定を取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-06-14 |
結審通知日 | 2005-06-17 |
審決日 | 2005-06-28 |
出願番号 | 商願2002-67085(T2002-67085) |
審決分類 |
T
1
8・
272-
Z
(Y06)
T 1 8・ 13- Z (Y06) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 山田 忠司、平澤 芳行 |
特許庁審判長 |
柴田 昭夫 |
特許庁審判官 |
柳原 雪身 鈴木 新五 |
商標の称呼 | ニューファインスチール、ニューファイン、ファインスチール、ファイン |
代理人 | 米屋 武志 |