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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない Y0942
管理番号 1121647 
審判番号 不服2003-10904 
総通号数 69 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-06-12 
確定日 2005-08-04 
事件の表示 商願2002- 47025拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ネットで共有/施工管理編」の文字を書してなり、第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」及び第42類「気象情報の提供,建築物の設計,測量,地質の調査,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,機械器具に関する試験又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,社会保険に関する手続の代理,計測器の貸与,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,理化学機械器具の貸与,製図用具の貸与」を指定商品及び指定役務として、平成14年6月6日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『ネットで共有/施工管理編』と書した構成からなるところ、朝日新聞には、例えば、(1)『住基ネット、市町村担当者6割[不安] 朝日新聞社調査』の見出しのもとに『8月5日の改正住民基本台帳法施行に伴い、市町村が国民全員に11けたの番号(住民票コード)を割り振り、住民の基本情報をほかの市町村や国の行政機関と全国ネットで共有する・・・』(2002.7.14)、(2)『雇用の現状は? 企業側と求職側、ミスマッチ目立つ』の見出しのもとに『・・・これまで各大学に提供されていた採用情報を、インターネットで共有できるようになった。同大就職課のパソコンには学生らが連日詰め掛けている。』(2001.11.11)、(3)『ネットワーク(エコタウン本庄:5)』の見出しのもとに『・・・町田さんの名刺の肩書に[本庄映像発掘隊]とある。地域の変ぼうする自然や環境をデジタルカメラで撮ってデータベース化し、インターネットで共有化するという、デジタルアーカイブ(電子書庫)研究会のメンバーなのだ・・・』(2000.12.16)、(4)『世界の酸性雨測定、ネットでデータ共有 東京の[環境クラブ]試み』の見出しのもとに『世界中で酸性雨を測定し、データをインターネットで共有する試みを、東京都の民間組織、環境クラブが始めた。すでにオーストリア、フィンランド、インドなど約二十カ国からデータが集まり始めた・・・』(2000.8.21)、(5)『カルテをネットで共有 病院用システム開発 三菱電機』の見出しのもとに『三菱電機は病院内をネットワークで結び、患者のカルテや診療情報をやり取りできる病院情報システムを開発し、二十三日から発売する。医師がパソコン画面に患者の状態を記した[電子カルテ]を呼び出し、診察したり、患者に病気を説明できるほか、検査の指示や薬の処方もネットワークを通じてできる。今後、病院のほか、老人保健施設などと連携した地域医療ネットワークに広げていく・・・』(1999.8.19)との記事が掲載されていることから、本願商標の出願前から現在に至るまで、例えば、インターネットにより様々な情報が共有されていることが理解できる。また、日刊工業新聞には、例えば、(1)『大林組、地下現場を4D体感-施工管理システムを開発』の見出しのもとに『大林組は13日、都市部の駅地下など埋設物の施工をコンピューター仮想空間内で視覚的に確認できる施工計画支援システム[4Dバーチャルツアー]を開発したと発表した。3次元コンピューター利用設計(CAD)に時間軸を加えた4次元CADで仮想空間内の工事現場を歩いて回ることが可能で、複雑な状況下でも施工中の工程変更の検討などを空間と時間の拘束から離れて自在に行える。・・・』(2000.9.14)、(2)『熊谷組、大深度地下空間開発の支援ソフトを開発』の見出しのもとに『熊谷組(社長熊谷太一郎氏)は三日、大深度地下空間開発におけるコンピューター総合支援プログラムを開発したと発表した。計画、設計、施工および施工管理の各段階の地盤物性、解析モデル、解析結果などをデータベース化して利用しやすくした・・・』(1989.8.4)との記事が、日本工業新聞には、例えば、『ニュースファイル:オリジナル設計、ソフトをライセンス販売』の見出しのもとに『オリジナル設計は二十五日、自社の下水道設計・施工管理支援システム[OEC-ソフトウエアプログラム]のライセンス販売を開始したと発表した。地方で営業展開している建設コンサルタントや施工業者が対象で、システム価格は二百五十万-一千万円。初年度約二億三千九百万円の販売を見込んでいる。』(1997.8.26)との記事が掲載されていることから、『施工管理』に関するプログラムが開発されていることが理解することができる。そうすると、本願商標をその指定役務中、例えば、『電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供』等について使用しても、これに接する取引者、需要者は、『インターネットで共有できる施工管理に関するプログラム』であると容易に把握し、需要者が何人かの業務にかかる役務であることを認識することができないものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり、「ネットで共有/施工管理編」の文字を書してなるところ、その構成中の「ネット」の文字は、近年のIT(Information Technology)社会において、例えば、「ネットオークション(インターネットでの競売)」、「ネットサーフィン(インターネットの中で泳ぎ回って情報を得ること)」、「ネットバンキング(顧客がインターネットを通じて金融機関のシステムにアクセスし、各種金融サービスの提供を受けること)」のように用いられており(「朝日現代用語 知恵蔵2004」(発行所:朝日新聞社)、「現代用語の基礎知識2004」(発行所:株式会社自由国民社)等)、今やインターネット等の情報ネットワークを利用する行為を表す際の語として一般に広く使用されているのが実情である。
また、同じく、「共有」の文字は、「二人以上が一つの物を共同して所有すること」等の意味を有する語(「広辞苑 第五版」(発行所:株式会社岩波書店))として、一般に広く知られているものである。
さらに、同じく、「施工管理編」の文字は、「施工管理に関する内容をとりまとめたもの」であることを容易に理解させるものである。
してみれば、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成文字全体から「インターネット等の情報ネットワークを利用して二人以上が施工管理に関する内容をとりまとめた一つの物を共同して所有すること」ほどの意味合いを容易に看取、認識するとみるのが相当である。
そして、本願商標の構成中の「ネットで共有」及び「施工管理」の各文字は、例えば、平成10年(1998年)10月5日付け日本工業新聞(23頁)には、「鹿島が新システム インターネット活用 現場情報がすぐわかる」の見出しの下、「鹿島はこのほど、施工管理など、すべての建設現場情報を発注者、設計事務所、監督官庁などとインターネットを通じてリアルタイムで共有できる現場管理システムを構築した。(後略)」との記載があること、同12年(2000年)4月7日付け日経産業新聞(8頁)には、「富士通システムコンストラクション、建設情報ネットで共有、管理システム開発」の見出しの下、「富士通システムコンストラクション(FJSC)は社内や関係会社と建設事業における情報や文書をインターネットを介して共有できる施工管理システムを開発し、自社内で運用を始めた。本社・支社と各建設現場を効率的に結び情報を共有できる。FJSCは同システムをパッケージ化し、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)サービスとして今秋にも外販する計画だ。(後略)」との記載があること、同14年(2002年)11月29日付け日経産業新聞(29頁)には、「プラーナ、施工管理情報共有システム」の見出しの下、「セキュリティー関連ソフト販売などを手掛けるプラーナ(東京、大久保浩正社長、03・5960・6350)は建築・土木工事の施工管理情報を施工会社や納材会社などと共有するシステムの販売を十二月から始める。インターネット上で情報を共有することで連絡や問い合わせなどの手間が省ける。(後略)」との記載があること及び、同16年(2004年)3月26日付け建設通信新聞には、「施工管理情報化で意見交換/国交省IT活用生産研」の見出しの下、「(前略)同研究会は、エクストラネットといったITの活用を促し、現場の生産性向上を高めるのがねらい。報告書は(1)建設産業におけるIT化の概要(2)建設生産のIT化の効用(3)建設生産プロセスのIT化(4)建設現場の情報共有と施工管理の情報化(5)新しい建設生産システムへ-の5章で構成する。第4章の建設現場の情報共有と施工管理の情報化では、中堅・中小企業の中核的な業務である施工の『現場生産システム』に焦点を当て、ITによる業務の改善がもっとも望まれる領域として、施工管理の情報化を求めている。(後略)」との記載があることに照らせば、建設分野における施工管理に関する情報について、前記意味合いに相応する語として、一般に広く用いられていることが認められる。
そうとすると、本願商標は、その構成文字全体をもって「インターネット等の情報ネットワークを利用して二人以上が施工管理に関する内容をとりまとめた一つの物、特に情報を共同して所有すること」の意味合いを容易に看取、認識させるものであり、これをその指定商品及び指定役務中、例えば、「電子応用機械器具及びその部品,電子計算機用プログラムの提供」について使用するときは、取引者、需要者は、その商品又は役務の利用目的を表したものと理解するに止まるものであって、自他商品又は自他役務の識別標識として認識し得ないものであるから、何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標というべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
なお、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、該登録例はいずれも本願商標とその構成、態様を異にするものであって、本件とは事案を異にするものであり、同一に論ずることができないものであるから、該請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-06-07 
結審通知日 2005-06-10 
審決日 2005-06-21 
出願番号 商願2002-47025(T2002-47025) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (Y0942)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 加園 英明 
特許庁審判長 茂木 静代
特許庁審判官 山本 良廣
田中 敬規
商標の称呼 ネットデキョーユーセコーカンリヘン、ネットデキョーユー、セコーカンリヘン 
代理人 外川 英明 

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