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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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取消2012300362 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 041 |
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管理番号 | 1121467 |
審判番号 | 取消2004-30597 |
総通号数 | 69 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2005-09-30 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2004-05-07 |
確定日 | 2005-07-20 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4244752号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4244752号商標(以下「本件商標」という。)は、「21 BEIN」の文字を横書きし、さらに「BEIN」の文字部分の上段に「バイン」の文字を併記した構成からなり、平成9年2月7日に登録出願され、第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として同11年2月26日に設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求の登録は、同16年5月26日にされたものである。 第2 請求人の主張の要点 請求人は、本件商標の登録は指定役務中「身長の伸長に関する知識の教育・訓練,身長の伸長に関する知識の教授,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授,身長の伸長に関する講習会の企画・運営又は開催,図書及び記録の供覧,美術品の展示,運動施設の提供,図書の貸与」について取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1及び第2号証(枝番を含む。)を提出している。 1.請求人が本件商標の指定役務中「身長の伸長に関する知識の教育・訓練,身長の伸長に関する知識の教授,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授,身長の伸長に関する講習会の企画・運営又は開催,図書及び記録の供覧,美術品の展示,運動施設の提供,図書の貸与」について市場を調査したところ、継続して3年以上、これらの指定役務について本件商標が使用された形跡を発見できなかった。 したがって、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが、上記指定役務についての本件商標の使用をしていないから、上記指定役務について本件の商標登録は取消されるべきである。 2.弁駁の理由 (1)被請求人は、被請求人、専用使用権者又は通常使用権者が本件商標を指定役務について使用していることを証明していない。 被請求人は、株式会社アイケーエム(以下「アイケーエム」という。)が本件商標の通常使用権者であるとしているが、通常使用権者であることを証明する書類を提出していないし、「ジャパンプリモ」がアイケーエムの健康食品などの美容・健康用品部門の名称であることについても証明していない。 (2)乙号証について 被請求人は乙第1ないし第4号証を提出しているが、これらの書証と被請求人との関係は明らかではない。 仮に、これらの証拠が本件商標についての通常使用権者の作成に係るものであったとしても、本件商標がその指定役務について使用されたものと認めることはできない。 とりわけ、乙第3及び第4号証については、広告主体が不明であり、誰が何について商標の使用をしているのかを把握することができない。 被請求人は、アイケーエムが通常実施権者であって、その一部門のジャパンプリモが本件商標を指定役務について使用していると主張すると共に乙号証を提出しているので、請求人は、以下に乙号証に対する意見を開陳する。 (3)ジャパンプリモの業務 被請求人が乙第2号証として提出している証拠は、ジャパンプリモのHPにおけるトップページと商品申込ページのみであるが、業務の詳細を明らかにするために、請求人はこれらの中間部分を含めてジャパンプリモのHPの抜粋を甲第1号証として提出する。 このHPによると、ジャパンプリモは、多種多様な美容・健康用品を販売していることが理解できるものの、それら以外の業務を行っていることを窺い知らしめるものは何一つ存在していない。 ジャパンプリモは、上記商品を販売するに際し、「○○○会」を存在させ、当該会が商品に関する説明や使用方法の指導を行う手法を採用している。 例えば、「プロージャ式痩身会」、「リメラμ式透白の会」(甲第1号証の2参照)、「メタジーム式筋肉体重増大の会」、「ニューシュノン式シワ若返りの会」、「ダンデス式ニキビ消滅の会」(甲第1号証の3参照)、「バスティーナ式豊胸の会」(甲第1号証の4参照)などがこれに該当する。 また、商標「バイン/21BEIN」については、「21・BEIN式長身術の会」を存在させている(乙第1号証参照)。 ジャパンプリモは、その販売する商品をテキスト付きのものとして販売し、商品に添付されたテキストを使用して商品の内容や商品に関する知識を説明したり商品の使い方を指導しているのであるから、商品の内容や商品に関する知識を説明したり商品の使い方を指導する行為は、商品の販売に付随したものと言わざるを得ず、それ自身独立した業務ないし役務として位置づけることはできない。 (4)商品「21・BEIN」について この商品は、「栄養補助食品-21・BEIN(バイン)」・「運動器具-21・BEIN LEGLL(レッグル)」・「21・BEIN大伸長指導テキスト」の組み合わせである(乙第1、第2号証及び甲第1号証の4参照)。いわゆるセット商品であり、商品の購入申込が「21・BEIN式長身術の会」の入会と連動したものとなっている。甲第1号証の5及び乙第2号証を参酌しても、商品の申込は受け付けられるものの、会への入会申込については何ら記載されていない。 乙第3及び第4号証の広告主体は明らかではないが、ここにもセット商品としての「21BEIN」が掲載されており、「大伸長」への申込においては「製品名」を記載するようになっていて(中央最下段参照)、その右側には「製品」が宅配便で届けられるとしている。商品単独の購入、あるいは商品を購入せずに「21・BEIN式長身術の会」へ入会する方法については何一つ説明されていないのである。 この商品「21・BEIN」についても同様であり、大伸長の指導(商品と関係する知識の説明を含む)は、あくまでも「栄養補助食品-21・BEIN(バイン)」及び「運動器具-21・BEIN LEGLL(レッグル)」の販売に付随したものであって、それ自身独立した役務として捉えることはできない。 (5)被請求人が使用している商標 被請求人が提出した証拠は、被請求人が別に所有している登録第4219273号商標「バイン\21BEIN」(甲第2号証)の使用であるとするならばいざ知らず、本件商標の使用を証明したものと認めることができないといわなければならない。 そうすると、(a)アイケーエムが本件商標について通常実施権を有し、(b)ジャパンプリモがアイケーエムの健康食品などの美容・健康用品部門であり、さらに(c)乙第3及び第4号証の広告の主体がジャパンプリモであることが証明されたとしも、本件商標がその指定役務について使用されたとすることはできない。 (6)まとめ 以上のように、被請求人の提出に係る乙号証を参酌しても、本件商標がその指定役務について使用されたことが証明されていないから、本件商標の登録は取り消されてしかるべきである。 第3 被請求人の答弁の要点 被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第6号証(枝番を含む。)を提出している。 1.請求人は、本件審判請求を行うに際して利害関係を有していることを明らかにしておらず、本件審判請求は違法である。 2.本件商標が本件審判請求に係る指定役務に関して現在も継続して使用中であることを証明するために、乙第1ないし第4号証を提出する。 なお、乙各号証に示されている本件商標の使用者は、本件商標権に係る通常使用権者である。すなわち、通常使用権者はアイケーエム(東京都品川区東五反田一丁目6番11号、代表取締役 鴻江健治)であり(乙第6号証参照)、その健康食品等の美容・健康用品部門である「ジャパンプリモ」(営業所:東京都大田区仲池上2-22-1、乙第5号証参照)が使用している。 (1)乙第1号証:上記ジャパンプリモ発行に係る「21・BEIN式長身術の会、21・BEIN/バイン長身術セット、大伸長指導テキスト」 本号証の表紙部分、第1頁及び第4頁に本件商標が明確に表示されており、また、第2頁の「目次」に「身長の伸長に関する知識の教育・訓練、身長の伸長に関する知識の教授」を内容とする役務が示されている。 (2)乙第2号証:上記ジャパンプリモのホームページ(2004年7月29日付け画像写) 本号証により、上記乙第1号証のテキストが現在使用中であることは明確である。 (3)乙第3号証:平成15年10月1日ワニブックス社発行「COOL No.96」抜粋写し(表表紙写を乙第3号証の1、広告掲載頁を乙第3号証の2、裏表紙を乙第3号証の3として提出する。) 本号証の2には、本件商標と共に「身長の伸長に関する知識の教育・訓練」を内容とする役務が示されている。 (4)乙第4号証:2003年11月1日日本文化出版株式会社発行「HOOP11」抜粋写(表表紙写を乙第4号証の1、広告掲載頁を乙第4号証の2、裏表紙を乙第4号証の3として提出する。) 本号証の2には、本件商標が明確に表示されており、また、「身長の伸長に関する知識の教育・訓練,身長の伸長に関する知識の教授」を内容とする役務が示されている。 第4 当審の判断 1.被請求人は、請求人は本件審判請求についての利害関係を有していない旨主張するが、商標法第50条第1項の規定に基づく商標登録の取消しの審判は何人も請求することができることは、同条項の規定から明らかであり、また、本件審判の請求は被請求人を害することを目的としているものとも認められないから、被請求人の主張は採用することができない。 2.被請求人は、本件審判請求に係る役務について本件商標を使用している旨主張し証拠を提出しているので、その証拠について検討する。 (1)乙第1号証は、本件商標に係る通常使用権者と認められる「アイケーエム」の健康食品等の美容・健康用品部門である「ジャパンプリモ」が発行した冊子と認められるところ、その表紙には「21・BEIN長身術セット」(「BEIN」の文字上部に「バイン」の文字が振り仮名風に小さく併記されている。)の文字が大きく横書きされ、その右上の四角形中に「21・BEIN式長身術の会」の文字がやや小さく横書きされ、さらにこれらの下に「大伸長指導テキスト」の文字が横書きされている。その内容をみると、その2頁には、「21・BEIN(バイン)長身術を始める皆さんへ」と題し、「あなたの伸長に関する疑問や質問にお答えするために、私たちは、マンツーマン体制を設けました。本書29ページ付属の『指導相談券』や17ページからの『長伸レポート』を郵送してくだされば、『21・BEIN式長身術の会』プロの指導員が丁寧にあなたの疑問にお答えします。」と記述されると共に、3頁以降に伸長に関する説明がされ、さらに需要者が切り取って記入できるようになっている「伸長生活記録表」、「『21・BEIN(バイン)長身術』長伸レポート」及び「指導相談券」が付されている。 以上からすると、ジャパンプリモは、上記冊子を用いて「21・BEIN(バイン)長身術」と称する身長の伸長に関する知識の教育ないしは指導を行っているものとみて差し支えないというべきである。 (2)乙第3号証の2及び乙第4号証の2は、雑誌に掲載された広告の写しと認められるところ、該広告中には「骨がある限り伸びる『21・BEIN(バイン)長身術』セット」として栄養補助食品である「21・BEIN(バイン)」及び運動器具である「21・BEIN LEGLL(レッグル)」と共に、上記冊子「21・BEIN大伸長指導テキスト」が記載されている。そして、これら雑誌は、いずれも本件審判の請求の登録前3年以内の期間である平成15年10月又は2003(平成15)年6月に発行されたものであることが明らかである。 (3)上記(1)の冊子の発行年月日は明らかでないが、上記(2)の広告内容からすれば、該広告が掲載された当時において、該冊子が発行され使用されていたことは容易に推認することができる。 (4)上記(1)のとおり、上記冊子には、その表紙に「21・BEIN長身術セット」(「BEIN」の文字上部に「バイン」の文字が振り仮名風に小さく併記されている。)の文字が大きく表されているほか、随所に「21・BEIN(バイン)長身術」の文字が表示されている。 しかして、本件商標の指定役務である「身長の伸長に関する知識の教育・訓練,身長の伸長に関する知識の教授,身長の伸長に関する講習会の企画・運営又は開催」との関係からすれば、上記「21・BEIN長身術セット」又は「21・BEIN(バイン)長身術」の表示中の「長身術」の文字は、役務の内容を表すものであって、自他役務の識別力がないか極めて弱いものであるから、自他役務の識別標識としての機能は「21・BEIN(バイン)」の文字部分にあるというべきである。そして、この「21・BEIN(バイン)」の表示は、本件商標と社会通念上同一といい得るものである。 (5)以上を総合勘案すると、本件商標は、請求に係る指定役務中の「身長の伸長に関する知識の教育・訓練,身長の伸長に関する知識の教授」について、通常使用権者によって、本件審判請求の登録前3年以内に使用されていたものといわざるを得ない。 3.請求人は、大伸長の指導(商品と関係する知識の説明を含む)はあくまでも「栄養補助食品-21・BEIN(バイン)」及び「運動器具-21・BEIN LEGLL(レッグル)」の販売に付随したものであって、それ自身独立した役務として捉えることはできないと主張する。 確かに、ジャパンプリモは栄養補助食品及び運動器具と上記冊子とを組合せたセットものとして販売しているが、上記2.(1)のとおり、上記冊子には身長の伸長に関する記述がされ、指導を行う旨明記され、「伸長生活記録表」、「『21・BEIN(バイン)長身術』長伸レポート」及び「指導相談券」により需要者に応対することになっていることからすれば、身長の伸長に関する指導という役務が、商品との組合せということのみをもって、直ちに商品の販売に付随するものと断定することはできない。 また、請求人は、乙第3及び第4号証の雑誌広告は広告主体が不明である旨主張するが、当該広告の掲載頁の下部には「大伸長へのお申込み方法」としてジャパンプリモの住所及びそのインターネットのホームページのアドレスが表示されており、ジャパンプリモによって広告されていることが明らかである。 したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。 4.以上のとおり、本件商標は、請求に係る指定役務中の「身長の伸長に関する知識の教育・訓練,身長の伸長に関する知識の教授」について、通常使用権者によって、本件審判請求の登録前3年以内に我が国において使用されていたものというべきであるから、商標法第50条第1項の規定によりその登録を取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-05-23 |
結審通知日 | 2005-05-27 |
審決日 | 2005-06-08 |
出願番号 | 商願平9-12789 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(041)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大島 護 |
特許庁審判長 |
涌井 幸一 |
特許庁審判官 |
富田 領一郎 小川 有三 |
登録日 | 1999-02-26 |
登録番号 | 商標登録第4244752号(T4244752) |
商標の称呼 | ニイチバイン、バイン、ベイン |
代理人 | 坂口 信昭 |
代理人 | 肥田 正法 |