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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 217 |
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管理番号 | 1119836 |
審判番号 | 取消2004-30915 |
総通号数 | 68 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2005-08-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2004-07-15 |
確定日 | 2005-05-25 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第469481号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第469481号商標の指定商品中「圧力センサー,温度センサー及び磁気センサーからなる機械及び原動機用空気制御装置並びにこれらの類似商品」については、その登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第469481号商標(以下「本件商標」という。)は、「マクス」の片仮名文字を横書きしてなり、第17類「製本機、紙綴機、その他本類に属する商品、但しライタ、及びその類似商品を除く」を指定商品として、昭和29年8月13日に登録出願、同30年8月23日に設定登録されたものであるが、その指定商品中の「石油タンク内部のスラッジ、アスファルトその他の石油製品運搬用貨車のスラッジ、石油製品運搬用はしけ・タンカー・その他の石油製品運搬用船舶のスラッジ、工業用スラッジ槽のスラッジ、その他のスラッジを抽出・液化・分離処理により除去・洗浄するためのトレーラー型スラッジ洗浄装置及びその附属品、並びにこれらの類似商品」についての登録は、平成8年10月28日付けの審決により取り消され、その確定の登録が同9年3月11日にされている。また、その余の指定商品についての登録は、現に有効に存続しているものである。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁並びに審尋に対する回答を要旨次のように述べ、参考資料1ないし3を提出した。 1 請求理由 本件商標は、その指定商品中「圧力センサー、温度センサー及び磁気センサーからなる機械及び原動機用空気制御装置並びにこれらの類似商品」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても使用された事実がない。 よって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中上記商品についての登録を取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)被請求人は、使用に係る商標「マックス」(以下「使用商標1」という。)及び同「MAX」(以下「使用商標2」という。)は、本件商標と類似関係にあるので、本件商標の使用に当たる旨主張する。 しかし、使用商標1及び2の使用は、本件商標の使用には当たらないものである。 商標法第50条第1項括弧書きには、取消審判における社会通念上同ーと認められる登録商標について、「平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標」であると明文化している。 したがって、称呼が類似する商標を使用していても、登録商標の使用として認めないということである。 また、特許庁偏「工業所有権法逐条解説[第16版]」(社団法人発明協会発行、発行日2001年8月20日)の商標法第50条の「趣旨」には、「登録商標に類似する商標の使用をしても本項の適用(取消の適用)を免れることはできない。」と明記されている。 被請求人は、本件商標の称呼は「マクス」であり、使用商標1及び2の称呼は「マックス」である(類似である)と主張するが、これは、使用に係る商標が本件商標とは同一称呼ではないと自ら認めていることになる。 (2)以上のことから、被請求人は、登録商標の使用事実を立証していないことは明らかである。 3 審尋に対する回答 本件請求に係る指定商品中の「圧力センサー、温度センサー及び磁気センサーからなる機械及び原動機用空気制御装置」は、参考資料1ないし3に示すとおり、圧力センサー、温度センサー及び磁気センサー(これらを併せて「センサーユニット」という。)からなるもので、主として、バイクや自動車等の陸上の乗物用に使用されるものであるが、これらに限定されることなく、例えば、芝刈り機等の他の動力機械器具にも使用が可能である。 具体的には、バイク等のスロットルボディーと一体となって使用され、エンジンへの吸入空気量を制御するために使用されるものである。ただし、スロットルボディーと常に一体となって使用されるものではなく、センサーユニットとスロットルボディーとが別々に配置されて使用される場合もある。 また、このセンサーユニットは、それ自体独立した商品として販売されるものであるが、スロットルボディー等と一体となって販売される場合もある。 なお、本商品は、一般ユーザーが、カー用品販売店等で購入して各自で取り付けるものというよりも、主にバイクや自動車等のメーカー向けに販売されるものである。 第3 被請求人の主張 被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証の1ないし乙第6号証の2を提出した。(なお、乙号証について、乙第2号証の6の後に、乙第4号証の1ないし5と表示し、さらにその次に乙第4号証の1及び2と表示されているが、乙第2号証の6の後の乙第4号証の1ないし5は、「乙第3号証の1ないし5」とする。) 1 使用の事実 本件請求に係る指定商品が具体的にどのような商品であるのか不明であり、本件商標の指定商品の指定商品中に含まれるものであるか否か判別することができない。そこで、本件請求に係る指定商品を推測し、以下のとおり、使用の事実を立証する。 (1)被請求人の取扱いに係る「減圧弁取出圧力計を備えた空気圧縮機」のカタログの1枚目(乙第1号証の1)の左上には、「マックス スーパーエア・コンプレッサ」と、また、同右上及び機械本体の前面には、「MAX」と表示されている。このカタログは、2枚目の右下に「K7229AN T0306」と記載され、そのうちの「T0306」が2003年6月に印刷されたことを示している。 (2)被請求人の取扱いに係る「マックス レーザ墨出器・レーザ距離計」のカタログの1枚目(乙第2号証の1)の左上には、「マックス レーザ墨出器・レーザ距離計」と、また、機械本体の前面及び側面には、「MAX」と表示されている。このカタログは、6枚目(乙第2号証の6)の右下に「K7332AN T0401」と記載され、そのうちの「T0401」が2004年1月に印刷されたことを示している。 (3)「Good Desingn Award」のインターネットのホームページ(乙第3号証の1ないし5)には、2000年から2003年までの受賞対象名やブランドが掲載されており、乙第1号証及び乙第2号証の商品が掲載されている。そして、これらの販売・実施開始時期も掲載されており、3年以内に日本で販売されていたことがわかる。乙第4号証の1及び2は、乙第3号証に示した商品の平成13年度及び2003年度の受賞証書である。 2 使用商標 (1)使用商標1について 本件商標と使用商標1との相違は、第2音目に当たる促音「ッ」の有無のみのである。両者は、共に3音と短いことから、また促音「ッ」が先頭の「マ」の母音に吸収されて聞こえにくくなってしまうことから、促音「ッ」の有無の差は、称呼する上で微細なものとなり、そのため、本件商標と使用商標1は、類似する称呼の商標であるものと思料する。 (2)使用商標2について 使用商標2は、詳述するまでもなく、本件商標と称呼上類似するものである。さらに、本件商標と使用商標2が類似することの証拠として、本件商標の登録原簿(乙第5号証の1及び2)を提示する。乙第5号証の2の「連合商標登録番号記録部」欄には、商標登録第578081号(乙第6号証)が記載された後、二重線で削除されているが、これは、本件商標と連合関係にあったもので、いずれも、乙第1号証の1から乙第4号証で使用している使用商標2と同一であり、指定商品についても同一のものである。 (3)以上から、本件商標と使用商標1及び2は、同一あるいは類似する商標である。 第4 当審の判断 1 本件請求に係る指定商品について 審尋に対する回答によれば、本件請求に係る指定商品中の「圧力センサー、温度センサー及び磁気センサーからなる機械及び原動機用空気制御装置」は、主として、自動車等の陸上用乗物若しくは動力機械器具において、エンジンへの吸入空気量を制御するためのスロットルボディに取り付けて、吸入空気の温度等を検知するセンサーと認められるから、動力機械器具の部品及び付属品ないし機械要素の一つであると考えるのが相当である。 2 使用に係る商品について (1)乙第1号証の1ないし乙第4号証の2及び答弁の理由によれば、以下の事実が認められる。 (ア)乙第1号証の1及び2(カタログ)には、「エア・コンプレッサ」(減圧弁取出圧力計を備えた空気圧縮機)、及びその関連商品と認められる「ホース、ホースドラム、エア・タンク、エアダスタ」が掲載されている。 (イ)乙第2号証の1ないし6(カタログ)には、「レーザ墨出器・レーザ距離計」、及び「レーザ墨出器」の関連商品と認められる「三脚アダプタ、ACアダプタ、レーザ用メガネ、単3アルカリ乾電池、レーザ受光器、携帯用ケース、エレベータ三脚」等(乙第2号証の2ないし5)、「レーザ距離計」の関連商品と認められる「ホルスターケース、ハンドストラップ、レーザメガネ、ターゲットプレート、望遠鏡式ファインダー、外付気泡水準器、アダプタープレート」(乙第2号証の6)が掲載されている。 (ウ)乙第3号証の1ないし乙第4号証の2は、上記「エア・コンプレッサー」及び「レーザ墨出器」に関するインターネット情報及びグッドデザイン賞(平成13年度及び2003年度)の受賞証書と認められる。 (2)上記(1)で認定した事実によれば、使用に係る商品のうち、「エア・コンプレッサ」及びその専用の付属品は、「風水力機械器具」の範疇に属するものと認められる。また、「レーザ墨出器」、「レーザ距離計」及びその専用の付属品は、その用途、目的等からみて、「測定機械器具」の範疇に属するものと認められる。(ただし、「ホース」、「電池」など汎用性のある商品については、「風水力機械器具」ないし「測定機械器具」の範疇に属しないものと認められる。) 3 してみると、被請求人は、請求に係る指定商品に含まれない「風水力機械器具」及び「測定機械器具」の範疇に属する「エア・コンプレッサ」、「レーザ墨出器」及び「レーザ距離計」並びにこれらの専用の付属品についての使用の事実を立証したものといわざるを得ない。なお、上記「ホース」、「電池」など汎用性のある商品が請求に係る指定商品の範疇に属しない商品であることはいうまでもない。 審判長は、被請求人に対し、請求に係る指定商品の内容について、請求人にした審尋の回答書(副本)を送付(平成17年1月13日発送)し、期間を指定して、上記回答書に対する答弁を求めたが、相当の期間が経過するも、被請求人からは、何らの答弁も得られなかった。 4 以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成16年8月4日)前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていたことを証明し得なかったものといわざるを得ない。また、被請求人は、請求に係る指定商品について、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標の登録は、その指定商品中の「圧力センサー、温度センサー及び磁気センサーからなる機械及び原動機用空気制御装置並びにこれらの類似商品」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-03-25 |
結審通知日 | 2005-03-30 |
審決日 | 2005-04-13 |
出願番号 | 商願昭29-19803 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(217)
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最終処分 | 成立 |
特許庁審判長 |
茂木 静代 |
特許庁審判官 |
津金 純子 内山 進 |
登録日 | 1955-08-23 |
登録番号 | 商標登録第469481号(T469481) |
商標の称呼 | 1=マクス |
代理人 | 八嶋 敬市 |