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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z30
管理番号 1119797 
審判番号 不服2002-24640 
総通号数 68 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-12-20 
確定日 2005-07-06 
事件の表示 商願2001- 45593拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「CHUAO」の文字(標準文字による)を書してなり、第30類「コーヒー及びココア,代用コーヒー,チョコレート,その他の菓子及びパン,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,即席菓子のもと」を指定商品として、平成13年5月21日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『CHUAO』の文字を書してなるが、該文字は、ベネズエラ国に所在する良質なカカオの原産地名として知られるものであるので、これを本願指定商品中、カカオを使用してなる商品に使用しても、単に商品の原料の生産地名を表示したものとして認識されるにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、「CHUAO」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、該「CHUAO」の文字及びその読みを表したものと認められる「チュアオ」の文字は、例えば、株式会社チョコヴィック・ジャパンのホームページの「OCUMARE」の項目(http://www.chocovic.co.jp/html/ocmare.html)中に、「『超特級品』クリオーロ種のカカオは、最も希少な、チョコレート・シェフたちが最後にたどりつく究極の品種といわれます。(中略)文献によれば、ベネズエラ産のカカオ・ビーンズがスペインに船積みされたのは1634年に遡ります。以来、ヴェネズエラは世界でも『特級品』のカカオ・ビーンズの産出国の一つとして、確かな地歩を築いてきたのです。(中略)ヴェネズエラでは、古くから続く大変美しい農園が伝説的な栽培地である“チュアオ”、“オクマーレ”、“コロニ”に見られます。」との記載があること、Z International社のホームページの「Don Veitia ココア製品」の項目(http://www.donveitia.com/jp/Cocoa-products_donveitia.htm)中に、「世界のベストチョコレートは、より良い芳香とアロマの感触を加えるために常にベネズエラのカカオ豆に頼っています。しかし、ベネズエラのカカオが伝統的に世界市場であまり利用可能ではないため、主な会社でこの評判高い生の素材を100%使用してチョコレートを作っているところはありません。これが Don Veitia チョコレートの重要な特徴なのです。Don Veitia チョコレートは100%ベネズエラのカカオを使用してチョコレートを作っており、チョコレート鑑定家にとって大変魅力的なものとなっております。ベネズエラのチョコレートは世界で一流として知られています。チョコレート鑑定家は、このようなことを言いました。『ベネズエラの小さな町チュアオはココアのホームだ。特別すぎて伝説にまでなってしまった。これはチョコレートの世界の聖杯だ。』」との記載があること、株式会社ブレインの運営に係るサイト「LOVE Italy」(http://www.love-italy.net/main.html)の「Il cioccolato,e meraviglioso」の項目(「m」の文字の前に位置する「e」の文字には、アクサン・グラーヴが付されている。)中に、「(前略)これはトスカーナ州はピサに本社を置く、AMEDEI社のチョコレート、CHUAO。CHUAOとは聞き慣れない名前かもしれないが、チョコレート業者にとってはサンクチュアリともいうべき場所からとった名前である。ベネズエラ海岸からほど近い所にあるこの地はカカオ豆の産地で、街じゅうに甘く香ばしいカカオの香りが漂うという。(後略)」との記載があることに照らせば、「CHUAO」がベネズエラに存する地名であり、かつ、良質なカカオ豆の古くからの産地として広く知られていることが認められる。
してみれば、「CHUAO」の文字からなる本願商標をその指定商品中、例えば、チョコレートやココア等、カカオを使用してなる商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、商品の原料の産地名を表す語として理解、認識するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、地名辞典に「CHUAO」の地名が掲載されておらず、しかも、「CHUAO」がベネズエラの僻地の寒村であって、かつ、それについての資料も限られていることから、国内の平均的な知識水準の需要者においては、「CHUAO」がカカオの原産地であることは全く知られておらず、商品の原料の産地表示として機能し得ない旨並びに、カカオを原料とするチョコレート、ココア等は、一般消費者向けの商品であることから、カカオの原産地として認識されるには大量のカカオが産出、送り出されなければならないが、ベネズエラの僻地の寒村である「CHUAO」から、原産地として認識される程の大量のカカオが生産され、送り出されることは物理的に見て不可能であり、将来的にも「CHUAO」がカカオの原産地として認識される可能性は皆無といえる旨主張しているが、本願商標「CHUAO」の文字がベネズエラに存する地名であって、かつ、良質なカカオ豆の古くからの産地として広く知られているものであり、該文字を本願商標の指定商品中、カカオを使用してなる商品(チョコレートやココア等)に使用しても自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないことは、前記のとおりであるから、請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-02-03 
結審通知日 2005-02-08 
審決日 2005-02-21 
出願番号 商願2001-45593(T2001-45593) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Z30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 高山 勝治寺光 幸子清棲 保美 
特許庁審判長 茂木 静代
特許庁審判官 田中 敬規
山本 良廣
商標の称呼 チュアオ 
代理人 田島 壽 
代理人 宇井 正一 
代理人 勝部 哲雄 
代理人 青木 篤 
代理人 石田 敬 

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