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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 Y31
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 Y31
管理番号 1119783 
審判番号 不服2003-19170 
総通号数 68 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-08-27 
確定日 2005-07-20 
事件の表示 商願2002-37865拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第31類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年4月22日に登録出願、その後、指定商品については、当審における平成17年5月23日付けの手続補正書により、第31類「生花の花輪,ホップ,海藻類,野菜,糖料作物,果実,コプラ,麦芽,あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,飼料用たんぱく,飼料,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,やしの葉」に補正されたものである。

2 原査定における拒絶理由の要点
(1)本願商標は、その構成中に「ういろう」及び「外郎」の文字を有してなるから、これをその指定商品に使用するときは、その商品が恰も「ういろう」であるかの如く、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)本願商標は、次の登録商標と同一又は類似の商標であって同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
登録第4610536号商標は、「歌舞伎十八番」の漢字を標準文字で表してなり、平成14年2月18日に登録出願、第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆」を指定商品として、同14年10月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
登録第4610537号商標は、「歌舞伎十八番」の漢字を標準文字で表してなり、平成14年2月18日に登録出願、第30類「茶,コーヒー及びココア,調味料(角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめを除く。),香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類」を指定商品として、同14年10月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
登録第4610538号商標は、「歌舞伎十八番」の漢字を標準文字で表してなり、平成14年2月18日に登録出願、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同14年10月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである(これら3件を総括して、以下「引用商標」という。)。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第16号について
本願商標は、別掲のとおり、薄い黄色地を背景に、「ういらう」と思しき文字が書かれた箱を背負った役者を錦絵で描いた歌舞伎の一場面と認められる図形を左側に配し、右側に「ういろう」の平仮名文字を大きい文字で、その左下に「歌舞伎十八番」の文字を小さい文字で、さらにその左下に「外郎」の漢字を「ういろう」の文字と同程度の大きさで、いずれも縦書きで配してなるところ、該構成中「歌舞伎十八番」の文字(語)は、「市川家で代々勤めてきた当り狂言十八番、すなわち助六・矢の根・関羽・不動・象引・毛抜・外郎売(ういろううり)・暫(しばらく)・七つ面・解脱・嫐(うわなり)・蛇柳(じややなぎ)・鳴神・鎌髭・景清・不破・押戻(おしもどし)・勧進帳をいう。」(広辞苑第五版 株式会社岩波書店発行)を意味するものであり、また、「ういろう」及び「外郎」の文字(語)は、「元(げん)の人、礼部員外郎陳宗敬が、応安(1368〜1375)年中、日本に渡来し、博多に住んで創製した薬。菓子の名。米の粉・砂糖・葛粉などを混ぜて蒸したもの。」(広辞苑第五版 株式会社岩波書店発行)を意味するものである。
そして、本願商標の構成中、「ういろう」及び「外郎」の文字部分が、「菓子」の一種である「ういろう」を意味する場合があるとしても、本願商標の構成にあっては、「歌舞伎十八番」の文字と歌舞伎の一場面を表した図形との関係から、「歌舞伎十八番」の一つである「外郎売(ういろううり)」を表したものと認識させるとみるのが自然あって、「ういろう」の平仮名文字部分は、「外郎」の漢字部分の読みを表したものというのが相当である。
そうすると、本願商標は、その文字部分と図形部分とが一体となり、全体をもって「歌舞伎十八番の外郎(売り)印」を表したものと認識、理解されるものであって、構成中の「ういろう」及び「外郎」の文字部分は、商品「菓子」の一種である「ういろう」を表したものとはいえないものであるから、本願商標をその指定商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないものといえる。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本願商標は、前記のとおり、全体として「歌舞伎十八番の外郎(売り)印」を表したものと認識、理解されるものであり、他に、該構成中の「歌舞伎十八番」の文字部分のみを分離、抽出して取引に資するとする特段の事情も見いだせないものであるから、本願商標は、その構成全体より「歌舞伎十八番の外郎売り」の観念及び「カブキジュウハチバンウイロウ」の一連の称呼のみを生じるものであって、単に「カブキジュウハチバン」の称呼は生じないというのが相当である。
そうすると、本願商標より「カブキジュウハチバン」の称呼をも生じるとし、その上で、本願商標が引用商標と類似するとした原査定は妥当でない。
(3)まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶をすべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別 掲
本願商標

(色彩については原本を参照されたい。)
審決日 2005-06-28 
出願番号 商願2002-37865(T2002-37865) 
審決分類 T 1 8・ 272- WY (Y31)
T 1 8・ 262- WY (Y31)
最終処分 成立  
前審関与審査官 鈴木 斎 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 和田 恵美
三澤 惠美子
商標の称呼 ウイロウ、カブキジューハチバンウイロウ、ウイロー、カブキジューハチバン 
代理人 藤井 冨弘 

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