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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 117 |
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管理番号 | 1118417 |
審判番号 | 取消2003-30769 |
総通号数 | 67 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2005-07-29 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2003-06-13 |
確定日 | 2005-06-07 |
事件の表示 | 上記当事者間における登録第2672373号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第2672373号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件登録商標 本件登録第2672373号商標(以下「本件登録商標」という。)は、「THE MONTGOMERY DUFFLE LTD.」の欧文字を横書きしてなり、平成4年3月31日に登録出願され、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品とし、「ザ モントゴメリー ダツフル リミテツド」を商標権者として平成6年6月29日に設定登録されたものである。 その後、当該商標権の権利者は、上記商標権者から順次「ティベット パブリック リミテッド カンパニー」(平成10年5月11日登録)、「パートリッジ イングランド リミテッド」(平成16年6月30日登録)、「モンゴメリー アウトドア リミテッド」(平成16年6月30日登録) に本件の移転がされている。 そして、当該商標権は、平成16年7月6日に存続期間の更新登録がされいる。また、本件審判請求の登録は、平成15年7月9日にされた。 2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。 (1)請求の理由 請求人の調査によれば、本件登録商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないことが判明したので、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。 (2)弁駁の理由 被請求人は、本件登録商標構成中の「DUFFLE」、「THE」及び「LTD.」を省略して、「MONTGOMERY」の文字のみの使用証明らしき請求明細書を提出しているが、「MONTGOMERY」の文字のみの使用が本件登録商標の使用になるとは思料できない。 また、「パートリッジ イングランド リミテッド」が本件登録商標のいかなる権利の譲受者であるかどうか、その権利の内容が不明であり、かつ、SDI株式会社及び伊勢丹株式会社への発注、受注関係の商品内容や名称は特定されていない。 3 被請求人の答弁 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると、答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証(枝番含む。)を提出した。 (1)本件登録商標は、本件取消請求に係る指定商品中の商品「コート」に使用されている。証拠資料として、パートリッジ イングランド リミテッドから日本の販売業者(SDI株式会社、伊勢丹株式会社)へ宛てた請求明細書(2001年ないし2002年度:乙第1号証の1ないし7)を添付する。 本件登録商標は、「THE MONTGOMERY DUFFLE LTD.」であるが「THE」や「LTD.」は附属的部分であり「DUFFLE」はダッフルコートやキャンプ用の毛布などに使う、厚地で両面起毛した紡毛織物の意味であり、商標権者のコートはこのDuffle織物で作られているため、業者間ではDuffleを省略して使用していたため、請求明細書には「MONTGOMERY」のみが示されているものである。 乙第1号証の1ないし7は、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、本件登録商標中の商品「コート」についての使用証拠であり、「パートリッジ イングランド リミテッド」は、2001年12月に本件登録商標を譲り受けている。 4 当審の判断 (1)商標法第50条で規定する「登録商標の使用」には、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生じる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標の使用が含まれるものである。 (2)本件登録商標は、上記のとおり「THE MONTGOMERY DUFFLE LTD.」の文字よりなるところ、同じ書体、同じ大きさで横一連に書してなり、外観において構成文字全体をもって一体的に、かつ、固有の商号を欧文字により表現したものと看取し得るものである。そして、これよりは「ザ モンゴメリー ダッフル リミテッド」の一連の称呼が生ずるものというのが自然である。 (3)被請求人は、本件登録商標の構成中「THE」や「LTD.」は附属的部分であり「DUFFLE」はダッフルコートやキャンプ用の毛布などに使う、厚地で両面起毛した紡毛織物の意味であり、商標権者のコートはこのDuffle織物で作られているため、業者間ではDuffleを省略して使用していたため、請求明細書には「MONTGOMERY」のみが示されているものである旨述べている。 しかし、本件登録商標は、上述のとおり、構成全体をもって固有の商号を表示したものと看取されるものであって、構成中の「THE」「LTD.」及び「DUFFLE」をその要部でない附記的な部分とみなければならないということはできないばかりでなく、「MONTGOMERY」の文字よりは、欧米人の名前等を想起し観念するものであり、「モンゴメリー」の称呼が生じるものである。 (4)そうすると、本件登録商標は、「THE MONTGOMERY DUFFLE LTD.」の欧文字により構成されてなるのに対し、被請求人が使用していると述べる商標は「MONTGOMERY」の欧文字により構成されてなるものであって、両者は、観念、外観及び全体の称呼において、明らかに相違するものであり、また、固有の商号を表示した本件登録商標と単に欧米人の名前等を想起し得るにすぎない「MONTGOMERY」とを社会通念上同一の商標と認めるべき事由は見出せないものである。 (5)したがって、被請求人が本件登録商標を本件取消請求に係る指定商品中の「コート」に使用していた事実を証明する資料として提出した請求明細書とする乙第1号証の1ないしの7の取引書類によって、たとい、本件審判請求の登録前3年以内に、「パートリッジ イングランド リミテッド」を使用権者とみなし、これと日本の企業との間で、商品「コート」の取引がなされたとの事実があったとしても、使用に係る商標において、本件登録商標と同一若しくは社会通念上同一と認められる商標が使用されていない以上、本件登録商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その使用権者により使用していたということはできない。 他に商標権者ないし使用権者が、本件登録商標を請求に係る指定商品について本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用していたものと認め得る証拠は見あたらない。 (6)以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国において、商標権者ないし使用権者が本件登録商標を請求に係る指定商品のいずれかについて使用していることを証明したものとは認めることができない。また、被請求人は、本件登録商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていないから、本件登録商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-01-06 |
結審通知日 | 2005-01-11 |
審決日 | 2005-01-26 |
出願番号 | 商願平4-42280 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Z
(117)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 小宮山 貞夫、佐藤 正雄 |
特許庁審判長 |
田辺 秀三 |
特許庁審判官 |
高野 義三 内山 進 |
登録日 | 1994-06-29 |
登録番号 | 商標登録第2672373号(T2672373) |
商標の称呼 | ザモントゴメリーダッフル、モントゴメリーダッフル |
代理人 | 志賀 正武 |