ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項11号一般他人の登録商標 取り消して登録 021 |
---|---|
管理番号 | 1118374 |
審判番号 | 不服2000-6877 |
総通号数 | 67 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2005-07-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-03-21 |
確定日 | 2005-06-15 |
事件の表示 | 平成7年商標登録願第78626号拒絶査定不服審判事件について、平成15年3月26日にした審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決[平成15年(行ケ)第371号、平成16年2月25日判決言渡]があったので、さらに審理の上、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 本願商標 本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第21類「ランチボックス,その他の食器類(貴金属製のものを除く。),ガラス基礎製品(建築用のものを除く。),なべ類,コーヒー沸かし(電気式又は貴金属製のものを除く。),鉄瓶,やかん,アイスペール,泡立て器,こし器,こしょう入れ,砂糖入れ及び塩振り出し容器(貴金属製のものを除く。),卵立て(貴金属製のものを除く。),ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く。),盆(貴金属製のものを除く。),ようじ入れ(貴金属製のものを除く。),ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜き,大根卸し,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,麺棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。),清掃用具及び洗濯用具,魚ぐし,携帯用アイスボックス,米びつ,食品保存用ガラス瓶,水筒,魔法瓶,家事用手袋,化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。),電気式歯ブラシ,おけ用ブラシ,金ブラシ,管用ブラシ,工業用はけ,船舶ブラシ,ブラシ用豚毛,洋服ブラシ,靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー,ガラス製包装用容器(「ガラス製栓・ガラス製ふた」を除く。),陶磁製包装用容器,ガラス製栓,ガラス製ふた,かいばおけ,家禽用リング,アイロン台,霧吹き,こて台,へら台,愛玩動物用食器,愛玩動物用ブラシ,犬のおしゃぶり,小鳥かご,小鳥用水盤,植木鉢,家庭園芸用の水耕式植物栽培器,じょうろ,家庭用燃え殻ふるい,石炭入れ,紙タオル取出し用金属製箱,靴脱ぎ器,せっけん用ディスペンサー,寝室用簡易便器,トイレットペーパーホルダー,貯金箱(金属製のものを除く。),ねずみ取り器,はえたたき,湯かき棒,浴室用腰掛け,浴室用手おけ,ろうそく消し及びろうそく立て(貴金属製のものを除く。),花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。),風鈴,ガラス製又は磁器製の立て看板,香炉,コッフェル」を指定商品として、平成7年8月2日登録出願されたものである。 第2 原査定の引用商標 原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、次の(a)ないし(e)のとおりである。 (a)登録第1976465号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和58年2月8日登録出願、第19類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同62年8月19日に設定登録されたものである(以下「引用商標1」という。)。 (b)登録第1976466号商標は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和58年2月8日登録出願、第24類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同62年8月19日に設定登録されたものである(以下「引用商標2」という。)。 (c)登録第4190877号商標は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成4年10月29日登録出願、第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同10年9月25日に設定登録されたものである(以下「引用商標3」という。)。 (d)登録第4216416号商標は、別掲(5)のとおりの構成よりなり、平成6年6月24日登録出願、第24類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同10年12月4日に設定登録されたものである(以下「引用商標4」という。)。 (e)登録第4235214号商標は、別掲(6)のとおりの構成よりなり、平成9年11月5日登録出願、第20類及び第24類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同11年1月29日に設定登録されたものである(以下「引用商標5」という。)。 第3 当審の判断 1 本願商標と引用商標1ないし引用商標4との類否について 引用商標1ないし引用商標4は、別掲(2)ないし(5)のとおり、文字と図形とからなる結合商標であるところ、その図形部分と文字部分とは独立して自他商品識別機能を有するものというのが相当である。 (1)本願商標と引用商標1ないし引用商標4の図形部分との類否について (ア)外観について 本願商標は、別掲(1)のとおり、黒いシルエットで表された馬と人の図形からなるものであるところ、その詳細は、右向きの馬の上にポロの競技者が馬の向きとは反対の左方向に体を向け下を見ながら真下にあるポロの玉を、後方から下向きに振り下ろしたマレットで今、まさに打たんとしているところを表したものである。殊に、馬上の競技者が馬の向きと異なる方向を向き、馬の4本の足と下向きのスティック(マレット)が混在し、マレットの前に玉が置かれている点が特徴的である。 他方、引用商標1ないし引用商標4の図形部分は、別掲(2)ないし(5)のとおり、同じく馬と人からなるものであるところ、その詳細は、左向きの馬が両足を蹴り上げた状態で疾駆する状態にあり、馬の上にポロ競技のプレーヤーが馬の向きと同じ方向に体を伸ばしてマレットを右手の上方に高く振り上げたところを表したものである。 両者を対比するに、両者は、プレーヤーがマレットを持って、馬に乗り、正面やや斜め方向から全体を黒色で描いてなる基本的構成態様で一致しているとはいうものの、馬の向きが異なり、馬とこれに騎乗したポロ競技のプレーヤーとの関係が、本願商標においては異なる方向を向きかがみ込んだ姿勢をとっているのに対し、引用商標1ないし引用商標4においては、馬と同一方向に上半身を伸ばしている点、前者においてはマレットを下にある玉に当てるべく、下方に振り下ろした状態にあり、現にマレットの前に玉が置かれているのに対し、後者においてはマレットが右手の上方に高く振り上げた状態にあり、下方に玉は描かれていない点、馬の動きが、前者においては、疾駆していた馬をプレーヤーがマレットで玉を打つべく、制御してやや踏みとどまる姿勢を示しているのに対し、後者においては、馬がまさに疾駆している姿勢を示している点で相違しており、ポロ競技における、人と馬及びマレットという主要な構成要素のすべてにおいて表現態様が相違していて、全体として看者に異なる印象、記憶を生じさせるものというべきである。 してみると、両者は、時と所を異にしてみても、看者が紛らわしいと感ずるほど外観が類似しているとはいい難いものである。 (イ)称呼及び観念について 本願商標の図形と引用商標1ないし引用商標4の図形部分は、その構成から「ポロ競技」ないしその略称である「ポロ」の観念を生ずるものと考えられる。しかし、本願商標は、図形のみからなる商標であり、その図形もポロプレーヤーがポロ競技を行っている状態を切り取り表現したものであり、直感的に一定の称呼を生ずるような構成ではないから、上記図形のみから、「ポロ競技」ないし「ポロ」の称呼まで生ずるものということはできない。また、引用商標1ないし引用商標4も文字部分と一体としてみればともかく、その図形部分のみから上記のような称呼を生ずるとまでいうことはできない。 (ウ)以上よりすれば、本願商標の図形と引用商標1ないし引用商標4の図形部分とは、外観を全体として観察した場合、看者に異なる印象、記憶を生じさせるものであり、「ポロ競技」ないし「ポロ」の称呼を生じるとまではいえないものである。また、両者は「ポロ競技」ないしその略称としての「ポロ」の観念を生じさせるものである点で類似するといえるものの、引用商標1ないし引用商標4がその周知著名性のゆえに、ラルフ・ローレンのデザインに係るファッション関連商品を表示する「ポロ」ないし「POLO」(「Polo」)を想起させるのに対し、本願商標は、通常は,単にラルフ・ローレンとは関係のない単にスポーツとしての「ポロ競技」あるいはその略称である「ポロ」を想起させるにすぎないものと考えられるから、本願商標をその指定商品に使用するとしても、その出所につき誤認混同を生ずるおそれは存在しないというべきである。 2 本願商標と引用商標5について 引用商標5は、本願商標の登録出願の日(平成7年8月2日)より後の平成9年11月5日に登録出願されたものであるから、商標法第4条第1項第11号の「商標登録出願の日前の商標登録出願に係る登録商標」には該当しないものである。 3 以上のとおり、本願商標と引用商標1ないし引用商標4とは、誤認混同のおそれのない非類似の商標であり、本願商標と引用商標5とは、商標法第4条第1項第11号には該当しないものである。 4 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号には該当しないものであるから、これを理由として拒絶した原査定は、妥当でなく、取り消すべきである。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(1)本願商標 別掲(2)引用商標1 別掲(3)引用商標2 別掲(4)引用商標3 別掲(5)引用商標4 別掲(6)引用商標5 |
審理終結日 | 2003-03-11 |
結審通知日 | 2003-03-14 |
審決日 | 2003-03-26 |
出願番号 | 商願平7-78626 |
審決分類 |
T
1
8・
26-
WY
(021)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 小川 敏 |
特許庁審判長 |
野本 登美男 |
特許庁審判官 |
高野 義三 茂木 静代 |
代理人 | 広瀬 文彦 |