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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z05 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z05 審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない Z05 |
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管理番号 | 1118345 |
審判番号 | 不服2000-7963 |
総通号数 | 67 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2005-07-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-05-29 |
確定日 | 2005-05-27 |
事件の表示 | 平成11年商標登録願第35614号拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「ラクトトリペプチド」と「LACTO TRIPEPTIDE」の文字を二段に併記してなり、第5類「薬剤,歯科用材料,医療用腕環,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,失禁用おしめ,人工授精用精液,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,乳児用粉乳,乳糖,はえ取り紙,ばんそうこう,包帯,包帯液,防虫紙,胸当てパッド」を指定商品として、平成11年4月21日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については平成12年8月25日付手続補正書により「薬剤,乳糖」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、『ラクトトリペプチド』『LACTO TRIPEPTIDE』の文字を二段に書してなるが、『ラクト』『LACTO』は『乳、乳酸』等の意の接頭語であり、『トリペプチド』『TRIPEPTIDE』は『アミノ酸3分子からなり、ペプチド基2個を含有する化合物』を意味する化学用語であるので、全体としても『乳酸トリペプチド』の意を表すに止まり、これをその指定商品中、上記化合物を原材料とする商品に使用しても、単に商品の品質、原材料を表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 始めに、本願商標が自他商品の識別標識としての機能を有するか否かについて検討するに、本願商標は、前記したとおりの構成文字よりなるところ、「ラクト」「LACTO」は乳汁や乳酸との関係を表す接頭語であり、「トリペプチド」「TRIPEPTIDE」はアミノ酸3分子からなり、ペプチド基2個を含有する化合物をさす語であるから、その全体は「乳から作られる化合物で3つのアミノ酸がつながったもの」程の意味合いに通じ、一般的には、数多い化学用語のなかの一つを表したとみるを相当とするものであるばかりでなく、当該文字(語)については、厚生労働省の認可を受けた特定保健用食品(いわゆる健康食品)のうち、血圧が高めの人に適する食品について、その保健機能成分(関与成分)名の一として現に使用されているものである。 そして、前記特定保健用食品は、医薬品ではないものの、健康の維持増進や特定の保健の用途に資するという点で、健康の快復、治療を目的とする本願の指定商品とは高い関連性を有するものである。 そうすると、前記した構成文字よりなる本願商標をその指定商品中の前記化合物を含有する商品に使用しても、その商品の主たる成分名を表す語として認識されるに止まるというを相当とし、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認められず、また、前記化合物を含有しない商品に使用した場合には、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。。 次に、請求人は、本願商標について商標法第3条第2項の規定により登録すべきであると主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第31号証を提出しているので、この点について検討する。 請求人提出の各証拠は、甲第1号証が商品パンフレット、甲第2号証が「血圧を下げる特定保健用食品」を議題とする基調講演とパネルディスカッション抄録、甲第3号証ないし甲第31号証が新聞各紙への広告であるところ、そのいずれもが請求人取扱いの特定保健用食品(乳酸菌飲料)に関するものであって、本願の指定商品「薬剤,乳糖」についての使用を的確に証拠立てるものではないし、使用の態様も該食品の商標とみられる「アミールS」の傍に「ラクトトリペプチド効果」と表記されていたり、その広告文中に「『ラクトトリペプチド』を含みます」、「ラクトトリペプチド効果のアミールS」、「高めの血圧に『ラクトトリペプチド』効果」、更には「『ラクトトリペプチド』とは、『カルピス酸乳』に含まれる天然成分で、血液中、血圧上昇を引き起こす酵素の働きを阻害する作用があることが認められています。」などと表記されていて、いずれも自他商品を識別する標識としての機能を果たす態様での使用とは認められず、かえって該食品の含有成分(主な保健機能成分)を示すために当該文字の使用がされているというを相当とするものであって、これを覆すに足りる証拠はない。 してみれば、本願商標は、請求人提出の証拠によっては商標法第3条第2項の規定により、その登録を受けることができるものということはできない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-02-28 |
結審通知日 | 2005-03-18 |
審決日 | 2005-03-28 |
出願番号 | 商願平11-35614 |
審決分類 |
T
1
8・
17-
Z
(Z05)
T 1 8・ 272- Z (Z05) T 1 8・ 13- Z (Z05) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 中田 みよ子、鈴木 幸一 |
特許庁審判長 |
小池 隆 |
特許庁審判官 |
山本 良廣 半田 正人 |
商標の称呼 | ラクトトリペプチド、トリペプチド |
代理人 | 飯田 伸行 |