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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y18
審判 全部申立て  登録を維持 Y18
管理番号 1116686 
異議申立番号 異議2004-90060 
総通号数 66 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2005-06-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2004-01-19 
確定日 2005-04-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第4727664号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4727664号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4727664号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおり「GOLDENBERG」の文字を横書きしてなり、平成15年2月13日に登録出願され、第18類「かばん類,袋物」を指定商品として、平成15年11月21日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成6年4月15日に登録出願され、「BERG」の文字を横書きしてなり、第18類「かばん類,袋物,傘」を指定商品として、平成9年12月5日に設定登録された登録第3364623号商標(以下「引用商標1」という。)、平成6年4月15日に登録出願され、「BERG」及び「ベルグ」の文字を二段に横書きしてなり、第18類「かばん類,袋物,傘」を指定商品として、平成9年12月5日に設定登録された登録第3364622号商標(以下「引用商標2」という。)、平成6年9月28日に登録出願され、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、第18類「かばん類,袋物,傘」を指定商品として、平成10年8月7日に設定登録された登録第3369957号商標(以下「引用商標3」という。)を引用している。
なお、これらをまとめて「引用各商標」ともいう。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「GOLDEN」の語と「BERG」の語とを組み合わせた商標であり、前半の「GOLDEN」の語は、「ゴールデンアワー」、「ゴールデンウィーク」等のように「黄金の、最高の」等の意を表す語として一般によく知られている形容詞で、商品の「品質」を表示する語であり、商標法第3条第1項第3号に該当し、自他商品識別力はない。特許庁における審決例を見ると、「GOLDEN」の語は自他商品識別力はなく、商品の品質を表示するものとされた事実がある(甲第5号証ないし甲第11号証)。
そうとすれば、「BERG」の語の前に「GOLDEN」の語を付加した本件商標の自他商品識別標識としての機能を果たす部分は「BERG」の語であり、「BERG」の語と同等、あるいは極めて類似した語として取り扱われることが多いと考えられる。また、本件商標の称呼において「ゴールデン」の語が省略されて「ベルグ」又は「バーグ」とされることも多いと考えられる。なお、「BERG」の語はドイツ語で「山」の意を表す。
他方、引用各商標は、「BERG」そのもの、あるいは「BERG」又は「Berg」が構成の主要部であるから、これより「ベルグ」又は「バーグ」の称呼、「山」の観念が生じる。
したがって、本件商標と引用各商標は、「ベルグ」又は「バーグ」の称呼、「山」の観念を生ずることは明らかであるから、その称呼、観念において類似の商標である。
そして、本件商標の指定商品と引用各商標の指定商品である「かばん類,袋物」は、同一である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(3)申立人の使用する「BERG」商標について
申立人は、「BERG」の語を主要部とする引用各商標を所有し、使用してきた。引用各商標は、別掲(3)に示すとおりの図形商標(甲第18号証、登録第4135875号商標)と共に採用し、かばん類に使用してきた商標である。なお、この図形商標は「山」をかたどったものであり、引用各商標と共に使用することにより、「BERG」又は「ベルグ」という表示が「山」を取引者・需要者により観念付けることが可能となる。申立人が、かばん類、袋物に引用各商標及び、上記図形商標を使用し、宣伝広告してきた一例を示すと甲第12号証ないし甲第17号証のとおりである。
上記のとおり、申立人は、かばん類、袋物に関する商品に引用各商標及び上記図形商標を付して宣伝広告してきたので、少なくともアウトドアグッズの取引者、需要者間では、引用各商標は、申立人のバッグ、ザック、デイパック等の商標として広く知られているから、本件商標が、その指定商品であるかばん類,袋物に使用されると、取引者、需要者はこれらの商品が申立人が供給する商品であるかのように誤認し、商品の出所について混同するおそれがある。
(4)したがって、本件商標は、引用各商標と称呼及び観念において類似し、かつ、指定商品についても同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、商標法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。

3 当審の判断
本件商標は、別掲(1)に示すとおり「GOLDENBERG」の文字を横書きしてなるところ、この文字は、同じ書体、同じ大きさの文字で一連一体に表されており、そのため、全体がひとまとまりの文字商標として看取され易いものといえる。そして、たとえ、本件商標が、「GOLDEN」と「BERG」の2語を結合したものとの認識がされるとしても、その「GOLDEN」の文字は商品の品質を表示するものとして直ちに認識されるとは認め難く、特段の理由がない限り、むしろ、これら2語を結合して一体とした一種の造語として取引者、需要者に認識され、「ゴールデンベルグ」又は「ゴールデンバーグ」と称呼されるとみるのが相当である。
一方、引用商標1は、「BERG」の文字を横書きしてなり、引用商標2は、「BERG」及び「ベルグ」の文字を二段に横書きしてなり、引用商標3は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなるものであるから、いずれよりも「ベルグ」又は「バーグ」の称呼を生じ、また、BERG(Berg)が「山」を意味するドイツ語であることから、引用各商標は、ドイツ語の「山」という意味を観念させることがあるものといえる。
ところで、申立人は、かばん類、袋物に引用各商標及び別掲(3)に示す図形商標(甲第18号証、登録第4135875号商標)を使用し、宣伝広告してきたので、少なくともアウトドアグッズの取引者、需要者間では、引用各商標は申立人のバッグ、ザック、デイパック等の商標として広く知られている旨主張するので、この点について検討する。
甲第12号証ないし甲第17号証によれば、申立人は、バッグ、ザック、デイパック等の商品について、引用各商標また別掲(3)に示す図形商標を使用してきた事実が認められる。しかし、本件商標中の「BERG」の文字部分から申立人の引用各商標を想起するまでに引用各商標また別掲(3)に示す図形商標が取引者、需要者の間に広く認識されている事実を認めるに足りる証拠資料はないから、申立人の主張は採用できない。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品に使用しても申立人の取扱いに係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるとすべき特段の理由がないものであり、また、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても引用各商標と紛らわしいところはないから、引用各商標とは非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものでない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標



(2)登録第3369957号商標



(3)登録第4135875号商標


異議決定日 2005-03-25 
出願番号 商願2003-15529(T2003-15529) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (Y18)
T 1 651・ 262- Y (Y18)
最終処分 維持  
前審関与審査官 三澤 惠美子有水 玲子 
特許庁審判長 小池 隆
特許庁審判官 鈴木 新五
柴田 昭夫
登録日 2003-11-21 
登録番号 商標登録第4727664号(T4727664) 
権利者 金沢 秀憲
商標の称呼 ゴールデンバーグ、ゴールデンベルグ 

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