• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y29
審判 全部申立て  登録を維持 Y29
審判 全部申立て  登録を維持 Y29
審判 全部申立て  登録を維持 Y29
審判 全部申立て  登録を維持 Y29
管理番号 1113825 
異議申立番号 異議2004-90125 
総通号数 64 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2005-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2004-03-08 
確定日 2005-03-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第4729269号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4729269号商標の登録を維持する。
理由 1.本件商標
本件登録第4729269号商標(以下「本件商標」という。)は、後掲(1)のとおりの構成よりなり、平成13年11月8日に登録出願、第29類「冷凍肉,冷凍えびおよびその他の冷凍した食用魚介類,冷凍した肉製品,冷凍したパン粉をまぶして揚げたえびおよびその他の冷凍した加工水産物」を指定商品として、同15年11月28日に設定登録されたものである。

2.登録異議申立の理由(要点)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、次のとおりの理由により、本件商標の登録は取り消されるべきものである旨申し立てた。
(1)後掲(2)のとおりの構成よりなり、平成4年7月17日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同8年6月28日に設定登録、その後、権利放棄による商標権抹消登録が平成16年8月27日付けでなされている登録第3165056号商標(以下「引用A商標」という。)、後掲(3)のとおり、やや図案化された「BlueWave」の欧文字よりなり、平成4年9月30日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同7年2月28日に設定登録されている登録第3023901号商標(以下「引用B商標」という。)、及び引用B商標と同一の文字構成よりなり、「ホットドッグ」等の商品に使用されている商標(以下「引用C商標」という。)は、オリックス株式会社が所有するプロ野球球団「オリックス・ブルーウエーブ」の略称(愛称)として広く認識されていることから、これらと類似する本件商標をその指定商品に使用された場合には、同球団またはオリックス株式会社若しくは同社の関連する企業の業務に係る商品であるかの如く誤って認識されるおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(2)本件商標は、同球団の著名な略称「BlueWave」を含み、同社の承諾を得ていないものであるから、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものである。
(3)同球団の名称として広く認識されている上記引用各商標と類似する本件商標は、不正の目的をもって出願されたものであり、かつ、「公正な取引」を害するものであるから、商標法第4条第1項第19号及び同第7号に違反して登録されたものである。
(4)引用C商標は、申立人の業務に係る商品「飲食物」を表示するものとして広く認識されており、本件商標と引用C商標は「ブルーウエーブ」の称呼において類似し、かつ、球場内で提供する「飲食物」は、「商品」(加工食品)の販売と考えられるから、本件商標は商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。

3.当審の判断
(1)申立人提出に係る甲各号証及び日常生活でのテレビ、新聞等により知り得るところの情報によれば、「オリックス野球クラブ株式会社」の運営に係るプロ野球球団「オリックス・ブルーウエーブ」は、1988年度にプロ野球球団「阪急ブレーブス」を買収し、翌年に球団名を「オリックス・ブレーブス」として発足し、1991年神戸への本拠地移転を機により変更され、「オリックス」の文字は、その間一貫して使用されており、むしろ、同球団の略称としてより強い周知性を有するのは「オリックス」の略称にあるというべきである。
しかし、後掲(3)と同様のロゴを使用した球団旗、ユニホーム、神戸の球場内売店における飲食物、及び球団グッズに使用していることが認められ、やや図案化された「BlueWave」の欧文字、「オリックス・ブルーウエーブ」ないし「ブルーウエーブ」からは、プロ野球に関してみれば、そのファンはもとより一般世人においても、プロ野球球団名として知られていたものとみて差し支えないものである。
ところで、「BlueWave(ブルーウエーブ)」の使用は、1990年ないし2004年迄の約14年間であって(当該球団は、2004年秋には「大阪近鉄バッファローズ」との球団統合により、新球団名を「オリックス・バファローズ」として2004年12月1日に発足している。)、プロ野球球団を離れてまで、「BlueWave(ブルーウエーブ)」の語が固有の球団名のみを想起し得るものとまでいい難い。むしろ「BlueWave」の語自体は、平易な英単語ないしは外来語化したものの組み合わせであって、熟語的な「青い波」の観念が容易に生ずるものであり、その語が強い創造性を有するということはできない。
そうすると、本件商標の登録出願日ないし登録時にあってみても、プロ野球球団名の略称(愛称)としての「BlueWave(ブルーウエーブ)」の語における認識性が及ぶのは、「野球の興行の企画・運営又は開催」を中心とした役務又は商品(球団グッズ、球場内での飲食物等)の域をでないものとみるのが相当である。
そこで、本件商標をその指定商品に使用した場合、球団名を「オリックス・ブルーウエーブ」とするプロ野球球団又はオリックス株式会社若しくは同社の関連する企業の業務に係る商品であるかの如く誤って認識されるおそれがあるかについて検討するに、本件商標は、後掲(1)のとおり、緑色の楕円外郭線内に白色曲線と青色幾何的形状とで波の様を画出し、その上部を紅色と白く筆記体風の欧文字「BlueWave」とを描いた構成よりなるところ、これに接する需要者はその各構成要素を合わせみて、「青い波」をモチーフにした図形部とその意味合いを容易に想起し得る「BlueWave」の文字とを結合したものとの看取させるものというべきものであり、本件商標の使用商品が「冷凍肉,冷凍えびおよびその他の冷凍した食用魚介類,冷凍した肉製品,冷凍したパン粉をまぶして揚げたえびおよびその他の冷凍した加工水産物」であることからして、直ちに、当該プロ野球球団名の略称(愛称)としての「BlueWave(ブルーウエーブ)」を想起するものといい得ないものである。また、プロ野球球団名の略称(愛称)としての認識性が及ぶのは上記の役務又は商品であって、その需要者、いわゆる野球ファンと、本件商標の使用商品の需要者とは密接な関連性にあると状況は乏しく、これら需要者間において、プロ野球球団名の略称(愛称)としての「BlueWave(ブルーウエーブ)」や引用AないしC商標の認識性が及ぶとはいい難いところである。
したがって、本件商標をその指定商品に使用したとしても、その商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれを断定し得ないから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものとすることはできない。
(2)申立人が述べるように、たとい「BlueWave」が、オリックス株式会社が所有するプロ野球球団「オリックス・ブルーウエーブ」の略称(愛称)として広く認識されているとしても、これがプロ野球球団名の略称(愛称)という以上に、「オリックス」を申立人の著名な略称といえても、本件商標にはこれを含むものとはいえないから、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものとできない。
(3)本件商標は、構成中に「BlueWave」の文字(語)を有するとしてもそれ自体は、平易な英単語による熟語的な「青い波」の観念を生ずるものであり、その文字(語)が強い創造性を有するものでなく、直ちに当該プロ野球球団名の略称(愛称)を想起するものといい得ないものであるばかりでなく、その図形要素と欧文字になる構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるようなものといい得ず、これをその指定商品について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものでもないし、かつ、商標権者が本件商標を採択使用する行為に不正の目的があったものとは認められないから、商標法第4条第1項第7号、同第19号に違反して登録されたものとできない。
(4)本件商標の指定商品は、上記のとおり第29類「冷凍肉,冷凍えびおよびその他の冷凍した食用魚介類,冷凍した肉製品,冷凍したパン粉をまぶして揚げたえびおよびその他の冷凍した加工水産物」であるのに対し、引用C商標にかかる商品は、球場内で提供するホットドック等の「飲食物」とするものであって、両者の商品又は役務間に類似するとの点は認め難く、かつ、申立人提出に係る甲各号証からは、その使用による周知性を認めるには十分なものとできないから、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものとできない。
(5)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号,同第10号,同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではない。
よって、本件商標は商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
別掲 <後掲>
(1)本件商標


(色彩は原本参照)

(2)引用A商標


(色彩は原本参照)

(3)引用B商標及び引用C商標


異議決定日 2005-02-25 
出願番号 商願2001-100289(T2001-100289) 
審決分類 T 1 651・ 23- Y (Y29)
T 1 651・ 25- Y (Y29)
T 1 651・ 22- Y (Y29)
T 1 651・ 271- Y (Y29)
T 1 651・ 222- Y (Y29)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小畑 恵一 
特許庁審判長 田辺 秀三
特許庁審判官 内山 進
高野 義三
登録日 2003-11-28 
登録番号 商標登録第4729269号(T4729269) 
権利者 プレミア フローズン プロダクツ カンパニー リミテッド
商標の称呼 ブルーウエーブ、ウエーブ 
代理人 藤田 健 
代理人 奈良 泰男 
代理人 齋藤 悦子 
代理人 八田 幹雄 
代理人 藤井 敏史 
代理人 広瀬 文彦 
代理人 広瀬 文彦 
代理人 都祭 正則 
代理人 宇谷 勝幸 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ