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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y25 審判 全部申立て 登録を維持 Y25 |
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管理番号 | 1113705 |
異議申立番号 | 異議2004-90033 |
総通号数 | 64 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2005-04-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2004-01-09 |
確定日 | 2005-03-14 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4718005号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4718005号商標の登録を維持する。 |
理由 |
1.本件商標 本件登録第4718005号商標(以下「本件商標」という。)は、平成15年2月7日に登録出願、「ICE BREEZE」の欧文字と「アイス ブリーズ」の片仮名文字とを二段に併記してなり、第25類「被服」を指定商品として、同15年10月10日に設定登録されたものである。 2.登録異議申立の理由 異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである、と申し立てた。 (1)商標法第4条第1項第11号について 申立人が、本件商標と共通の称呼「アイス」を生じるものであるとして、その理由に引用した登録商標は、以下の(a)及び(b)に示したものである。 (a)登録第2114372号商標(以下「引用A商標」という。)は、長楕円形の中に「ICEBERG」の欧文字を横書きしてなり、昭和59年7月6日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く。)布製身回品(他の類に属するものを除く。)寝具類(寝台を除く。)」を指定商品として、平成1年2月21日に設定登録されたものである。 (b)登録第2288662号商標(以下「引用B商標」という。)は、「ICE」の欧文字を横書きしてなり、1987年1月21日イタリア共和国の商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、昭和62年6月9日に登録出願、第17類「被服」を指定商品として、平成2年12月26日に設定登録されたものである。 指定商品については、平成14年2月27日の書換登録により、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」に書き換えされた。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人は、イタリア国において繊維製品産業の最大手企業の一つであって、その系列会社であるオランダ国に本社を有する「セミンヴェスト インヴェストメンツ ビー ヴィー」(以下両者を「申立人ら」という。)と共に、それらの各種製品の商標として「ICE」及び「ICEBERG」の各商標を採用し、申立人は、欧文字「ICE」を各商品の商標の統一ロゴとして採用し、その宣伝に努めてきた現在においては、当該「ICE」商標又はこの欧文字を包含する商標は、申立人の業務に係るものとして広く知られているといえるものである。そうしてみるならば、本件商標の構成は、申立人の業務に係る著名なロゴである「ICE」の文字を有してなるものであるから、これをその各指定商品について使用するときは、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 3.当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、「ICE BREEZE」と「アイス ブリーズ」の文字よりなるところ、構成前半の「ICE」「アイス」の文字(語)は、「氷」の意味合いを有する英単語ないし外来語として広く知られ用いられる語であり、構成後半の「BREEZE」「ブリーズ」の文字(語)も「微風、そよ風」の意味合いを有する英単語ないし外来語としてよく知られる語とみて差し支えないものといえる。そして、構成各文字はそれぞれにまとまりよく構成されており、かかる意味より「氷のそよ風」程の一連の観念を無理なく理解するものであって、これより生ずる「アイスブリーズ」の称呼も格別冗長というべきものでなく、淀みなく一連に称呼し得るものであるから、本件商標よりは、各構成文字をそれぞれ一体的に把握し、これに相応して「氷のそよ風」程の観念と「アイスブリーズ」の称呼を生ずるものというのが自然である。 他方、引用A商標は長楕円形の中に「ICEBERG」の文字を横書きした構成よりなるところ、構成中の「ICEBERG」の語は、「氷山」の意味合いを有する語として我が国において比較的よく知られる英単語であるから、その構成文字に相応して、かかる観念と「アイスバーグ」の称呼を生ずるものである。 また、引用B商標は、「ICE」の文字を横書きした構成よりなるところ、「氷」の意味合いを有する英単語ないし外来語として日常的に用いられる語であるから、その構成文字に相応して「アイス」(氷)の称呼及び観念を生ずるものである。 そうすると、上述のとおり本件商標よりは、単に「アイス」の称呼を生ずるものといえないから、これを前提に本件商標と引用A及びB商標とが称呼上類似するとの申立人の主張は採用できず、かつ、本件商標より生ずる「アイスブリーズ」の称呼と、引用A及びB商標より生ずる「アイスバーグ」及び「アイス」の称呼とを比較するに、前者は後半部における「ブリーズ」と「バーグ」の音の明確な差違、後者は後半部における「ブリーズ」の音の有無に明確な差違を有するから、両者はその音数ないし音構成の差異において、彼此聞き誤る虞はなく称呼上非類似の商標というべきである。 加えて、本件商標は「氷のそよ風」程の意味合いを生じるのに対し、引用各商標は、引用A商標が「氷山」を、及び引用B商標が「氷(アイス)」の意味合いの語としてよく知られるものであるから、両者は観念上においても判然と識別でき、かつ、それぞれの構成よりみて外観上でも十分に区別し得るものである。 そうすると、本件商標と引用A及びB商標は、その称呼、観念及び外観のいずれからしても非類似の商標であるといわなければならない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 上述のとおり、本件商標と引用A及びB商標は、その称呼、観念及び外観のいずれからしても非類似の商標であるばかりでなく、申立人の提出に係る甲第1号証ないし甲第4号証は、本件商標の登録データ(甲第1号証)、引用A及びB商標の登録データ(甲第2号証、甲第3号証)、並びに「ICEBERG」、「ICE」ほかの商標についての各国における商標登録状況リスト(甲第4号証)のみであり、引用A及びB商標が申立人らによって、如何なる製品に使用されたかの具体的状況、例えば、その商品の宣伝・広告の時期(期間)、地域、手段等の状況を客観的に把握し得るものの提出がない。してみれば、たとい、諸外国において多数登録されていることの状況ないし実情を認め得るとしても、その点をもって直ちに引用A及びB商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして取引者、需要者間に広く認識され、著名性を獲得したものとする証左とするのは困難であって、申立人の提出に係る甲各号証からはその著名性を認めることはできない。 そうすると、本件商標をその指定商品に使用したとしても、申立人らと関係のある者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれのないものといわなければならない。 (3)まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものとできないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものとする。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2005-02-23 |
出願番号 | 商願2003-8991(T2003-8991) |
審決分類 |
T
1
651・
26-
Y
(Y25)
T 1 651・ 271- Y (Y25) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 三澤 惠美子、有水 玲子 |
特許庁審判長 |
田辺 秀三 |
特許庁審判官 |
高野 義三 内山 進 |
登録日 | 2003-10-10 |
登録番号 | 商標登録第4718005号(T4718005) |
権利者 | 片倉工業株式会社 |
商標の称呼 | アイスブリーズ |
代理人 | 浅村 肇 |
代理人 | 浅村 皓 |
代理人 | 岡野 光男 |
代理人 | 村上 政弘 |