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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 042 |
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管理番号 | 1113571 |
審判番号 | 取消2003-31390 |
総通号数 | 64 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2005-04-28 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2003-10-14 |
確定日 | 2004-12-13 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第3257747号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第3257747号商標(以下「本件商標」という。)は、「SAS」の文字を書してなり、商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則第5条第1項の規定による使用に基づく特例の適用を主張して平成4年9月30日に登録出願、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関するコンサルティング」を指定役務として、同9年2月24日に設定登録されたものである。 2 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録は、その指定役務中、「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関するコンサルティング」(以下、これを単に「指定役務」という。)について、これを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べた。 本件商標の指定役務について、請求人が鋭意調査した限りにおいては、継続して3年以上日本国内において商標権者自身による使用はもとより、商標登録原簿を見ても設定登録された専用使用権はなく、また、許諾を受けた通常使用権者等による使用の事実もないとともに、その不使用についての正当な理由があるとも認められない。 よって、本件商標の指定役務の登録については、商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきである。 3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求め、次のように答弁し、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。 被請求人は、通常使用権者である子会社SAS Institute Japan株式会社を通じ、以下に証するとおり、その指定役務について継続して使用をしているものである。すなわち、通常使用権者は、顧客の依頼により、各種のデータベースの分析、蓄積のほか、顧客固有の状況に応じて電子計算機用プログラムの設計・作成を行い、これに関するコンサルティングを行ってきている。このことは以下に述べるように「User’s Report in Japan」(乙第1号証ないし乙第5号証)に証されている。 (1)乙第1号証(User’s Report in Japan No.28「株式会社帝国データバンク」版) ここにおいては、「SAS」の「倒産確定予測モデル」とその「コンサルティングサービス」について報告がなされている。本Reportには印刷年月日自体は印字されていないが、実際にサービスが提供されていた1例としてこれに関連したコンピュータソフトウェアシステム開発についての「業務履行通知書兼検収依頼書(2003年7月10日付)」(乙第1号証の1)と検収書(2003年7月11日検収)(乙第1号証の2)を提出する。業務履行通知書兼検収依頼書には欧文字「SAS」を大きく表示し、その下方に欧文字「Institute」と「Japan」、漢字の「株式会社」とを表示した印が押されている。前記のUser’s Reportと、「業務履行通知書兼検収依頼書」及び「検収書」の記載を考慮すれば、商標「SAS」を使用した「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守及びこれらに関するコンサルティングサービス」が提供されているということができるものである。 (2)乙第2号証(User’s Report in Japan「株式会社シティアスコム/九州カード株式会社」版)(2001年3月2000部印刷) ここにおいては、「SAS Enterprise Minerソフトウェアを採用しました。導入後のサポートやコンサルティング等の面でも非常に満足しています。」等の報告が記載されている。 (3)乙第3号証(User’s Report in Japan「日本たばこ産業株式会社」版)(2001年3月2000部印刷) ここにおいては、「需給システム実現へのコアテクノロジーとしてエンド・トゥ・エンドでSASを活用」という見出しの下に「販売実権のデータウェアハウスをSASで構築」したことを報告している。 (4)乙第4号証(User’s Report in Japan No.22「プロミス株式会社」版)及び(5)乙第5号証(User’s Report in Japan No.16「日本テレコム株式会社」版) これらは、本件審判請求日の平成15年10月14日より3年以内に印刷され、表示はなされていないが、現在も通常使用権者において顧客への案内として使用されているものである。 そこにおいて、「パフォーマンスデータハウスをベースに新時代のシステムマネジメントを実現」、「巨大セントラル・ウェアハウスを構築し、移動体関連会社の情報分析をサポート」等の報告がなされている。これらは本件指定役務を提供していることを表示するものである。 以上のUser’s Report in Japanは、いずれも小文字の「sas」を表面左上と、裏面の左下側に表示するもので、本件商標「SAS」と同一性の範囲における使用である。 以上提出の書面から、本件商標は、審判請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者により請求に係る指定役務について使用されていたことが明白であると思料する。 4 当審の判断 被請求人の提出に係る乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。)によれば、被請求人の子会社であり、通常使用権者である「SAS Institute Japan株式会社」(「株式会社SASインスティチュートジャパン」という表記がされている場合のものも見受けられる。)が本件審判請求の予告登録日(平成15年11月12日)前3年以内に日本国内において、本件商標「SAS」と社会通念上同一と認められる商標を取消請求に係る役務に含まれる「電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守若しくはこれに関するコンサルティング」といった役務について使用していたものと認められる。 一方、請求人は上記3の答弁に対し、弁駁していない。 したがって、本件商標の登録については、商標法第50条の規定により、これを取り消すことができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2004-10-14 |
結審通知日 | 2004-10-18 |
審決日 | 2004-11-01 |
出願番号 | 商願平4-282496 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(042)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小畑 恵一、小川 きみえ |
特許庁審判長 |
柴田 昭夫 |
特許庁審判官 |
大森 健司 鈴木 新五 |
登録日 | 1997-02-24 |
登録番号 | 商標登録第3257747号(T3257747) |
商標の称呼 | エスエイエス、サス |
代理人 | 杉本 ゆみ子 |
代理人 | 鈴木 征四郎 |