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審決分類 審判 全部無効 商4条1項16号品質の誤認 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) Z30
審判 全部無効 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) Z30
管理番号 1111531 
審判番号 無効2003-35220 
総通号数 63 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-03-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2003-05-30 
確定日 2005-02-03 
事件の表示 上記当事者間の登録第4527874号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4527874号の指定商品中「第30類 全指定商品」及び「第31類 あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし」についての登録を無効とする。 その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。 審判費用は、その2分の1を請求人の負担とし、2分の1を被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4527874号商標(以下「本件商標」という)は、後掲のとおりの構成よりなり、平成12年10月24日に登録出願、第30類「みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,氷」及び第31類「あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,うるしの実,ホップ,未加工のコルク,やしの葉,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵,飼料,釣り用餌,種子類,生花の花輪,飼料用たんぱく」を指定商品として、平成13年12月7日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録は無効とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第9号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)請求の理由
(ア)請求人は、本件商標に対し、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の商標登録異議申立を行い、商標登録を維持する、との決定を受けているものである(甲第2号証)。
(イ)「梅」の漢字は、前記異議決定の、判断に述べる如く、「バラ科の観賞用の落葉高木」を表す語として広く一般に親しまれているものであることは、請求人も認めるところである。
しかるに、これが日常会話や文字等の面での話ならそのとおりであるとしても、本件は商品に関する標識の問題として、かつ、食品に関する商品に付される標識として論議されているものである。
(ウ)インターネットの検索エンジン「Google」で調べてみても、本件の指定商品の分野にあっては、「梅の果実」の如き断り書きなしに、「梅製品」のように「梅」単独で「梅の果実」を利用した各種商品の紹介を行っており、「紀州南高梅ドレッシング/梅肉ドレッシング」「紀州南高梅ドレッシング/梅酢ドレッシング」「紀州南高梅の焼肉のタレ/梅たれ」「紀州南高梅の調味料/梅の酢みそ」「紀州南高梅の調味料/梅びしお」「紀州南高梅の調味料/梅せんい」「紀州南高梅の調味料/梅ばんじゃん」「紀州南高梅の調味料/梅床」「紀州南高梅の調味料/梅酢」「紀州南高梅の調味料/梅酢すし」「紀州南高梅の調味料/浅漬けの素」「紀州南高梅の調味料/赤しその塩」「紀州南高梅の調味料/梅ごま」「紀州南高梅の調味料/つぶ梅肉」等が現に販売されている(甲第3号証)、また、「梅製品」の下に、「梅ぽん酢」「梅みつ」「梅ヨーグルト」のようにこの種商品が販売されている事実を見出すことができる(甲第4号証及び甲第5号証)。
(エ)商標登録の指定商品においても、「梅を加味した焼肉・だんご・魚・野菜のたれ」「梅肉を加味したソース」「梅を加味してなる黒酢」「梅又はそのエキスを主材とする乳清飲料」の商品を指定して登録がなされているところからも、このような商品に「うめ/梅」の文字が付された場合、商品の品質を表示した語であると認識、理解するのが通常と考えられる(甲第6号証)。
(オ)また、審査において出願された、「梅醤」「うめしお/梅塩」「紀州南部の梅乃酢」「南高梅酢」「みなべの梅酢」「南部の梅酢」「梅塩・うめしお」「本ねり梅」「梅しそ」「だしの梅つゆ」「梅醤エキス」「うめしお」「梅黒酢」「梅みそ」「うめしお」「UME」「UME20」「梅」が自他商品識別力なしとして拒絶されている(甲第7号証及び甲第8号証)。
(カ)以上の如く「梅」の文字は、飲食品分野においてはそのまま「梅の実」「梅肉」「梅のエキス」等をも表現する言葉として通用しているところである。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)食品関連で「梅」の文字を使用した市販商品に接した場合、「梅の実」をそのまま、又は、練り状、粉末状、液状等に加工し、混入した何らかの「梅の実の味覚」又は「梅の実の香り」を有する商品を想定させるとするものである。
これは、調味料、香辛料、香料をはじめ、上記各種形体の「梅」が混入可能な加工食料品、氷等をも含むものであり、それ以外の商品については品質誤認のおそれがある。
(イ)「梅」は、「味覚」「風味」として多様な用いられ方が存する果実であり、「しょうが」「にんにく」「しそ」等と同様、健康食品をはじめ味覚、風味材料として、広く食品分野、飲料分野にも用いられているところである(甲第9号証)。つまり、これを用いることができない飲食品を探す方が難しい程であり、その商品名の横に「梅」と記載されていた場合には、何らかの「味覚」又は「風味」の形で「梅の加工品」が混入されていると認識するのが通常である。
したがって、本件商標は、調味料、香辛料、香料をはじめ、各種形体の「梅の加工品」が混入された加工食料品、氷等については、その品質表示として商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、それ以外の商品については品質誤認のおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第24号証を提出した。
(1)本件商標について
本件商標は、本件審判請求人らにより登録異議の申立がなされ、本件審判とほぼ同様の申立理由が述べられたが採用されず、登録異議申立に対して維持決定がなされている。
(2)請求人は、本件商標は、商品「調味料・香辛料・加工野菜又は加工果実」に含まれる一部の商品について、当該商品の品質を表示するものであり、それ以外の「調味料・香辛料・加工野菜又は加工果実」については、商品の品質について誤認を生じるおそれがあると主張し、インターネットで「梅・調味料」等のキーワードで検索した結果及び特許庁における過去の拒絶例を証拠として提出している。
しかし、商品「香辛料」について提出されていると思われる証拠は、いずれも「調味料」に関する記載のみで、本件商標が商品「香辛料」の品質を表示する語として普通に使用されている証拠は何ら提出されていないし、かかる事実も存在していない。
また、商品「乳製品」に類似するとされている指定商品「アイスクリームのもと、シャーベットのもと」について、本件商標が当該商品の品質を表示する語として普通に使用されている証拠も提出されておらず、また、その事実も存在していない。したがって、指定商品「アイスクリームのもと、シャーベットのもと」については、商品の品質の誤認を生じるとも考えられない。
つぎに、請求人によれば、「梅」等の文字を含む商標出願の拒絶例が示されているが、いずれも「梅」のみからなる商標ではなく、本件と事案を異にしているため、その拒絶査定における判断を本件について採用することはできない。なお、旧第29類の「UME」「UME20」及び旧第31類「梅」の商標出願の拒絶例については、15年以上前の判断であり現在において同様の判断がなされなければならないという必然性はなく、請求人も、採用すべきとの特段の事由について、主張すらしていないのであるから証拠として採用すべきではない。
(3)商品「調味料」について提出されている、「梅」の文字又はその文字を含む使用例をみると、いずれも「梅」の文字単独で使用されているものではない。例えば「紀州南高梅ドレッシング」の如く他の文字と必ず結合して使用されている。即ち、「梅肉」「梅酢」等の文字が商品の品質・原材料等を表示する語であるとしても、この事実から、「梅」の文字自体が、商品「調味料」について商品の品質を表示することにならないことは明らかである。また、「梅」の文字自体が単独で商品の品質を表示する語として普通に使用されている例は、提出の証拠としても挙げられていないし、被請求人が調査した範囲では現実にも発見されなかった。
さらに、本件商標の登録を有効と認めたとしても、「梅の実」関連商品について「梅〜」「〜梅」の表示ができなくなるわけでなく、本件商標は、独占適用性も十分に具備している。
したがって、本件商標は、商品「調味料」についても商品の品質等を表示するものではなく、また、商品の品質の誤認を生じるおそれもない。
(4)上記以外の商品については、本件商標が商品の品質を表示しておらず、また、商品の品質の誤認を生じない。審査において自他商品の識別力を有することが認定されて登録され、かつ、登録異議申立における審理を経ても登録維持の決定がなされており、さらに、本件審判でも品質等を表示するとの証拠も提出されていない。一方、登録例を見ても「ウメ」又は「梅」の文字を含む商標であっても、その指定商品が「梅の実」関連商品に限定されていない登録は、過去から近年に至るまで多数登録されている(乙第1号証ないし乙第24号証)。
よって、本件商標は、商品の品質等を表示する語ではなく、また、商品の品質の誤認を生じるおそれもないから、各登録例と同様に取り扱われるべきである。
(5)結び
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号には該当しない。

4 当審の判断
(1)本件商標は、「梅」、「うめ」の文字よりなるところ、該文字(語)が「バラ科の落葉高木」を表す語として広く一般に親しまれていることは認め得るものである。しかしながら、請求人の提出した甲各号証によれば、下記の事実が認められる。
(ア)甲第3号証ないし甲第5号証によれば、梅の実を加工し、これを他の食品に加味した食品が存在すること。そして、その食品に「梅肉ドレッシング」「梅酢ドレッシング」「梅の酢みそ」「梅酢」「梅ごま」「つぶ梅肉」「梅ぽん酢」「梅みつ」「梅ヨーグルト」の如き表示がされ実際に販売されていること。
(イ)甲第6号証によれば、商標登録された指定商品において、「梅を加味した焼肉・だんご・魚・野菜のたれ」「梅肉を加味したソース」「梅を加味してなる黒酢」「梅又はそのエキスを主材とする乳清飲料」の表示をもって商品名として商標登録がなされていること。
(ウ)甲第7号証及び甲第8号証によれば、商標登録出願された、「梅醤」「うめしお/梅塩」「本ねり梅」「梅しそ」「だしの梅つゆ」「梅醤エキス」「梅黒酢」「梅みそ」「UME」「梅」等の文字よりなる商標は、いずれも自他商品の識別力を有しないものと認定、判断され、拒絶されていること。
(2)以上の認定事実を総合勘案すると、本件商標を構成する「梅」、「うめ」の文字(語)は「バラ科の落葉高木」を表す語であるとしても、「梅」「ウメ」の文字が表示された食品に接する取引者、需要者は、例えば「梅肉」「梅酢」の如く「梅(ウメ)・・・」と具体的な商品、品質等が表示されていないとしても、「梅の実」若しくは「梅の実の加工品(梅の実の果肉又はそのペースト、粉末、液汁を加味した食品)」であると理解、認識するものというのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、その指定商品中、「梅の実の加工品を加味した、みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),食用粉類,食用グルテン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,氷」に使用するときは、該商品の原材料、品質を表示するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。そして、前記以外の商品について使用するときは、梅の実の加工品を加味した商品であるかの如く商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標といわざるを得ない。
さらに、上記認定の事実関係よりすれば、本件商標の指定商品中、世人が通常食する商品「米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし」に使用するときは、該商品が「梅の実」であるかの如く商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標というべきである。
しかしながら、本件商標の指定商品中、世人が通常は食することのない商品「うるしの実,ホップ,未加工のコルク,やしの葉,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵,飼料,釣り用餌,種子類,生花の花輪,飼料用たんぱく」については、その商品の原材料、品質を表示するものと認識、理解されるものとはいい難く、請求人の提出に係る甲号証によっても、該商品に使用されている事実は見当たらない。してみれば、本件商標の指定商品中、前記商品については、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、商品の品質の誤認を生ずるおそれもないものというべきである。
なお、被請求人は、「ウメ」又は「梅」の文字を含む商標であっても、「梅の実」関連商品に限定されていない登録は多数登録されている(乙第1号証ないし乙第24号証)旨述べているが、本件商標とは事案を異にするものであり、上記認定、判断を左右するものではない。
(3)したがって、本件商標は、その指定商品中、第30類「みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),食用粉類,食用グルテン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,氷」については、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであり、第30類「米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦」及び第31類「あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし」については、同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、この限りにおいて、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効とすべきである。
しかしながら、本件商標の指定商品中、第31類「うるしの実,ホップ,未加工のコルク,やしの葉,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵,飼料,釣り用餌,種子類,生花の花輪,飼料用たんぱく」については、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効とすべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 本件商標


審理終結日 2004-03-08 
結審通知日 2004-03-11 
審決日 2004-03-24 
出願番号 商願2000-115356(T2000-115356) 
審決分類 T 1 11・ 272- ZC (Z30)
T 1 11・ 13- ZC (Z30)
最終処分 一部成立 
特許庁審判長 小池 隆
特許庁審判官 鈴木 新五
柴田 昭夫
登録日 2001-12-07 
登録番号 商標登録第4527874号(T4527874) 
商標の称呼 ウメ、バイ 
代理人 涌井 謙一 
代理人 松田 治躬 
代理人 鈴木 正次 
代理人 山本 典弘 
代理人 鈴木 一永 
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