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審決分類 |
審判 全部無効 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 無効としない Z41 審判 全部無効 商8条先願 無効としない Z41 審判 全部無効 商3条柱書 業務尾記載 無効としない Z41 審判 全部無効 商4条1項7号 公序、良俗 無効としない Z41 |
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管理番号 | 1109824 |
審判番号 | 無効2004-35021 |
総通号数 | 62 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2005-02-25 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2004-01-14 |
確定日 | 2004-12-13 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4481000号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4481000号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおり、「がんばれ!ニッポン!」と表してなり、平成10年8月13日に登録出願された平成10年商標登録願第68804号に係る商標登録出願を分割し、新たな商標登録出願として平成12年4月5日に登録出願、第41類「オリンピック競技大会・オリンピック冬季競技大会・アジア競技大会・アジア冬季競技大会・ユニバーシアードその他これらに準ずる国際的総合競技大会の開催,スポーツに関する講演会の企画・運営又は開催,セミナーの企画・運営又は開催,技芸・スポーツ又は知識の教授,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),ゴルフの興行の企画・運営又は開催,相撲の興行の企画・運営又は開催,ボクシングの興行の企画・運営又は開催,野球の興行の企画・運営又は開催,サッカーの興行の企画・運営又は開催,競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,当せん金付証票の発売,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行場の座席の手配,映写機及びその附属品の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,スキー用具の貸与,スキンダイビング用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与」を指定役務として、平成13年6月8日に設定登録されたものである。 第2 請求人の主張の要点 請求人は、本件商標の商標登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証(枝番号を含む。)を提出した。 1.請求の理由 (1)商標法第8条第1項について 本件商標は、先願登録の事実(甲第3号証)があり、これに違反する出願である。 (2)商標法第3条第1項柱書について 被請求人は財団法人であり「自己の業に係わる」役務について、商標登録を受け得るものではなく、商標法第3条第1項柱書に違反して登録がなされたものである。 (3)商標法第4条第1項第7号について 被請求人は、財団法人であり公益法人であるので商標を使用した事業をすることが全く予測し得ないものである。 (4)商標第3条第1項第6号について 仮に、被請求人の商標使用の事実が想定し得るとしても、本件商標は被請求人にとっての自他識別力が全くなく、需要者が何人の業務に係る役務であるか認識することができないものである。 2.弁駁の理由 (1)請求適格について 無効審判請求をなすにおいて、法律上の利害関係が必要であると一般的には言われている。「何人も」とわざわざ明文化されている不使用取消審判制度との差違である。他方、無効審判請求適格者は「利害関係人」に限定されていた旧商標法第22条第2項とも異なり、「利害関係人」に限るとの限定は現行法上削除された。したがって、無効審判請求適格者としての法律上の利害関係は、厳密なものである必要はなく、緩やかなものである。また、無効審判請求理由が公益上の理由による場合は、公衆の利益に関する審判請求であるので、出発点として公益性を十分に考慮に入れることが重要であると言える。本件では商標法第4条第1項第7号がこれに該当する。 そして、請求人は、第16類を指定商品として「フォルッアジャパン/がんばれ日本」の商標を有して事業をしており、また、本件指定役務に属するイベント、音楽会等の業務をしている。 したがって、被請求人の、請求人が本件につき法律上の利害関係がなく請求人適格がない、との主張は理由がない。 (2)商標法第8条第1項について 被請求人の本件商標に係る指定役務と引用商標の指定商品とは類似する。すなわち、本件指定役務の中にセミナーの企画・運営又は開催、図書及び記録の供覧、美術の展示、映画・演芸・演劇又は音楽の演奏が含まれており、これらの役務と引用商標の印刷物(楽譜、歌集、雑誌、書籍、新聞、ニューズレター、パンフレット)とは類似する。 (3)商標法第3条第1項柱書について 公益を目的とする財団法人である被請求人が本件商標を指定役務に使用している事実は全くなく、また、将来においても「使用の意思」を持っていないことが、2001年から2004年末まで展開するプログラム説明文中に被請求人自身が「スローガン『がんばれ!ニッポン!』」と明記していることから証明され(甲第5号証)、本条に違反することは明らかである。 商標法第77条で準用する特許法第6条第1項は、第三者として、法人格のない財団が出願審査請求、無効審判請求ができるとするものであり、被請求人の立場は、この条項に該当しない。 (4)商標法第4条第1項第7号について 本件商標は公益を目的とする財団法人である被請求人が、商標として使用する意思のないスローガン「がんばれ!ニッポン!」を商標登録し、商標登録のマークを付し、その信用のもとに収益事業を行うことは公序良俗に反する。 (5)商標法第3条第1項第6号について 被請求人は、乙第2号証ないし乙第10号証より、本件商標が自他識別機能を有している、と主張する。 しかしながら、乙第2号証ないし乙第10号証によれば、「オリンピックシンボル」「日の丸にオリンピックシンボルの白抜き」「オリンピック日本代表選手等の肖像」「オリンピックの文字」に自他識別力が存在しており、本件商標としての自他識別力は存在していない。 第3 被請求人の答弁の要点 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。 (1)請求適格について 請求人には、本件審判を請求するにあたり法律上の利害関係がないから、請求人は、本件審判請求の適格を欠くというべきである。確かに、現行法は、無効審判の請求人適格についての規定を削除した。しかしながら、これは旧法下の無効審判において頻繁に利害関係が争われ、この争いのために数年が費やされることも稀ではなかったために取られた措置であり、現行法下においても、民事訴訟の原則に従い、「利害なければ、訴権なし」の原則が適用されることは広く了解されている。ここにいう利害関係とは、法律上の利害関係をいい、被請求人から商標権に基づいた警告を受けたとか、請求人の出願中の商標に拒絶理由が出されたとかいうように、請求人の利益が被請求人の法律的地位又は行動によって阻害されるおそれのある場合をいう。したがって、本件のように、具体的根拠もなく、請求人の利益ともおよそ関係のない審判の請求は、利害関係が無いことを理由にすみやかに却下されるべきである。 また、仮に、本案について審理される場合であっても、以下に述べるとおり、請求人の主張には、いずれも根拠がないから、本件審判請求は成り立たないというべきである。 (2)商標法第8条第1項について 請求人は、本件商標は請求人の所有に係る登録第3300059号商標(以下「引用商標」という。)との関係で、法第8条第1項に違反して登録されたものであり、無効にされるべきと主張する。 しかしながら、法第8条第1項は、いわゆる「後願先登録」の商標を無効にすべく用意された規定であり、本件商標と引用商標には無関係の規定である。 したがって、仮に、本件商標と引用商標の類似性、並びに、本件商標の指定役務(第41類:オリンピック競技大会等の開催,他)と引用商標の指定商品(第16類:印刷物)との類似性を争うのであれば、法第4条第1項第11号該当性が理由とされるべきである。しかしながら、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品とは非類似である。 (3)商標法第3条第1項柱書について 請求人は、「被請求人は財団法人であり『自己の業に係わる』役務について、商標登録を受け得るものではなく、法第3条第1項柱書に違反して登録がなされたものである」と主張する。 しかしながら、法第3条第1項柱書は「自己の業務に係る」と規定しており、同規定が求めているのは、自己の業務に係る役務についての「使用の意思」であって、財団法人が「自己の業に係わる」役務について登録を受けられるか否かは関係がない。付言すれば、財団法人が商標登録を受け得ることは、商標法第77条で準用する特許法第6条からも明らかであり、被請求人は、後述するように、自ら本件商標をその指定役務について使用しているから、法第3条第1項柱書に違反するものではない。 (4)商標法第4条第1項第7号について 請求人は「被請求人は、財団法人であり公益法人であるので『商標』を使用した事業をすることが全く予測し得ないものである」として、本件商標が法第4条第1項第7号に該当すると主張する。 しかしながら、法第4条第1項第7号は、公序良俗を害するおそれがある商標について規定するものであり、例えば、商標自体がきょう激又は卑わいな文字、図形からなるものや、当該商標をその指定役務に使用することが、社会の公益又は一般的道徳観念に反するような場合に、このような商標の登録を防ぐために設けられた規定である。 したがって、被請求人が、財団法人であり公益法人であることと法第4条第1項第7号とは無関係であり、さらにまた、財団法人や公益法人自身が、商標登録を得ることに何ら問題がないことは、多数の私立学校や宗教法人が、そのマークについて商標登録を得ている事実からも明らかである。 (5)商標法第3条第1項第6号について 請求人は、本件商標は「需要者が何人の業務にかかる役務であるか認識することができないものである」から、法第3条第1項第6号に該当すると主張する。 しかしながら、本件商標は、実際の市場において、自他役務の識別標識として現実に機能しているものであり、本件商標は、特許庁における厳正な審査を経て登録されている。 したがって、本件商標が識別力を有する商標であることは争う余地がないが、念のため、現実の使用状況と本件商標に化体した莫大な顧客吸引力とを立証すべく、乙第2号証ないし乙第10号証を提出し、説明を補足する。 (6)本件商標「がんばれ!ニッポン!」の著名性 被請求人(財団法人日本オリンピック委員会=JOC)は、日本国内唯一のオリンピック委員会であり、選手の育成・強化を中心として、国際競技力の向上とオリンピックムーブメントの普及・啓発事業を行っている(乙第1号証)。 本件商標「がんばれ!ニッポン!」は、昭和54年(1979年)から今日に至るまでの25年間、「オリンピック・キャンペーン事業」、「選手強化キャンペーン事業」、「マーケティング事業」等の各事業、並びにこれらの事業に係る商品・役務について、継続して使用されている(乙2号証)。被請求人(及びその前身である財団法人日本体育協会)による前記商業活動は、昭和54年(1979年)に、国際オリンピック委員会(IOC)が、オリンピック憲章から「アマチュア」の文字を削除したことを背景に認められるようになったものである。 本件商標を使用したキャンペーン事業の内容及び歴史については、乙第2号証及び乙第8号証に詳しいが、さらに、同キャンペーンの協賛企業等が制作した宣伝・広告用ポスターの抜粋(写真)を、被請求人の事業・広報部部長の報告書(1)に添付して提出する(乙第3号証)。この他、本件商標が、上記役務について実際に使用されていることは、例えば、乙第8号証47頁の写真からも明らかである。 加えて、被請求人が、本件商標を、上記指定役務の他、「スポーツに関する講演会の企画・運営又は開催」、「セミナーの企画・運営又は開催」といった役務について使用している一例として、乙第4号証を提出する。 さらに、本件商標「がんばれ!ニッポン!」を使用した「オリンピック・キャンペーン事業」、「選手強化キャンペーン事業」、「マーケティング事業」等の各事業に関する宣伝・広告活動を示す資料として、乙第5号証を提出する。この乙第5号証には、前記キャンペーンの協賛企業の一覧表及び業種を示す表などが添付されており、延べ166社に及ぶ各協賛企業の業種が多岐にわたっていることがみてとれる。 さらに、平成4年(1992年)に開催されたアルベールビル冬季大会とバルセロナ大会のために出稿されたテレビ及び新聞・雑誌等の広告の実績を、乙第6号証及び乙第7号証として提出する。 上記の他、本件商標は、その指定役務である「オリンピック競技大会の開催」に関する広告に付して展示されたり、頒布されたり(法2条3項8号規定の使用態様)しているが、その一例として、被請求人が頒布したマスコミ向けプレスリリース資料と、地下鉄の駅に掲示されている駅貼ポスターの掲出状況を提出する(乙第9号証及び乙第10号証)。 以上述べたとおり、被請求人の本件商標「がんばれ!ニッポン!」は、四半世紀にわたり、現実の市場で自他役務の識別標識として実際に機能しているものである。さらに、本件商標は、被請求人の業務に係る役務を表示するものとして、既に需要者の間に広く認識されており、莫大な信用力を獲得している。 一般の消費者は、市場にあふれる多種多様な商品・サービスの中から、本件商標を目印に被請求人及び協賛企業が提供するサービスや商品を識別しているものである。したがって、本件商標が、法第3条第1項第6号に該当するとの請求人の主張は、失当である。 (7)まとめ 上述したとおり、本件商標は、商標法第8条第1項には該当せず、また、同法第3条第1項柱書に違反して登録されたものでもなく、さらに、同法第4条第1項第7号及び同法第3条第1項第6号にも該当しないことは明白であり、本件審判請求は理由がない。 第4 当審の判断 1.請求適格について 請求人が本件審判の請求をするについて当事者間に利害関係の争いがあるので、この点について検討する。 登録商標の存在によって直接不利益を被る関係にある者は、それだけで利害関係人として当該商標の登録を無効にする審判を請求することにつき、利害関係を有する者に該当すると解するのが相当である。 そして、本件においては、請求人は、その主張に照らせば、本件商標と自己の所有に係る登録商標(登録第3300059号商標、以下「引用商標」という。)との間で、出所の混同を生ずるおそれがあると思料しているものと認められ、本件商標の登録の有無により、引用商標の登録の所有者の地位に影響を受ける者といい得るものであるから、本件商標の登録を無効にし、排除せんとすることは、当然の権利というべきものである。 したがって、請求人には、本件審判請求をする法律上の利害関係があるものというべきである。 2.商標法第8条第1項について 引用商標は、「フォルッアジャパン」及び「がんばれ日本」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成6年5月9日に登録出願され、第16類「印刷物」を指定商品として平成9年5月2日に設定登録されたものであるところ、請求人は、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品が類似するものであると主張する。 しかしながら、役務と商品では本質的に性質が異なるばかりでなく、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品とは、取引の対象・形態・流通経路、用途及び提供・販売場所等を共通にするものではないというべきである。そして、被請求人は、類似するものとすべき格別の根拠を何ら示していない。 よって、この点の請求人の主張は採用できないものであり、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品は、類似するものということができない。 したがって、本件商標は、商標法第8条第1項に違反して登録されたものではない。 3.商標法第3条第1項柱書について 乙第1号証の「財団法人日本オリンピック委員会の寄付行為」によれば、本件商標の登録査定時において、被請求人は、本件商標の指定役務のうち、少なくとも「オリンピック競技大会・オリンピック冬季競技大会・アジア競技大会・アジア冬季競技大会・ユニバーシアードその他これらに準ずる国際的総合競技大会の開催」の役務について事業を行い、将来もこれらの事業を行う意思があったものと認められる。また、前記以外の本件商標の指定役務についても、法令でその役務について事業を行うことがを禁止されているなどの理由で、被請求人が、それらの役務について事業を行う意思がなかったことが明らかといえる事実は見当たらない。 ところで、請求人は、被請求人が本件商標について将来においても「使用の意思」を持っていないことが、2001年から2004年末まで展開するプログラム(甲第5号証)説明文中に被請求人自身が「スローガン『がんばれ!ニッポン!』」と明記していることから証明される旨主張するが、本件商標がスローガンといえるものであるとしても、それが、直ちに、商標として使用する意思までも否定することにはならないから、当該主張は採用することができない。 なお、当事者間において、商標法第77条で準用する特許法第6条第1項について言及があるが、この規定が、商標法第3条第1項柱書の規定の解釈と直接関係があるものとは解されない。 したがって、本件商標は、その登録査定時において、請求人の業務に係る役務について使用をする商標であったというのが相当であるから、商標法第3条第1項柱書の規定に違反して登録されたものではない。 4.商標法第4条第1項第7号について 請求人は、商標として使用する意思のないスローガン「がんばれ!ニッポン!」を被請求人が商標登録し、商標登録のマークを付し、その信用のもとに収益事業を行うことは公序良俗に反する旨主張する。 しかし、被請求人は、財団法人であり公益法人であるが、その事業に関連し商標登録をして収益事業を行うことが法令上、全面的に禁止されているわけではない。そして、商標法第4条第2項は、当該団体自身が出願した場合は商標登録を受けられるという規定であり、これは、団体が業務を行う場合に、団体自身が使用する場合を予定した規定と解される。 また、スローガンが一律に商標としては使用されることがないものと断定することもできない。 そして、前記3.のとおり、被請求人は、現に指定役務「オリンピック競技大会・オリンピック冬季競技大会・アジア競技大会・アジア冬季競技大会・ユニバーシアードその他これらに準ずる国際的総合競技大会の開催」について業務を有しており、将来もこれらの役務について、本件商標を使用する意思が認められるものである。 したがって、この点の請求人の主張は、根拠を欠くものといわざるを得ないものであり、採用できず、本件商標は、これを公序良俗に反するものとすべき相当の理由がないから、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものということはできない。 5.商標法第3条第1項第6号について 乙第2号証ないし乙第8号証によれば、本件商標を構成している「がんばれ!ニッポン!」の語は、被請求人が、昭和54年(1979年)以来、「オリンピック・キャンペーン事業」「選手強化キャンペーン事業」等について使用してきたものであること、これに加えて、国家的事業であるオリンピック選手強化事業キャンペーンを表す標章として、長年にわたり継続して多数広範な協賛企業に対し役務等にその使用を許諾し、全国的に使用されてきた結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、国民の間に広く知られ、相当程度周知著名となっていた事実が認められる。 そうすると、「がんばれ!ニッポン!」の語は、前記事実からすると、需要者及び一般国民は、被請求人の事業を表す標章として、また、これを使用している企業はオリンピックに協賛しているものと認識するに至っていると認められ、役務に使用した場合、オリンピックに協賛している企業に係る役務を表す商標として、自他商品・役務の識別機能を有するものというべきである。 したがって、本件商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標に該当しないものであり、商標法第3条第1項第6号に違反して登録されたものでない。 6.以上のとおり、本件商標は、商標法第8条第1項の規定、同法第3条第1項柱書の規定、同法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第7号のいずれにも違反して登録されたものではないから、その商標登録は、商標法第46条第1項の規定により無効とすることはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本件商標 ![]() |
審理終結日 | 2004-10-13 |
結審通知日 | 2004-10-15 |
審決日 | 2004-11-02 |
出願番号 | 商願2000-34766(T2000-34766) |
審決分類 |
T
1
11・
16-
Y
(Z41)
T 1 11・ 22- Y (Z41) T 1 11・ 4- Y (Z41) T 1 11・ 18- Y (Z41) |
最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
涌井 幸一 |
特許庁審判官 |
小川 有三 富田 領一郎 |
登録日 | 2001-06-08 |
登録番号 | 商標登録第4481000号(T4481000) |
商標の称呼 | ガンバレニッポン |
代理人 | 松尾 和子 |
代理人 | 大島 厚 |
代理人 | 佐々木 功 |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 川村 恭子 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 寒河江 孝允 |
代理人 | 井滝 裕敬 |
代理人 | 加藤 ちあき |
代理人 | 辻居 幸一 |