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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない Z18202425
管理番号 1109774 
審判番号 不服2001-23716 
総通号数 62 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-02-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-12-07 
確定日 2004-12-06 
事件の表示 商願2000-46655拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「Polo Club」の文字と「ポロ クラブ」の文字とを二段に横書きしてなり、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」を指定商品として、平成12年4月10日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、アメリカ合衆国在住の著名なデザイナー、ラルフ・ローレンが、本願商標登録出願前より、被服・バッグを始めとするファッション関連商品に使用している著名な商標『POLO』の文字をその構成中に有するものであるから、これを本願商標の指定商品に使用するときは、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関連を有する者の取り扱いにかかる商品であるかのごとく、商品の出所について需要者に混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 当審において、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服等について使用される「Polo」ないし「POLO」の文字よりなる標章、「by RALPH LAUREN」の文字よりなる標章、「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」の図形よりなる標章及びこれらを組み合わせた標章(以下「ラルフローレン標章」という。別掲2に示したものは、その一態様をあらわす。)に関して行った職権による証拠調べによれば、以下の事実が認められる。
(1) サンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」(208頁)によれば、「ポロ」の見出しのもと、馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形、横長四角形中に記載された「Polo」の文字及び「by RALPH LAUREN」の文字の各標章とともに、「種類【インポート】バッグ、【ライセンス】紳士/コート、スーツ、ジャケット、ブレザー、ニット、ベルト、ジーンズ、ネクタイ、ソックスなど婦人/ワンピーズ、ブレザー、ブラウス、パンツ、シャツなど」の記載がある。
(2) 株式会社洋品界昭和55年4月15日発行「1980年版『海外ファッション・ブランド総覧』」<ブランド別:海外提携品・輸入品一覧>の項(122頁、123頁)における「ポロ/Polo」の項(221頁)、「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン/POLO by RALPH LAUREN」の項(195頁、224頁及び281頁)によれば、「ポロ/Polo」の商標を使用した紳士靴が昭和52年から、「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン/POLO by RALPHLAUREN」の商標を使用した紳士服、ネクタイ、ハンカチ、紳士靴等が昭和51年から、同じく「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン/POLO by RALPH LAUREN」の商標を使用したサングラスが遅くとも、本書籍の発行日である昭和55年4月15日以前に西武百貨店を通じて我が国において販売されていたことが記載されている。
(3) 昭和63年(1988年)10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が1977年(昭和52年)からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、1978年(昭和53年)から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。
(4) ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士用品については、株式会社講談社昭和54年5月20日発行「世界の一流品大図鑑’79年版」(147頁)、株式会社チャネラー昭和54年9月20日発行別冊チャネラー‘79-9「ファッション・ブランド年鑑’80年版」(130頁)、株式会社講談社昭和56年4月25日第二刷発行「男の一流品大図鑑’81年版」(12頁)、株式会社講談社昭和55年6月20日第二刷発行「世界の一流品大図鑑’80年版」(131頁)、株式会社講談社昭和56年6月20日第二刷発行「世界の一流品大図鑑’81年版」(87頁)、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」(208頁)、株式会社講談社昭和60年5月25日発行「流行ブランド図鑑」(63頁)のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されている。また、ラルフローレンのデザインに係る眼鏡のフレームについては、前記「男の一流品大図鑑’81年版」(171頁)において、「POLO」、「ポロ」、の表題の下に紹介されている。さらに、同書籍172頁の広告欄において、「馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形」、横長四角形内に記載された「Polo」の文字及び該横長四角形の下に書された「by RALPH LAUREN」の文字の下に眼鏡のフレームの広告宣伝がなされている。
(5) 株式会社研究社1991年第3刷発行「英和商品名辞典」には、「POLOポロ」の見出し語(340頁)の下に「⇒Polo by Ralph Lauren」との記載があり、「Polo by Ralph Lauren ポロバイラルフローレン」の見出し語(340頁)の下に「米国のデザイナーRalph Lauren(1939-)がデザインした紳士物衣料品。通例Poloと略して呼ばれる。・・・1976年に紳士服でCoty賞を受賞、翌年には婦人服で受賞。・・・1974年の映画The Great Gatsby(「華麗なるギャッツビー」)の衣裳を担当して、人気が急上昇した」と記載されている。また、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」(208頁)の「沿革」欄にも同趣旨の記載がある。
(6) 「馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形」、「Polo」、「POLO」を模倣した偽ブランド商品が市場に出回り、刑事摘発を受けた旨が、例えば、平成元年(1989年)5月19日付朝日新聞(東京版、16頁)夕刊、同4年(1992年)9月23日付読売新聞(東京版、16頁)朝刊、同5年(1993年)10月13日付読売新聞(大阪版、30頁)朝刊、同11年(1999年)6月8日付朝日新聞(西部版、6頁)夕刊に報道された。
(7) 「Polo」(ないし「POLO」)の文字からなる標章、「by Ralph Lauren」(ないし「by RALPH LAUREN」あるいは「RALPH LAUREN」)の文字からなる標章、「馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形」からなる標章が、それぞれ単独で、又は、それらの全部あるいは一部が組み合わされて、商標として使用された結果、その著名性が認定された判決として、東京地方裁判所平成8年(わ)1519号(平成9年3月24日言渡)、東京高等裁判所平成11年(行ケ)192号(平成12年2月29日言渡)、があるほか、平成12年(行ケ)160号(平成14年6月19日言渡)、平成12年(行ケ)308号(平成14年6月19日言渡)、東京高等裁判所平成14年(行ケ)490号(平成15年6月23日言渡)、平成15年(行ケ)第199号,第200号,第201号,第202号(平成15年12月16日)等がある。
2 上記1(1)ないし(6)の事実を総合し、同(7)に記載した判決をも併せ考慮すれば、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服等について使用される標章は、「Polo」の文字よりなる標章、「by RALPH LAUREN」の文字よりなる標章、「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」の図形よりなる標章及びこれらを組み合わせた標章(ラルフ・ローレン標章)は、我が国において、単に「Polo(ないし「POLO」)」、「ポロ」と略称され、その略称は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服等について使用される標章として、本願商標の登録出願前には既に、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたものであり、その認識の度合いは現在においても継続していると認めることができる。
3 本願商標及びその指定商品について
(1)本願商標は、前記第1のとおり「Polo Club」の文字と「ポロ クラブ」の文字を書してなるものであるところ、「Polo」の文字と「Club」の文字及び「ポロ」の文字と「クラブ」の文字とが、約一文字の間隙を有して一連に表されており、視覚上、2語からなるものといえる。そして、本願商標の構成中、前半部である「Polo」及び「ポロ」の文字部分は、前記の周知著名な引用商標「POLO」及び「ポロ」と同一であり、本願商標の構成中、後半の「Club」及び「クラブ」が広く同好の士の集団を意味するごくありふれた日常用語にすぎないことから、これに接する取引者・需要者は、「Polo」及び「ポロ」の文字部分に強く印象付けられ、本願商標が「ポロ」と略称されることのある引用商標等のブランドの一種(すなわち、ラルフ・ローレン又は同人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係るブランドは、男性向けと女性向け、中年向けと若者向け、フォーマルとカジュアル等対象とする顧客に相応して、基本となる引用商標に多少の変更を加えて、それぞれの顧客ごとにブランドを使い分けている。)であるものと誤解することも少なくないものと認められる。
(2)本願の指定商品は、前記第1に示したとおり、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」であって、ラルフローレン標章が使用されている商品と同一であるか又はこれと関連性の程度が極めて高いものであり、また、このことから両者の商品の取引者及び需要者が共通することも明らかである。
4 出所の混同について
前記1ないし3で認定した事情よりすれば、本願商標をその指定商品について使用した場合は、これに接する取引者、需要者は、前記3(1)で認定したとおり、「Polo(ないし「POLO」)」、「ポロ」とも呼ばれるラルフ・ローレンのブランドを連想、想起することは明らかであり、該商品が「Polo(ないし「POLO」)」(ポロ)のブランドの一種、ないし兄弟ブランドであるとの誤解を生ずるか、あるいはラルフ・ローレン、もしくはその関連会社と組織的、経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように認識する蓋然性が極めて高いというべきである。
したがって、本願商標は、これをその指定商品について使用するときは、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品ないしその関連会社が取扱う商品との間に、出所の混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
5 むすび
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 (別掲)ラルフ・ローレン標章

審理終結日 2004-09-14 
結審通知日 2004-10-01 
審決日 2004-10-14 
出願番号 商願2000-46655(T2000-46655) 
審決分類 T 1 8・ 271- Z (Z18202425)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 井岡 賢一 
特許庁審判長 茂木 静代
特許庁審判官 金子 尚人
山本 良廣
商標の称呼 ポロクラブ、ポロ 
代理人 山内 淳三 

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